恐怖のユニークモンスター!②
【セカンドラスト】
印を設置後、Lv×5秒間内に同一の場所へ二撃目を決めることで相手を即死させる。
印は何か所にでも設置できる。
印が設置してあれば、技でその個所を攻撃しても有効打になる。
※一撃目は必ずスキルを使用して攻撃する。
「ははははっ。あたしとしたことが……廃人ゲーマーとして数々のゲームで名をはせたあたしとしたことが、全然なってないよ!」
僅かに残ったHPは【自動回復】で治療。もちろんポーションを使うようなことはしない。後先考えないで全部捨てたなんて思われたくないからだ。
それだと使おうにも使えないよね。
ラムの手厳しいツッコミを受け流し、
「今度こそ決める!要は、5秒間に二撃目を叩きこんでやればいいだけの話。【拳闘士】のレベルもいい感じで上がってるしいけるでしょ」
小さく呼気。頭を完全にクールダウンさせ、それでいて心は滾らせる。
「リベンジだよ【亡霊】さん!」
相手の行動範囲外である今現在自分の立っている場所からの攻撃にはどう反応を示すか試す。
【キラービー】戦で使用したカノン流投擲術。短剣を投げると大鎌によって弾かれてしまった。どうやら攻撃はせずとも防御は行うようだ。
「なら、カノン流投擲術・仁連」
大量の保有している小石を取り出し投げる。一発目の投擲の直後、間髪を入れずに次を投擲。
「……」
これも弾かれアウト!
「まるで野球をしているような気分だけど……どうやらインファイトしかないようね。……怖いけど」
誰もが使用できるダッシュ。スタミナが続く限り走れるというものだが、今後このスタミナの重要性が語られるようになる。
大鎌の斬線を見切りながら懐まで入り込むと先ほど同様に使用する。
「スキル発動!【セカンドラスト】」
はやりなんらかのパターンなのか同じようにカウンターが入る。カノンの目的は大鎌に印をすることなので全く問題はない。
一撃が成功するのを確認するとバックステップで距離を取る。
ただ次の一撃が5秒以内に決めないといけないため、心が行動を急かそうとする。それを自制心で押さえつけ、連続技に頼る。
「瞬歩!」
【拳闘士】の使用できる技の一種である瞬歩は間合いを詰める技。意識操作がうまくできれば間合いの距離を完全に掌握できる。
遠距離攻撃を苦手とする【拳闘士】でもこれなら後方から攻撃できる。
一気に印を設置した場所まで間合いを詰めると失敗した掌底破を同じ個所に決める。今度は失敗しない。
直後甲高い金属音と共に、【亡霊】が持っていた大鎌の破壊に成功する。どうやら大鎌と本体は別々ということだ。それに今の一撃が決定打になったのか【亡霊】に若干の狼狽が見えた。
「……ぐっ。技の反動か!」
強力な技の連発はその直後に硬直時間というものがあることをカノンは知らなかった。僅か5秒間のインターバルとはいえ、戦闘においての5秒間は生死を決める。
カノンは間合いを詰め過ぎた。
回し蹴り。
……これは一度見た技だ。
カノンは目を瞑る。硬直時間中はダメージが二倍になる。つまりこの攻撃がヒットするとカノンは初めての死戻りを経験することになる。
痛みはない。衝撃がいつまで経っても襲ってくることがなかったからだ。
『僕が守るのら!!』
目を開けると目の前には【分裂】と【再生】を繰り返す相棒の姿だった。とはいえ、【物理攻撃半減】は発動していないようだ。これは回し蹴りが斬撃に含まれていない証拠。大量のラムは消滅を繰り返しているが、それでも5秒間守るには十分過ぎた。
あ~、正月休みが終わった。