おんなのことじけん
ここにきたいちねんまえ…
おにいちゃんはおとうさんのじまんだった。
そしてわたしのじまんだった。
あたまがよかったし、やさしくてかっこよかった、
みんなもおにいちゃんがすきだった。
でもあるひ…
わたしはおとうさんによばれたのでおとうさんのへやにいくとき、
へやにとびらがすこしひらいていた。
そこからのぞくと…
おにいちゃんとおとうさんがいた。
「お父さん、僕はあとを継ぐことはできない」
「な、なぜだ!お前はこの会社を継ぐんだろう!!」
「お父さんみたいな人にはなりたくないんだ!
…お父さん、聞いたよ”買収”しているらしいね」
「!?なぜそのことを…!」
「ちょっとね、ちゃんと証拠もあるんだ、この前はある町を買ったらしいね」
「…それがどうした?」
「暴力…でね。その町の町長に聞いたんだ、ある会社が暴力行為で”金をやるから土地”をよこせって」
「っ…」
そのときすきまだったからあまりみえなくてなにをはなしているのかはわからかったけど、このことだけはわかった。
おとうさんはわるいことをしているって
「僕はお父さんがこんなことをしているのがいやなんだ。これは法律で禁じられている」
「っふちゃんとした交渉じゃないか…どこが悪い」
「…知っているよ。この前、お母さんにことことがバレたんだよね。そしてお父さんは…お母さんを殺した!!」
「ぐっ!な、なぜ…」
「僕は見てたからね。ずっと…」
おにいちゃんがなにかいいかけたときに、おとうさんはなにかをてにとっているのがみえた。
どうでつくられたおきもの。
それをおとうさんはおにいちゃんにふりあげた
バンッ!!
わたしはおもいっきりとびらをあけた
「おにいちゃん!あぶない!」
からだがかってにうごいていた。
おにいちゃんはこっちにふりむいた。
おとうさんはもうダメだったきがくるっていた。
「っち…この親不孝物!!ここで死ねえ!」
またかまえなおしおにいちゃんをねらう。
「おにいちゃん…おにいちゃんっ!」
「にげろ!…僕は大丈夫だから
「やだっやめてよ!」
「やめてよ!おとうさん!!」
もうわたしのこえはとどかなかった。
いっしゅんわたしのめのまえはくらくなった。
にぶいおとがすこしきこえた。
きがつくと…へやは
あかいいろにそめられていた。
てつのにおいがはなをとおりこしてあたまにきた。
わたしはめのまえにころがっているものをみた。
おにいちゃんだ…
あたまのなかみがでている。
おとうさんはわらっていた。
「こいつが悪い…。あの女と一緒だ…この出来損ないが!!」
そういっていた。
そういうとおとうさんはわたしのほうにふりむいてこういった。
「…大丈夫かい?怖かったねぇ…もうこんな時間だ部屋に戻りなさい。誰にも言うんじゃないぞ。
おとうさんはなにもなっていないからね?」
そういってわたしをへやからだした。
わたしはへやからだされるとき、おにいちゃんがもっていたリストバンドをとっていた。
わたしはそれをじぶんのてくびにつけてじぶんのへやにもどった。
きょうふがあたまをよぎる。
あのにおいもせんめいにおぼえちゃっている。
あらためてせかいがこわいとおもった。
わたしをおにいちゃんとおなじようにしかったのには「これ以上人を殺したくはない」ということかもしれない。
しかし、ふとおもった。
ひとをころしたんだ。
おかあさんとおにいちゃんも…
けいさつにでんわをかけようとしたけど
なぜかいつもいるしようにんにとめられてしまった。
どうすることもできなかったんだ。
あのときおにいちゃんをすくうことさえも。
わたしはずっとじさつをくりかえしてきた、でもしねない。
いたかっただけなんだ。