第一章 第五部 一匹との出会い
一方吹き飛ばされた彼は、一時的に気を失って真っ白な夢の世界に入っていた。
「ここはどこだ」
「昨日ぶりだね優馬」
聞き覚えのある声が彼の後方から聞こえた。そこには真っ白な世界にポツンと佇む一人の青年がいた。
「キスティン、か。昨日言ってた場所がここなの?」
「うん、たまに僕から合いに来ることがあるからその時はよろしくね。今危険そうだったから一つアドバイス。君の特色の優しさは人の言葉だけでなく、心の声を聴くこともできるから。それは人だけでなくあのドラゴンの声も聞こえるはずだよ。」
キスティインはそうゆうと、彼の仲間が危険だからと言ってすぐに消えてしまった。キスティインが消えた後真っ白な世界から少しずつ色のある世界に戻りふきとばされた場所に彼は戻ってきた。
「ぐおぎゃああああああ」
元の世界に戻ってきた直後、とてつもなく大きな悲鳴が聞こえた。
彼はすぐさま起き上がり悲鳴の聞こえたドラゴンのほうへと駆けつけた。そこにはタックルを構えるドラゴンと傷つき装備がボロボロになったジリウスがいた。今にもジリウスに飛びかかろうとしたとき、彼は一つの言葉が聞こえた。「助けてくれ」と。それは人の声でもドラゴンの声でもなく、キスティインが言っていた心の声であった。
しかしその声が聞こえたからと言ってドラゴンの突進を止めることはできない。あたふたしていると、なぜだか彼はふと冒険者プレートを取り出し、何かできないかと冒険者プレートを隅から隅まで見てみた。
「スキル 多言語取得」
冒険者プレートの裏側にスキル欄とゆうものを発見した彼はスキル欄にあった「多言語取得」というものを声に出して言った。
「なぜ、みんなして。僕のことを。」
さっきの声とは違う、心の声ではない。それはそうドラゴンの声だった。彼はスキルのおかげで声は聞こえたがドラゴンはそう言っあとすぐさまジリウスに飛びかかった
「君の名前はなんていうの?」
あと数センチでジリウスに当たるところだった、彼がドラゴンに名前を問いかけるとドラゴンはすっと止まり彼のほうを見て目をウルウルさせていた。どうやら向こうの言葉が聞こえるだけでなくこちらの声も理解ができているようだった。
ジリウスの死直前に言い放った彼の質問にドラゴンは素直に答えそれから様々な事情を話してくれた。
ドラゴンの名前はサンドレア・ユー、生まれはドラゴンの里、初めての飛行の練習をしている最中に夢中になり過ぎて母ドラゴンと逸れてしまったらしい。それから一人で里に帰ろうとしている途中でモンスターとか、人間に襲われてで自暴自棄なってしまったと。
「ところでなんだが里までの帰り方はわかるのかい?」
「わからないんだ、この森もそうだけど、広すぎるんだよ...」
数日一人で歩いていたドラゴンは疲れて空を飛ぶこともできず道に迷ってしまったらしい。そんなこんなユーと話していると、死を目前にして気絶していたジリウスが目を覚ました。ジリウスは右左と確認してから、こっちを見て「ここは天国か何かか?」と聞いてきた。
「びっくりするのは仕方ないよね。」
さっきまでの話をジリウスに順を追っって説明した。
「それで、ドラゴンの里まで送ってやるってことか?」
「そうゆうことにするよ」
「いやあ優馬にはとことん驚かされるな、それにしても。体は大丈夫なのか?あの突進をもろに受けて」
「あー。大丈夫でしたよ、なんとか」
そっかと笑いながらジリウスとドラゴンと三人?で帰路に立った。
「てかドラゴンをコレクトの町に入れるのか?みんな怖がっちゃうんじゃないか?」
よくよく考えるとそれもそうだな、こんだけ巨大なモンスターを町に連れ込むとみんなを怖がらせてしまうかもしれない。
「ユー、一晩だけこの森で待っていることはできる?」
「大丈夫。だと思う」
少し心配そうにユーはそう言った
「そうだよね、じゃあ今日出発しようか」
「どうだって?」
「流石にホームシックを起こしたっぽい」
「ホームシックってなんだ?」
「あ、家に帰りたいってこと」
ジリウスはへーと不思議な顔をしていた。そんなこんなで町が見えてきたところで、ユーに少し待っててと伝え二人で町の中に入っていった。