家出少年?
それは突然だった。
「な、何——!!!???」
♢
「・・・で?リン。朝いつも通り朝食の支度を終えて、キユの部屋に行ったら、置き手紙があって肝心のあいつがいない・・・と?」
青年の言葉に、首がもげそうな位首を降っているのは、我らがヒロイン、リン・リルバートである。
リンは赤いチャイナに身を包んでおり、とてもかわいらしい印象を受ける。まぁ、一言で言えば、美少女。
そんなリンの向かい側、キユと言う男のおいていった置き手紙を持っている青年の名はゼロ。
ゼロは、はぁ・・・とため息をつくと、置き手紙を読み始めた。
「つかなんだよ、このふざけた内容は」
かわいいリンへ
なんか急に旅がしたくなったので、旅にでます。
捜さないでください。
君の大好きな師匠より
ps.ゼロたちと一緒に寝ちゃだめだゾ☆
この手紙をよんで思うことは一つ。
どこの家出少年だ。※23歳
「はぁ、お騒がせなやつ・・・」
ゼロはリンに手紙を返すと、前髪をかきあげた。
「・・・・・・ちっ、リンに迷惑かけやがって。殺す」
「ココナ、剣しまって!リン後ろにいるから!がくがく震えてるから!!」
ゼロがなだめている少女。名前はココナ。眼鏡と背中に背負っている不釣り合いな大剣が印象的な女の子だ。
ココナの後ろでは、身体をがたがたと震わせているリン。
震えながら、「ココナが・・・ココナが怖い」と呟いている。
はっきりいって怖い。
「・・・で、どうするの?捜す?ほっとく?」
ゼロが問う。
「私はほっとけばいいと思う」
ココナが言う。ちなみに、剣はもうしまっている。
「あたしは捜すよ」
持っていた手紙を握りしめて、リンが言う。
「・・・なんで?」
「きっと師匠にも理由があるんだよ!!」
かっこ良く決めたリン。だが・・・。
((いや・・・理由はないと思うぞ。書いてあるし・・・))
内心では超突っ込まれていた。