第二十三夢:Here we are at last
先日、一日のアクセス数がついに300を突破しました!
ほんとうにありがとうございます(^^)
大変励みになります!
山道入り口での一件以来、物騒なことは何もなかった。
森林浴を満喫する余裕があるくらいだ。
――それから、二日が経った。
私たちは順調に進んでいたらしく、昼頃には〈ロントルトン〉の標識が見えてきた。
「良かったぁ……」
万が一にでも道を間違えたら、と思っていたが、間違えていなかったみたいだ(実際、一本道だったので獣道にでも逸れない限り間違えることは無いだろうけど)。
嬉しくて、つい手綱を握る手に力が篭もる。
ミリアがそれを察したようで、気分上々に速度を上げ始める。
標識の次には、田園風景と小柄な家がぽつぽつと見え始めた。
「クリフクリフ!見えてきたよッ!」
栗毛君の速度を上げて並んでくれるクリフに、たまらず声をかけた。
「ええ」
やりましたね、と微笑み返してくれる。
雑木林だった山道の両側が、畑になり始める。
畑の向こうでは、人々もちらほらと確認できた。
「おねーちゃん、ダレー?」
可愛らしい村の子供たちが、わいわい騒ぎながら畑の畦道から飛び出してきて、私たちの後を走りながらついてくきた。
「〈街道会〉のトレーダーよ」
スピードを緩めて、並ぶ。
「カイドーカー?」
「とれいーだぁ?」
自然と笑みが零れる。
「そう。お荷物の運び屋さんよ」
ワァ、という感嘆の声が漏れる。
「村の人たちに教えてきてくれる?」
そう言うと、子供たちはニカッと笑って「わかったー!」とか「まッかされたァ!」などと言い残して、どたどたと村の中心部へと走り去っていった。
「元気がよろしいことで」
クスクスとクリフが笑う。
本当に、と私も笑った。
「元気が湧いてくるわ」
「無邪気な笑顔を向けられるというのは、心地良いものですね。エリザの言う通りだ」
「でしょ?」
私たちの笑い声に釣られて、今まで私の足元でうたた寝をしていたアイギスも目を覚ましてきゅきゅきゅと笑い声を上げた。
ミリアも、満足げに鼻を鳴らす。
そうやって、最高の気分に浸っていると――
村の中心部から、からぁーんからぁーん、という大きな鐘の音が聞こえてきた。
外縁部の此処でも聞こえるほどだ。
村の全体に響き渡っているに違いない。
「……なんだろ?」
「集合の合図、なのでは?」
――なるほどね。
「私たちの為に、かな?」
「恐らく。なんとも熱烈な歓迎が予想されますね」
クリフの苦笑混じりの一言に、私の頬は自然と綻んでいた――
はい、また量が元に戻りました(苦笑)
申し訳ありません。
区切る部分を考えると、どうしても差が出てしまいます。
ご了承ください<(_ _)>
さて、ついに〈ロントルトン〉へ到着しました。
物語も佳境に突入ですね。
お楽しみに!
…今日は2009年の9月9日。
9づくしの日ですね(>_<)
以上。