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お題シリーズ4

謎の船

作者: リィズ・ブランディシュカ



 船が、空に浮いていた。


 ありえない。


 あの船は一体なんなんだ?


 船は川とか海に浮かぶものだ。


 空を飛ぶようなものではないはず。


 俺達は、偶然その船を目撃して呆然としていた。


 しかも船はピカピカで、光を反射している。


 木で作られているわけではないようだった。


 まさか石で作られているのか?


 石の中には表面がつるつるしていて、光を反射するものがたまにあった。


 けれど、そんなの重すぎて水中に沈んでしまう。


 だから、空を浮かぶなんて論外だ。


 俺達は訳が分からずに、その謎の船を眺めていたが、船はある時を境に姿を消してしまった。


 あまりにも突然消えてしまったから、白昼夢でも見ていたのかと思った。


 一体、何だったんだあの船は。


 何かの見間違いか?








 観光用の宇宙船で、文明度の高くない惑星に向かった俺は「あっ」と声をあげた。


 文明が進んでいない惑星では、過度の接触や観賞はいけない事だとされている。


 だから、向かう時は透明化を施しておかなければならない。


 しかし、それを忘れていたようだ。


 俺は慌てて透明化をほどこす。


 これで宇宙船の姿は見えなくなっただろう。


 しかし痛恨のミスだ。


 この惑星の文明度は船を使って、海を渡るようになった頃合い。


 宇宙船や飛行船なんて、まだ存在しないというのに。


 上司に報告書を書いて提出しなければな。


 眼下に見えるこの惑星の者達は、ぽかんとした顔で空を見上げているが、じきにあきて視線を離していった。


 このまま、忘れていてくれたらいいんだけど。

 歴史書とかに、謎の船目撃者多数、なんて書かれないといいよな。


 自分のミスの結果が歴史書に綴られて、その世界の人々にずっと伝えられていくなんて、ある意味拷問だ。


 俺はもやもやした気持ちで観光用の宇宙船をそれからも操縦していった。



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