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不思議な世界でボールを探す

作者: 千代三郎丸

今日は、草っ原で野球の試合だ。


ピッチャーやれ、と言われた。


「やった、久しぶりに投げるぞ!」


周りを見渡せば、バットはあるがボールがない。


「忘れた! 探してくる」


友だち二人と一緒に、近くの集落まで歩いた。



雑貨屋が数店あるが、誰もいない。

ボールも売られていないようだ。


店の横に、丸く大きなボールが3個、飾ってある壁があった。

かなり大きな灰色の壁だ。これは神聖な物なんだ、とアピールしている感じを受けた。


もしかしたら、その壁は一枚の石で出来ているのかもしれない。


ボールはスロットマシンのように、横に整列されている。

 

異世界の神棚にも見える。


そのボールをよくよく見ると、ビーチボールだ。

海が近いからだろうか。


不思議と、三つとも宙に浮いている。


その神棚のようなところに鎮座するボール。

左端の赤いものに、両手で触れると、サッと取り出した。


(ああ、怒られるかな? ちょっと借りるだけ。試合が終わったら返す)


と思ったが、その空間に再び、黒いビーチバレーのボールが現れた。


(野球のボールは赤より、黒がいいよな)

と考え、それも取った。


開いた場所に今度は何色が追加されたのか、知らない。


友人に2個、持たせた。


「これで、それらしい試合はできる」


野原に向かった。


「そうか、家を下から覗き見れば、ボールが見つかるかも」


と、かがみ込んで家々の床下を覗いた。


貝殻や、白い石がゴロゴロと見える。

遠くに、やや大きな丸いもの、野球ボールほどのものが目に入った。


(あった、あれがいいサイズだ)


そのボールは、海を渡って来たのか、油が付き、何か固いものも付着している。


しかし、壁に投げて、戻って来た感触で分かった。

ゴムの弾力性は多少は、残っている。


(やったー。これで、試合ができる)


僕ら3人は、大きなビーチボール2個、普通の大きさのボール1個、握りしめた。


道の途中、2メートルほどの壁があった。友人はそれを問題なく乗り越えた。軽々と、ジャンプするように。



僕は、


「腰が痛いので、遠回りをしていく」


 と、左から歩き始めた。



夢を見ていたのか、目覚める直前だった。



 了


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