おんなのことやくそく
つぎのひ
おとこのこがいつもよりはやくブランコにすわっていた。
とってもくらいかおをしていた。
「どうしたの?」
わたしはおとこのこのかおをみながらとなりのブランコにすわった。
おとこのこはわたしのほうをむいていった。
「きみはひとりってすき?」
とうとつなしつもん。
わたしはすこしかんがえていった。
「すきだよ。でも…ときどきいやっていうときもあるな」
「どうして?」
わたしをおいつめるようにみつめるきみ、わたしはおもわずしせんをしたにむけてしまった。
「どうしてって…。わかんないけど。きみといるとわたしはたのしいよ。」
わたしにとってこのことばはあるいみほかのひとからきくと”こくはく”にしかきこえなかった。
わたしはかおをあからめてしまった。
「…ぼくはひとりがすき。」
おとこのこはぽつりといった。
「かぞくもともだちもいらない。だってぼくにとってはじゃまなだけなんだ。
みんななかよくしようとか…そんなのうわべだけのことばだよ」
そのおとこのこからでたことばはとてもつめたかった。
こころがない…まえになにかあったのかな?
「じゃぁわたしは?わたしはじゃま?」
わたしはおとこのこにきいた。
このしつもんでどうこたえてもわたしはそれをうけとめよう。
でもすこしこわかった。
きらわれていたらどうしようって
じゃまだったらどうしようって
「きみはぼくのせかいのじゅうにんなんだろう?ならぼくじしんがもとめていたのかもしれない…」
わたしはほっとした。
でもすこしこころにあながあいた。
ほかのひとのことでこんなにきになるって…おかしいな。
「そっか…よかった。わたしここにいていいんだね。きみのそばに!」
おとこのこはくびをたてにふった。
そしておとこのこのくちからこんなことばがでてきた
「だからぼくのところからいなくならないで?」
おとこのこはそういっていえにかえっていった。
わたしはびっくりしていたのかもしれない、でもこころのかたすみにはすこしのうれしさがあったかもしれない。
わたしはブランコからたって、あるばしょにむかった。
そこは…あのナイフをかくしたばしょ。
そしてまたきずをひとつ…
ふたつ…
きづいたらまたてくびはまっかになっていた。
そしておとこのこのことばがあたまをよこぎる
「だからぼくのところからいなくならないで?」
わたしはまたやってしまった。
こんどこそやらないようにナイフをすてた。
わたしはいなくなっちゃダメなんだ。
わたしはおとこのこのせかいの”じゅうにん”なんだから