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Skill Make Online  作者: 金平琥珀
<崩壊する日常編>
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愚者のダンジョン。

 カノンがタッグを組んだ少女はルーリアという名前だと<ステータス>表示で理解出来た。それと同時に彼女はラシュヘイト人であり、プレイヤーではなかった。


 彼女の<ステータス>はこうなっている。


<ステータス>


 名前 ルーリア・エステライト

 種族 半精霊族ニューマン

 レベル3


 固有技能ユニークスキル

 【精霊化スピリット】レベル1


 既存技能ノーマルスキル

 【索敵サーチ】レベル2 【医療の心得】レベル1 【収納の心得】レベル1

 【解体の心得】レベル1 【運搬活用術】レベル1 【鑑定】レベル1

 【火魔法】レベル1 【魔力増強】レベル1 【略式詠唱】レベル1

 【単詠唱ワンスペル】レベル1 【隠蔽】レベル9


 職業技能ジョブスキル

 【見習い魔導師】レベル1

 【見習い医師】レベル1


「ルーはかなり優秀なんだな」


 カノンはルーリアを見てそう答えた。


「るーはゆうしゅう?」


「ここだけの話、俺には他人の才能を見る目がある」


 プレイヤーなら誰でも出来るステータス表示のことだが、ルーリアやこの世界の住人には出来ない。この世界の人間は自身の才能つまりスキルを保有しているかどうかも分からない。


 言うなれば才能として扱われる。そう扱われているということはスキルを売っているような店は存在しない。つまり自身の努力のみでそれらを手に入れるしかない。


 そのためルーリアのように最初からかなりのスキルを保有している人間はかなり珍しく、プレイヤーであれば仲間に引き入れたいはずだ。


 ただ、プレイヤーたちもこの世界に来てまだそんなに時間が経っていないために、行動を起こせていないのもまた事実。


 お金を稼ぐために外に出れば死ぬ可能性があるし、多少稼いだところ街が安全だとは言えない。日本で生きていたなら殺人にはかなりの抵抗があるだろうし、だが、その抵抗が自身を殺すことになるなんて襲われみないと分からない。


 街が安全だったのはゲームの時の話。


 街にはゴロツキ共がいるし、治安を守るような存在は外敵に対してのみ効果を成す。つまり街内は自分で対処するしかない。


 人を殺す、もしくは無力化出来るだけの力がなければこの世界では生き残れない。それか大きなギルドのような後ろ盾があればまた話は変わってくる。


 カノン自身も一度誰かと一緒に行った店ならなんとか入ることが出来るが、一人でとなると咎人という種族が邪魔をしてくる。闇売買をしているようなところには一人で行けるようだが、一般的な店にはこの世界の住人か他のプレイヤーでない限りはいけないのだと試して分かっている。


 ライクのところにはシェーレと一度一緒に訪れているため今後一人でその場所に言ってもある程度の信頼があるため中に入ることが出来る。


 初対面では店に入ることすら出来なかったりする。


 ゲームの頃と変わらないところは本当に変わらない。


 カノンはそんなことを思いながらルーリアの<ステータス>を閉じた。


◇◇◇◇ 愚者のダンジョン 一階層入口。


「ここは愚者のダンジョン、低階層はそれほどモンスターも強くはないが、中で何が起こるかは分からない。ここに潜るにあたってお前たちにこれを渡しておく」


 そう言ってアイルは『帰還水晶』と呼ばれる一度マーキングしたところまでワープ出来る緊急脱出用の道具を受験生全てに渡した。


「もちろん、それを使って脱出したら不合格だが、命があるだけマシだと思え。因みに一度不合格になったものは一年間受講の資格を失う」


 アイルは少し咳払いをするとさらに続ける。


「このダンジョンで持ち帰ったものはお前たちの財産だ。それは好きに使ってくれて構わない。最初も言ったが合格点をやるには第一階層のフロアボスを倒して来てもらう。期間は三か月」


 その言葉に多数の人間が驚く。


 無理もない。ゲームであった頃であれば3時間もあれば一階層くらいマッピングが終わる。三か月も掛かるということはフロアボスまでの道のりがかなり長いのか、それともフロアボスがかなり強いのか、そのどちらかだ。


「この試験の最速記録保持者は20日の単独クリアだ。見た目よりも内部はかなり広いから迷子にならないようにだけ気を付けろ。一度内部に潜れば、補給出来るエリアはなく、セーフティエリアと呼ばれるモンスターの侵入してこないエリアがあるからそこで一度体勢を整えるのもいいだろう。中に入れば外に出るための帰還回廊を通るか、フロアボスを倒すか、帰還水晶を使うかその三点以外に出る方法はない。帰還回廊は簡単に見つかるもんじゃないから、もし見つけたなら補給のため一度戻ることをおすすめする」


 試験監督官であるアイル言葉に耳を貸す冒険者見習い。


 アイルもかつてこの試験を受けたことがあるのだろう。懐かしむような口調で話しているためカノンには分かった。


「この愚者のダンジョンはまだ11階層までしかクリアされていない。完全マッピングで言えば8階層までだ。中堅の冒険者や傭兵でも5階層までがやっとだ。それだけ一階層のレベルが段違いだということを頭に入れておけ」


 アイルは一度大きく息を吸い込むと


「これより試験を開始する!!」


 その宣言で次々と冒険者見習いたちがダンジョンの中へと入っていった。

<ステータス>


 名前 カノン・ツヴァイ

 種族 咎人

 レベル 1


 HP80/80

 MP40/40


 攻撃力5+50

 防御力1+1

 魔法攻撃力2

 魔法防御力1

 回避力7

 速度7

 技術力4

 幸運1


 所持金0ガルム

 貯金2600ガルム


 固有技能ユニークスキル

 【ギルティブレイドⅠ】レベル1


 独自技能オリジナルスキル

 【錬金術師アルケミスト】レベル1


 既存技能ノーマルスキル

 【テイマー】レベル1


 職業技能ジョブスキル

 なし


<装備>


 武器 『カノンの木刀』(+20)

 武器 『ツヴァイ・番の剣』(±0)

 盾  なし

 頭  なし

 胴体 村人の衣服(+1)

 腰  中古の腰巻(±0)

 脚  壊れかけのサンダル(±0)

 羽織 なし

 装飾 なし

    なし  

    なし

    なし


<称号>


 【被験体モルモット

 一度だけ体力が1残る。※町に戻ることでリセット。


 【異界の放浪者】

 異世界からやって来た者。


 【魔剣を継承せし者】

 魔剣と契約を結んだ者に贈られる称号。

 攻撃力『レベル×3』防御力+30%

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