勝利のために出来ること
「あ~。ごめん。ミミックだったみたい」
「いや、いいさ。……待て、ミミックってことはアイツ罠に嵌ったのか。何か申し訳ないような見てみたいような。それより他のチームの成績って調べることは出来るか?」
「出来なくもないけど?でもうちってそんな雑用ばっかじゃん。たまには戦闘に参加したいのに~」
オリオスの隣で長い黒髪を指でくるくると巻きながら、分厚い辞書のようなものを取り出し、何かを検索する。
「あのシオンさんの率いる『紅蓮の騎兵』は現在一位。因みに個人だと現在三位だね。狙いは個人三位の賞品ってとこかな」
「あんときと同じで自分を乗せることの出来る使い魔を探してるんだろ。仮にも騎兵を名乗っているんだ、何かに乗っていないと名が廃るだろ。それより『異端審問会』ってギルドについての情報って何かあるか?」
「『異端審問会』?聞かない名前だよね~。さっき戦ってた娘のギルド?」
オリオスはそうだと告げる。
「あいつが筆頭……つまりリーダーってことだ。今はまだ全然話にならないがそれでも面白い成長をしそうだからな……」
「オリオスが誰かを褒めるって珍しいね、明日槍でも降るんじゃないの」
「そうなったら、それはそれで面白いが」
「……どういう神経してんの」
オリオスと謎の少女が次の宝箱を探して移動を開始した。
◇◇◇◇
カノンは自身の来ているワンピースがボロボロになっていることに気付く。その気付くまでの間どうやら軽く意識を失っていたようだ。
「気が付いたっちょ」
「……やられた」
「ミミックっちょ」
「それもだけど、戦闘で思いっきり負けた。ごめんねリーダーなのに……」
カノンは自分がオリオスに負けたことをミュウに話した。けれどミュウの反応は案外素気ないもので、特に気にしている様子はなかった。
「このイベント中に一番を取るのは無理だってことが理解出来たっちょ。でも諦めきれないから挑戦するっちょ」
「だったらさ、宝箱を回収しつつ信頼出来そうな人物を探すってのはどう?”あたし”たちってお金持ってても使うところが限られてくるんだから、普通に買い物出来るメンバーを仲間に入れるとか」
それを聞いたミュウは同意する。
「それに今は少しでも名前を売ることに専念しようよ。どうせ、勝てないのならいつか勝利したときのために名前を知っておいてもらうみたいな?」
「悪くないっちょ」
「それに今は少しでも力を強化しておきたいから、ね。次は絶対に彼に勝つ」
「オリオスって人は強いっちょ」
ミュウは彼のステータスをどうやって手に入れたのか見せてくれた。
最低四日以内に更新する予定が、仕事あまり休みなくて更新できず申し訳ないです。
極力二日に一回は一話更新という形をとっていきたいと思いますのでよろしくお願いします