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第1話

「フレディー!それが終わったらこっちも頼むわねー!」


「はーい!」


フレデリカ・モートン(11歳)、肩より長い赤茶色の髪を風になびかせながら洗濯物を干している彼女は、サイコメトリーを使うミュータントである。

鼻歌を歌いながら最後の1枚を干し終えようとした時、ブワッと強い風が吹いた。

それと同時に先に干していたタオルが2、3枚吹き飛ばされた。


「おっと、今日は風が強いね。」


そう言って、そのタオルをテンポ良く捕らえたのは、レイ・クロフト(16歳)、金色のさらりとした髪をした、高身長で笑顔の爽やかな少年だ。

彼は幻覚能力の持ち主である。


「レイ!ありがとう。ちょうど今干し終えたところだったから、これからおばさんたちの洗濯物も干しに行こうと思ってたの。」


「なんだまた母さんはフレディに僕らの分までやらせるつもりだったのか。ごめんね、それなら僕も手伝うよ。」


毎度のことにレイは申し訳なさそうにしたが、フレディは反対に嬉しそうな顔をしていた。


「いいの、それだけ頼ってくれてるって思ったら私嬉しいわ。それに私が好きでやってるんだもの、レイが謝ることないわ。だけど今日は手伝ってもらおうかしら、早くレイたちと遊びに行きたいの。」


11歳ながらに家事好きでしっかり者でも、やはり遊びたい年頃の女の子なんだな、と、レイは嬉しくなった。


「よし!そうと決まれば早く終わらせよう!」


母と娘の2人暮らしであるフレディの洗濯物の量とは違って、4人暮らしのレイたちの分は多く感じるが、2人にとっては関係無く思うくらい、話しながら楽しく、かつ早く済ませようとする気持ちでいたため、あっという間の時間であった。


そうこうしていると、家のドアが開き、中から銀色の癖のある毛をした、フレディと同い年くらいの男の子が、目を擦りながら眠そうな顔をして出てきた。


「ノエル、おはよう。今起きたのかい?」


「あら、ノエル。今日はずいぶんと遅い目覚めね。」


2人からくすくすっと笑われている少年は、ノエル・クロフト(11歳)、レイの5歳下の弟で念力の能力を持っている。


「この間兄さんに借りた本を読んでたら朝になってて……。こんなに寝るつもりじゃなかったんだけど。」


ノエルがそう言うと、


「そんなに夢中になる本ってどんなの?」


フレディが目をキラキラさせて聞いた。


「色んな花言葉の本だよ。」


「花言葉?何だか面白そうね!私にも貸してよ!」


「あー、うん。分かった。また今度ね。」


フレディの勢いに圧倒されながらノエルがそう答えようとしたが、レイはそれを遮るように言った。


「フレディは読まない方がいいよ、花言葉ってね良いものばかりじゃなくて恐いのもたくさんあるから。」


それを聞いて、フレディは顔を強ばらせた。一方で、ノエルは腑に落ちない顔をして首を傾げていた。


「さぁ、これも終わったしお待ちかねのお遊びタイムだよ。」


レイはフレディたちの頭をくしゃくしゃっと撫でて、


「いつもの場所まで競走だ!」


と、2人の背中をポンッと押した。2人は顔をパアッと明るくして、レイの後を追いかけた。

今回も読んで頂きありがとうございます!

3人のミュータントたちが登場しましたが、皆さんならどんな特殊能力が欲しいですか?(笑)

次回もよろしくお願いします!

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