第一回公式イベント
更新が遅れて申し訳ありませんと謝罪から。
【SkillMakeOnilne】が開始され、初めてのイベントが開催されるという情報が町の中で飛び交っていた。情報も確かなようでプレイヤーたちはお祭りムードだった。
その中でカノンは新しい【スキル】を完成させるために試行錯誤していた。
「……新しい【スキル】はそれなりに入手できたけど、肝心の【オリジナルスキル】が、ね」
公式イベントが開始されると話の話題になってから一週間。その間ずっとカノンはレベリングと【スキル】入手のために動いていた。
<NEW Skill>
戦闘スキル
【暗殺者Lv.1】
闇に潜み、急所を突く攻撃を得意とする職業系スキル。レベル30で上位スキルに変更可能。ステータス補正AGI70
【収集家Lv.1】
アイテムを集めることで満足感を得る職業系スキル。戦闘に関するアビリティコマンドを持たない。ステータス補正STR-250。DEF-120
レアなアイテムがドロップしやすくなる。
アシストスキル
【全方位索敵Lv,1】
【索敵】の上位スキル。レベル上限100で自分を中心とし同心円状に半径800メートルまで索敵可能。
【投擲Lv.1】
物を投げるスキル。防具以外なら何でも投擲することが出来、STRと物自体の攻撃力でダメージ判定される。
「……【投擲】入手するの大変だったな。まさか小石で100回トドメを刺さないといけないなんて」
それとこれは余談になるのだが、戦闘系の【スキル】は二つまでしか装備することが出来ないようで、装備していない【スキル】に関してはレベルが上がらない。
要するに状況に応じてバランスよく鍛えることが先に繋がるということなのだろう。別にバランスよくなどしなくとも集中的に一つを極めた方が効率が良い気もしないでもない。
いろいろ【スキル】を入手したことはとりあえず隅に置いておくことにして、町の中央広場にある電光掲示板のようなものに目を通す。
そこにはこれから始まるであろうイベントの内容が細々と記載されていた。
───第一回公式イベント───
場所 旅立ちの街道。
時刻 四月十日正午。
内容 宝探し。
報酬 個人一位、ユニーク装備。
二位、レベリング薬。
三位、使い魔。
ギルド一位、10万G、ギルドホーム。
二位、5万G、ギルドホーム(仮)
三位、1万G、初心者ポーション30個。
追伸
このイベント中はログアウトすることが出来ません。尚、イベントは7日間行われ、その間に宝を探し出した者を勝者とします。因みに宝は複数存在しており、早い者勝ちとなります。イベント中に死亡した場合、始まりの町へ戻りログアウトが可能となりますが、イベントの復帰は出来ません。
イベントの際に死亡してもデスペナルティが付くことはありません。気軽にご参加ください。参加料は無料です。
「ユニーク装備とは随分」
ユニーク系は持っているだけでも強者になれる代物だ。ユニーク装備は多少の制限はあるもののこれからこのゲームを攻略するとするとかなり優位に立てる。
別に欲しいわけではないが、魅力的だ。
「シオンはなんていうのかな?」
「……あたしは別にいらないな」
独り言で言ったつもりが聞かれていたようでその声に反応し、声の主を見るとすこし愛想がない妹のシオンだった。
「使い魔ってのがあたしの狙いなんだけど、結構難しそうね。カノン姉はどうするの?」
「それ?定着させるの?」
「あったりまえじゃない!その方が面白いし」
「うわーん」
カノンは妹に虐められ本気で泣きそうになる。男がこれではと思うのがそれはもうどうでもいいのかもしれない。
と話は逸れてしまったがシオンの狙いは個人戦三位ということになる。でもよく考えてみて思ったのだが、三位を狙って取るのは一位を狙うよりも難しいのではないか。
本気で泣きそうになっているカノンを宥めるシオンの姿は姉妹に間違いはないのだが、どちらが姉なのか分からない状況になっていた。
「……か、カノンが泣いてる!」
その光景を見たとあるビーストが鼻血を出しながら「我が生涯に悔いなし」と呟きながら、ばたりと倒れたのはこの後、密かに噂話になっていた。
とあるビーストとは?
第一次 お宝争奪戦!