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Skill Make Online  作者: 金平琥珀
夏の始まりと攻略の進展・前編
41/73

再スタート

今回から少し長めで頑張っていきたいと思います


 ゲームが発売してからもうすでに三か月が経っていた。奏音はゲームがメンテナス中ということもあり普通に学校へ来ていた。


 学生は勉強が本分だし、ゲームばかりしていては新しい発見がないと誰かが言っていたような気もするので。


「それにしてももう少しで夏休みか」


 七月も既に終わりを迎え新しく迎えるは夏休み。そして今年は運がいいことに校舎の改修工事があるそうでなんと少しだけ夏休みが延びるのだという。奏音のようなゲーマーからしたら正直なところ願ってもない機会だ。


「キャラメイクし直しとかマジかよって感じだがな」


 将宗がそんなことを隣でぼやいている。


「仕方ないんじゃない?運営がふざけ過ぎてバランス崩壊してるし。それにこれから来る第二陣のメンバーが不利になるようなことは避けたと思うし、β版が少し延びた程度に思っておけば問題はないと思うけど」


「けどよ、オリジナルスキルしか引き継げないんだろ。俺ってばまだ作ってなかったんだよね」


「どんまい」


「お前の妹はオリジナルスキルの塊のような奴だから問題はないんだろ」


 それを聞いて奏音は苦笑する。


「そうだね、紫苑は化け物だから」


「ちげぇねぇ、っとそう言えば今日からまたゲーム再開するんだろ。噂ではステータスとかも一新して本格的にゲームが始まるみたいんだ」


「へえ、掲示板とか見ると意見は二つに分かれてたけど。オレとしては早くテイマーを習得したいけどね」


「ラムだっけ?」


 奏音は初めて自分でテイムしたモンスターのことを思い出していた。目や口と言った概念がないスライムではあるけれど何故か喋ることが出来、それなりの愛着があった。


「既存のスキルだから引き継げないけど、習得条件が同じならなんかなるし。それにやっぱまた一緒に冒険したいし」


「そっか。俺はまた西方の騎士団を立ち上げるよ。それなりに騎士には憧れがあるし、それに何よりカッコいい」


 それを聞いた奏音は笑ってしまう。


「うるさいぞ、静かにしないか!楯無」


 と先生に怒られてしまった。


「人の夢を笑うからだ」


「すまんすまん。変態のお前からそんな言葉が出るとは思わなかったから」


「て、てめぇ、おちょくってんのか?」


「お前はどこぞの雑魚か、……今日からだっけ?」


 将宗がそうだというと奏音はそれ以上喋ることはなかった。


◇◇◇◇


『メンテナンスが終了し本日から通常の運営を再開します。尚事前に連絡があったと思いますが、スキルやステータスデータにつきましては一度消去させていただきます。オリジナルスキル、アイテム、所持金に関しましてはそのまま引き継ぐことが可能です。大変申し訳ありませんが、ご協力の方お願い申し上げます』


 奏音は『Skill make Online』の公式ホームに書かれていたことを流し読みするととりあえずいつものようにアルファ・ギアを被るとそれを起動させる。


『ようこそ、楯無奏音様』


 自身のホーム画面に入ると奏音はアプリの中からゲームを選択し開始と宣言する。


 購入時に行った身体検査。自身の肉体を簡単に触診するようなものだ。これをすることで数値として自分の肉体アバターが作成される。


 奏音は自身の肉体がまた女性にならないことを願って念入りに自分の肉体を検査する。表現だけで言えばどこか変態にしか見えないが、奏音は気にすることなく作業を進める。


『髪、目、肌の色を選択してください』


 無数にある候補の中から茶髪、琥珀色の瞳、東洋人風の肌の色を選択。ゲームだからと言って派手に色を変えるつもりはない。その方が面白いという意見もあるかもしれないが奏音はそれをあまり好まない。


『ハンドルネームを決めてください』


 これは以前と変わらずにカノンで登録。


『重複なし。承認』


 よかったと内心安堵しながら次の作業へ進む。


『種族を選択してください』


「………これは、ランダムってないよね」


 奏音はとりあえず種族一覧を眺めることにした。


・ヒューマン

 この世界で最も多い種族。バランスよく初心者から上級者まで愛されている使い勝手いい種族。

 固有スキル自体は特に覚えないが、武器スキルの恩恵をかなり受けることが出来る。


「武器スキル?」


 初めて聞く単語に好奇心をくすぐられるがそれを我慢して次。


・ビースト

 獣人と呼ばれる種族で見た目が動物のような姿をしている。身体能力自体も高く、前衛職にはおすすめ。

 固有スキル 【雄叫び】

 自身のステータスを大幅に上昇させる。※進化あり。


「……スキルの進化か」


・エルフ

 精霊たちを会話することのできる森の民。弓の扱いに長け弓を使うことでその真価が発揮できる。

 固有スキル 【精霊術】

 精霊魔法が使用できる。


「特に変わった様子はなし」


・ドワーフ

 ビーストと並ぶ怪力を持ち多少なら精霊とも会話することが出来る小さな巨人。

 固有スキル 【鉱石探知】

 鉱石を探すためのスキル。ほとんどの確率でレアなものをゲットできる。鍛冶を身に着けることをおすすめ。


・ドラゴノイド

 竜人とも呼ばれる種族。どの種族よりも強い力を持つが中々の癖がある種族。

 固有スキル 【ドラゴンブレス】

 自身のMPを消費し、防御力を無視した攻撃を行うことが出来る。発動後は反動で5秒ほど動けなくなる。


「結構緩和されたな、前はMP全部もっていかれてたから」


・咎人 【神の采配】 前回選んでいるため。

 生まれてきたこと自体を罪だとされた一族。人の身でありながら人知を超えた能力を発揮する。

 固有スキル 【罪の剣】

 商人(NPC)と会話することが出来ない。自身のHPを消費することで攻撃力を高める。ただし残りが1以下の場合発動することが出来ない。


「ランダムではないけど、また咎人が選べるのか。ここまで来たら貫き通すまで」


 奏音はまた同じように咎人を選択。


『以上で作成作業を終了します。お疲れ様でした。では、よい旅を』


◇◇◇◇


 白い光に包まれ視界が奪われる。再び視界が戻ったときには知らない場所にいた。


『カノン聞こえるか?』


 周りの状況を確認するよりも先に悪友である将宗もとい今はゲームの中だからグレイが念話を飛ばしてきた。


「そっちの方が早かったか」


『そりゃあ、俺の方が学校から家近いし。それよりもメンテナンス前よりだいぶパワーアップしてるぜ。お前は今来たばかりだからまだわかんないかもしれないけど、中々面白いことが出来るようになってる。それに敵も強いし、何より今回はシナリオってのがあるらしい』


「ん?前回はなかったのか?」


『ないよ。前回はあくまでエリア100を目指してクリアって感じだったし。それにフィールドが広過ぎて正直無理ゲーレベルだし。目的は前回と一緒なんだけどそれにシナリオが付いた感じ』


 カノンは頷く。グレイの話を聞きながらウインドを操作し自分のステータス画面を開く。


<ステータス>


 名前 カノン


 種族 咎人


 レベル1


 HP150/150

 MP50/50


 攻撃力5

 防御力1

 魔法攻撃力4

 魔法防御力4

 回避力7

 速度6

 技術力11

 幸運2


 所持金 1000ガルム


 固有スキル

 【罪の剣Ⅰ】

 HPヒットポイントを発動時25消費し維持するために毎秒5ずつ消費していく。1以下になった場合自動でスキルが解ける。

 スキルレベル×攻撃力に依存。クリティカルが発生しやすい。


<装備>


 主武器 ボロすぎる剣

 副武器 なし


 頭 なし

 胴・上 薄汚れたワンピース

 腕 なし

 腰 薄汚れたワンピース

 足 古びたブーツ

 インナー なし


「相変わらずインナーないし、どう頑張っても見た目はこうなるのね」


 鏡に自分の姿を映してはやりと苦笑する。


『お前またなのか?』


「別にオレだって好きでこうなってるわけじゃないんだが……こうなった以上は諦める。それに意外と面白いし」


『やっぱ変わってるな、お前。ところで始まりの町にお前の姿が確認出来ないんだけど、どこにいる?』


 カノンはそんなはず……と呟きながら自分の現在地を確認する。


「……どこ?」


 カノンも自身がどこにいるのか全くといいほど分からなかった。

読んでくれてありがとう!!


本格的に本編開始ということで誤字脱字等がございましたら気軽にコメントください。なるべき早く対応しますので。


と、次回予告。


 どこからスタートしたのか分からないカノン。フィールドに出るも敵が強過ぎて進めない!


 そんなとき新たに登場する謎の青年。


 はたして彼は?


 残念系主人公新章突入!

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