第一章 第六部 町に降りかかった災難とは
ハッピーバースデーですね皆さん、皆さんはこのご時世の中どうお過ごしでしょうか、クリスマスぐらいは外にお出かけもいいですが、気が緩みすぎないようにきおつけてください。まあそんなことを言っている自分は特に予定もなく、家の中で何事もない休日を過ごしています。僕から上げられるものはこの小説しかありませんが、どうか喜んでくれればと思います。
ハッピーバースデイ
町に戻った二人はまずギルド本部足を運びゴブリンがいなかったことを説明した、ジリウスがドラゴンの話までしようとしていたが、それもまた混乱の種になるだろうと、彼はゴブリンの話で切り上げジリウスの手を引っ張りながらギルド本部を後にした。
「この町も来てばっかりで知り合いもいないし、あとは宿屋のおばさんに挨拶して、この町を出るとするよ」
「そうか、俺も今日は疲れたし、体も痛いから宿屋で寝るとするかな」
ギルド本部から宿屋までそんなことをしゃべりながら歩いた。宿屋に入ると一番におばさんが出迎えてくれた。
「お帰り、初めての依頼は無事に終わったのかい?」
「それがさあゴブリンのやついなっくて」
ジリウスは彼のほうを見て、先ほどと同じようゴブリンの話だけをおばさんにした後彼は今日町を出ていくことを告げた。
「あんた、そんなに急がなくてもいいんじゃない?まだまだ冒険の知らないことあるんじゃないのかい?」
「それもそうなんですけど。ほかに別の用事で」
「そうかい、それじゃ先に払ってもらったコルは返すよ」
おばさんは昨晩金貨をしまった場所をがさがさと漁った
「その、コルはもらってください。また何かの縁でこの町に来た時に泊まらしてもらおうと思うので」
「でも、そのまたが来るかわからないからね。」
そう言いながら漁り終わって手に持っていた銀貨七枚を彼に渡し、旅のアイテムでも買いなと言った。
その後彼は銀貨を片手にアイテム屋を回って、旅の支度を済ませ、なんの抵抗もなく町の出口に向かった。
「優馬、ドラゴンを里に戻したら、帰って来いよ。そこまでの話も気になるしな」
「ああそうするよ。ジリウスも初めての依頼誘ってくれてありがとな。じゃあ行ってきます。また今度お会いしましょう。」
「あ、ああいつか」
いつか、か。宿屋のおばさんもまるで明日が来ないかのような言い方をしていたな。キスティインが言っていた世界の問題と何か関係でもあるのか。そんな考えもあながち間違いではなかった。
「おーい。優馬」
町に入る前に分かれた場所でユーは体を休めて待っていた。
「疲れているなら、何日かこの森で休む?」
彼がそう聞くとユーは二つ返事で「うん」と答えた。
里の行き方もわからなければ場所もわからない、そんな状況で一日無駄にしたところで、変わらないだろうと考えていた彼は、次の日まさかあんな出来事が起こるとは思ってもいなかった。
それは次の日の朝、食べ物を集め森を二人で回っている時だった。町の方角から黙々と上がる黒い煙に最初に気付いたのはユーだった。
「煙が上がっているね、お祭りかな?」
「祭りにしては昨日まったく準備していなかったけど」
「じゃあ火事?」
「ちょっと見に行ってみようか」
少し慌てて走り出した彼をユーは母猫のように銜え背中に乗せて、翼を羽ばたかせた。
「疲れてるんじゃないのか?」
「今日はよく寝むれたし大丈夫っ」
そういうとユーは彼が落ちないようにと、急ぎ気味にゆっくりと煙の方へ向かいはいじめた。
「煙がだんだん高くなってきたな」
焦げ臭ささが強くなってくるころ、ユーは少し眉を吊り上げ優馬なら平気だと思うけどきおつけて、と彼に忠告をした。
彼には何をきおつければいいかわからなかったが、ユーには第六感で感じ取った、いやな気配をはっきりと感じていた。
彼もまたユーの感じた気配というものを実感することはそう遠いいことではなかった