【錬金術師(アルケミスト)】
リンダと別れたカノンは一人、例の如く森に来ていた。毎日のように来ている狩場ということだけあってこの場所に出てくる魔物に負けるようなことはない。
このイベント中はいつも使っているセーフティエリアを使用することは出来ないため、周囲に【索敵】を発動した状態でカノンは新しい【スキル】を製作するためにいろいろと試行錯誤していた。
【これより、スキルを作成します】
【スキルメイカー】を入手したことで新に出現したコマンド【スキル作成】を実行。
【スキルメイカー】を【スキル】の度合いに応じて消費することで【オリジナルスキル】を作成することが出来るという仕組みだ。まだ全部試したわけではないために、どれほどのものを作成するといくら消費するなどは分かない。
今回は一つ消費することにした。
【スキルメイカーを一つ消費します。許可しますか?】
カノンは迷わずウインドを操作して許可を出す。
【了解しました。効果系統を選んでください】
・強化系統
自身が所有している武器、もしくは自身のステータスを一時的に向上させるスキルがメイン。
・移動系統
移動に特化したスキルで能力自体は様々。
・生産系統
生産職をサポートするスキルが多く、系統としてはかなりの数を誇る。
「最初はこれだけなのか……抽象的過ぎて何を選べばいいのか。”あたし”のプレイスタイルは戦える生産職だし」
生産職を名乗るにはまだ生産に関する【スキル】を持っていないカノンには一番いい選択だと信じてカノンは生産系統を選択。
【生産系統ですね、項目をさらに絞ってください】
複数ある項目に目を通すと面白そうな項目があった。
【錬金術師】
「錬金術師か。面白い」
【錬金術師を作成しますか?】
カノンは【錬金術師】を作成するとメニューからその【スキル】の内容を見る。するとそれはかなり生産職としては規格外のものだった。
【錬金術師】
【合成】【調合】【鍛冶】【錬成】【付加】を行うことが出来る。どれかを一定以上使い続けると【スキル】の能力が向上しレベルが上がる。発動中は何かしらのアイテムを供物として捧げる必要がある。その供物のレア度が高いほどより良いものを作り出すことが出来る。
「なるほど、かなり使えそうな【スキル】を入手した」