恐怖のユニークモンスター!③
ラムは自分を犠牲にカノンを助けた。その事実が何よりカノンの胸に熱いものを呼び寄せ、それが涙になって零れ落ちる。
「……お前は罪を犯した。あたしの大切の友を殺した。この罪は重いぞ!」
【分裂】と【再生】はそんなに都合のいいものではない。どんなにいい【スキル】を手に入れても所詮はレベリングが大切。ならレベルを上げて物理で殴ればいい。ラムの持っている【スキル】のレベルを上回るレベルで攻撃を行えばいい。
ただそれだけの話。
当然、【分裂】と【再生】は連続して使えば硬直時間が発生する。その硬直時間を狙われ、ラムのHPは全て持っていかれた。
「ラムが最後になって言ったか、分かるか!『僕は守れたの?』って!あたしがっ!マスターであるあたしが守んないといけないのに!」
【亡霊】の纏っているマントのようなものから苦無が飛び出す。カノンは必要最小限の動きで急所にヒットしそうな苦無だけを短剣で弾き飛ばす。
依然【亡霊】は言葉を発しない。
「お前だけは絶対に倒す!!スキル発動!【セカンドラスト】」
瞬歩からの【セカンドラスト】。だが、この技は読まれていたのか印の設置が出来なかった。それどころかまさかのカウンター。
「……っ!勝てない」
一旦下がり、距離を取ろうとするが、何故か目の前に【亡霊】がいて不敵に笑っているように見えた。
「スキル発動!【隠密】」
レベルは低いが、一瞬相手の意識から自分の存在を消すことが出来ればそれで上出来だった。
スキルは見事に成功し、瞬間的にとはいえ自分の姿を消すことが出来た。正確には気配を断つというスキルだ。
気配、攻撃する相手を失ったということは攻撃のために発動した【スキル】を無効に出来る。
「カノン流・毒針連撃」
【雀蜂・崩】が持つ【スキル】の一つ。相手に毒を与えるスキルだ。確率はあるものの、数打ちゃ当たる。
「…………敗北確定かな……これは」
目の前にいる【亡霊】に攻撃はヒットしたが、同時にレジストという表記が視界を覆った。この【亡霊】は毒に対する耐性を持っているようだ。
そして攻撃がヒットしたことで居場所がばれる。
「……ごめん、ラム。あたし勝てなかった」
DEFが逆カンストしているカノンでは【亡霊】の攻撃を防ぐことが出来るはずもなく、それにHPが全快していない状態ではなおさらのことだった。
防御の姿勢を取っては見るが、攻撃は容赦なくカノンの細い腕を砕いて、その衝撃で意識を失った。
……勝てない。
……でも勝ちたい。
……勝たなくちゃいけない。
そう思いながら意識を持っていかれた。
<ステータス>
名前 カノン Lv.9 種族咎人【魔族】
<称号>
【見習い魔王】【民からの嫌われ者】【無謀者】
HP420/420
MP230/230
STR40 +130
DEF21 -20
AGI24
DEX70
INT13 +95
MDF20 +50
VIT37
LUK100
<スキル>
ユニークスキル【罪人Lv.1】
NPCの店で買い物が出来ません。ステータス補正STR+50×Lv。DEF-20。
忌み嫌われた装備をノーコストで使用可能。
戦闘スキル
【拳闘士Lv.6】
徒手格闘を使用する職業系スキル。レベル30で上位スキルに変更可能。
ステータス補正STR5×Lv。
【テイマーLv.7】
ステータス補正INT10×Lv。
倒した魔物を使役することが出来る。レベルに応じて高ランクの魔物も使役可能。魔物と一緒に成長し、進化させていくと人型に近付く。
人語を話すことが出来るようになる。
アシストスキル
【隠密Lv.3】
気配を断ち、姿を消すことが出来る。発動中こちらから攻撃しない限り、発見されることはないが、相手の索敵のレベルが高いと見つかる。
【自動回復Lv.3】
一秒間にHP50回復。レベルが上昇するごとに10ずつ回復量が10ずつ上昇する。
生産スキル
【鑑定Lv.5】
アイテムのステータスを見ることのできるスキル。
【採取Lv.8】
レベルが上がるごとにレアなアイテムを入手しやすくなる。
<装備>
Mainweapon 【雀蜂・崩】
Subweapon 【錆びれた短剣】【小石】
Armor ボロいワンピース
Inner なし。
ステータスに装備分は含まれてません。