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現在の二話の題名を変更しました。
「よく、こーんな攻撃も避けれないでアークに昇格できましたこと。同じアークとして恥かしいですわ……もう一度、小天使からやり直してわ?」
こちらに歩み寄りながら、そのアークはアルを罵った。
だが、アルは批判するどころか、突然現れた彼女を丸い目で見ていた。
この突如として攻撃を仕掛けて来た女性が、誰なのかが分からなかったからだ。ましてや、何故、自分に攻撃をして来た理由も。
「あら、どうしました? まさか、あの程度の攻撃で恐ろしさのあまり返答も動きませんこと?」
「いや、あの……」
焦りながら、彼女の容姿に目を落とす。知り合いならば、何か特長があったはずだ。
「無理しなくてよろしくてよ。貴女にはそれがお似合いですわ! もっと怯えなさい! そして私にひれ伏しなさい!」
「おほほほほほほっ!」満足げに高笑いするアークに戸惑いながらも、アルは必死にそのまま彼女を見続けた。
「何ですの? 先程からじろじろと」
流石に何の反応も見せない彼女に、痺れを切らしたアークはきっと睨みを利かてきた。
「いや、えっと……その、」
「言いたいことがあるのでしたら、はっきり言ってくれないかしら?」
アークは苛立ちを隠せない様子で、再び髪をくるくると弄り始めた。
これ以上、白を切るのは無理だ。彼女には申し訳ないが………一体お前は誰なんだ?!
「……!」
本当のことを言う勇気が出ないまま、ちらりと彼女を見ると、ふとその髪を弄るしぐさに見覚えがあることを思い出した。すると、幼い頃、よく遊んでいたある女の子の素顔にどこか似ている感じがした。
「えっ………さっちゃん、」
「メルシーよ!! メルシー・グラナリアス・ルルー・サ!!」
驚くほどの反射神経で、メルシーと名乗るアークの怒号がアルに飛び交った。
「えっ、なんで……」
驚きのあまり、目を見開いた。
彼女とは、まだ私が小天使だった頃からの幼馴染だ。だが、エンジェルに昇格してからは昔のように遊ぶことも会うことさえ無くなった。
「なんでって……貴女だけが階級試験に合格したとは限らなくてよ?」
メルシーはそう言うと、二階の窓辺に十体のアークらしき天使達が現れた。
「それに、貴女が慣れたのに私が昇格出来ないわけないでしょ?」
それもそうだ。さっちゃんの頭の良さは今回の昇格者の中でもおそらくトップクラスだろう。そんな彼女がアークの試験に落ちるはずがない。
私は懐かしさを感じながら、緊張が解けいくのがわかった。
だが、彼女の方は私を懐かしむどころか、きつい目線を向けていた。
「あと、その幼稚な呼び名、やめてくれませんこと? 私、もうお子様ではないので」
「……さっちゃん」
「だから、その呼び名をやめろと言っているの!! わかります?」
「だって、今更変えろって言われても……」
不服に思いながらも、アルは新しい彼女の名前を考えることにした。
「うふ、では今ならメルシー『様』と、呼ばせて上げてもよろしくてよ」
「じゃあ、ルルーサ」
「なんでそうなるのよ! しかも後ろ!?」
「だって、メルシーって感じじゃない」
「うっ……」
言葉に詰まった感じで、メルシーは観念したように、
「し、仕方ないですわね、特別に許してあげますわ……ありがたく思いなさい」
と、髪を弄りながらそっぽを向いてしまった。
「ありがとう、ルルーサ」
「ルルー・サ! どうもおかしいと思ったら貴女、区切りつけないで私の名前を呼んでますこと?! 私の名前はルルー・サ! ルルー、サ!!」
肩で息を切らしながら、彼女は深く深呼吸をした。すると、何かを頭の中から振り払おうとしてか、首を横に何回も振り始めた。
そして、それが治まるとメルシーの表情がまた彼女を蔑む姿に戻っていた。
「……そう言えば、貴女よく私の名前覚えていましたわね」
「そんなの、当たり前…」
「私は、」
「貴女の名前、忘れましたけどね?」アルの一声を遮るように、メルシーの表情は不適な笑みをこぼし、どこか恨みがこもった様子だった。
「……アル」
「違いますわ。貴女にはもっと相応しいお名前がお有りだったはずよ、確か………『仲間殺しのゼレル』、いえ、『死を呼ぶゼレル』。の方がよろしかったかしら?」
「………」
その言葉に、アル自身も無言になった。
またしても場の雰囲気に亀裂が走る。
両者の睨み合いが続く中、それに終わりを駆けるように一本に剣が彼女たちの前のプレートに突き刺さった。
「やめないか! 麗しのエンジェル達!」
二階からその声はした。声のした方を向くと、そこには、メルシーよりも薄色の金髪の長髪を下ろした青い軍事服のようなものに身を纏った若い男の姿があった。その瞳は正義に満ち溢れ、次の瞬間、ルルーサの隣へと着地した。
着地に成功すると、決まったとでも言いそうに、顎の下に指を置きガッツポーズをする。
「どういうつもりですこと? シエル」
メルシーの怪訝そうな声に、シエルと呼ばれた男は胸に左手を添えて答えた。
「僕はただ、これ以上君達レディーの無意味な争いを止めさせようと剣を振るっただけだよ。それに君こそ、せっかくの美貌が台無しだ」
シエルはそう言うと、メルシーの顔に自身の顔を近付けると、彼女の発動させた魔法陣によって停止を余儀なくされた。
「それ以上近づいたら、そのうざったい両目に風穴が開きますわよ?」
「これはご無礼を。少しメルシーには刺激が強すぎたかな。もう、恥ずかしがり屋さんなんですから。僕は、そういうところも好きですよ」
「こちらとしては不愉快被りますこと」
嫌そうな顔をしながら、メルシーは出現させた魔法陣を消した。
「……誰」
二体の会話をしている間に、再び過去の知り合いの記憶を辿っていたアルだが、彼に対しての記憶も懐かしさもなく、初対面だと認識していた。
「あ、どうも初めまして、僕はシエル。以後お見知り置きを、麗しのエンジェルさん」
その声を聞き漏らさなかったシエルは、すかさずアルの間合いに入り、握手を求めてきた。
「ど、どうも。えっと……私、アルって言います。」
「よろしく」と握手を交わそうとしたが、彼の手が突然上に上がり、挨拶は意外に終わってしまった。
疑問に思い、彼の視点に目を合わそうとすると、その表情は先程までとは違い、不信感で満ちていた。
「君が……」
ようやく出た言葉は、彼女に対しての驚きを隠しきれていない。
だが、その後すぐに態度が戻り、くるりとこちらに背中を向けて、にこやかに言った。
「ありがとう、教えてくれて。もう少し申告が遅ければ、僕は仲間の血で汚れたその手と触れ合うところだったよ。」
正直、は? となった。
それって、どういう………
だが、それに対しての怒りより、握手を求められたにも関わらず、求めてきた相手からそれを拒絶された方が余計に腹が立った。
そして、ふと思った。
………あれ? 私、なんか嫌われてない?
周りからの視線からもそれと同じ感覚に置かれ、互いのほとんどの天使が初対面だというにも関わらず、アルはどこか煙たがれていると直感していた。
………帰りたい
変なところで終わってしまい申し訳ありません。最後まで読んで下さり有難うございます
次回も読んでくれたら幸いです




