第一章 第七部 エヒリヤス隊
皆様あけましておめでとうございます。しかしながら、投稿の編集をしているのは年明け前でございまして、何を書けばいいのかとても悩んでいるところでございます。
読んでいただいている、皆様方のおかげで、無事年明けまで投稿を続けることができました。
本文も待っていますのでお話はここまでとさせていただきます。本当にありがとうございます
「優馬とドラゴンは今頃森を抜けて隣町にでもついているころかな」
彼と分かれて寝るまでにそんなことを考えながらベットに横たわっていたジリウスも、彼のためにと無属性について夜な夜な調べるシロエも、売上金を数え建物の改善を考えている宿屋のおばさんにも。今夜やってくる「あれ」には誰一人気づくことなどなく、その時までほんの一時を過ごしていた。
「見えてきね」
「あの黒く濁っている場所が火災元か」
「あれは、魔族だね。それもかなり上位の」
首を振りながら言うユーと、彼は町から少し外れた平野に降り立った。降り立った後に町を含む半径2000mほどの黒い球体に町が包まれていることに彼は気が付いた。
「何かの結界なのか」
ユーに聞いてみたものの、ユーにはその結界が見えないらしく、なんの事?と首を傾げてきた。
「ほら、町を囲って」
彼が見ているものをユーに説明しだした時、彼はユーの後ろからのぞき込むよからぬものを目にしてしまった。それを見てしまった彼に急激に襲い掛かる悪夢にうなされ、話の途中で彼は目をつむり夢の世界に落ちてしまった。
取り残されたユーも同様にゆっくりと瞼を閉じ、意識は遠のいていった。
「何、コレクトの町に魔族の反応を感知しただと?」
「は、はい」
「魔族はあとどれくらいでコレクトに到着する」
「それが、もう町の中まで入っています。」
「町の中に。バカな!我々の探知隊の有効範囲は2万mは超えているはずだろ。」
「のはずなんですが。」
「はずじゃない!ああー、また都市エヒリヤスの名を汚すことに。コレクトまで飛竜で何晩かかる」
「少なくとも一晩は。」
「仕方あるまい。今すぐ兵士を集めて出発するぞ」
「わかりました」
そんな怒鳴り声を響かせる、エヒリヤスの第一騎士隊長を含め兵士総員でコレクトに向かう準備をする。彼女らは、よっぽど万全の対策をしているのか、数分の間に準備を済ませ広場に集まっていた。
「小竜30頭、飛竜60頭、荷馬車を含め馬が20頭。」
指折り数える隊長に続き副隊長が間違いないと、頷いていた。
「皆の衆これから、コレクトの町に移動する。相手は魔族だ。怯えている者、だらけている者は今すぐこの作戦から辞退しろ!そうでない者のみに今から説明をする。」
隊長の前に並ぶ縦20列、横10列の中から抜けるものは一人としていなかった。
「よしそれでこそ私の兵士たちだ。そんな皆に一つだけ説明がある。」
隊長の横から顔を出した副隊長が続けていった。
「魔族は推定だが上級以上、戦う前には言いたくはないが。死者が出るかもしれない。」
こんな話を聞いて残る人はそう多くはないだろうと、隊長も副隊長承知の上兵士たちに話した。しかしながら彼らはそんな隊長たちの気持ちに反しその場にとどまっていた。
「皆の気持ちはよく分かった。そんなお前らはわたしの命に代えてでも守ってやる。情報はまだ少ない、情報が入り次第皆に伝える。では出発だ」