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緋凪の理不尽事件ファイル  作者: 神蔵(旧・和倉)眞吹
File.2 スケープゴートの求援《きゅうえん》
34/43

act.5 放校宣告

「……――ん。……いちゃん。お兄ちゃんてば」

 翌朝、緋凪ひなぎはそんな幼い声に、泥のような眠りの底から無理矢理引き上げられた。

 無言で、ローテーブルに置いておいたスマートフォンを探り、時間を確認する。

「……まだ七時じゃん……」

 俺寝たの三時なんだけど、と言いながら、再度夢の中へ戻ろうとした。が、幼い声の主はそれを許してくれない。

「お兄ちゃん、起きてよ。お腹()いた!」

「すいたー!」

「……えー……?」

「えー、じゃなくって、早くーきてっ!」

 言うなり声の主は、緋凪のかぶっていた布団を、容赦なくはぎ取る。

 現在十一月の下旬。七時とは言え、まだ冷たい朝の空気が、緋凪の身体をなぞり上げた。

「寒っ……」

 まだくっついていたがる上下の瞼をそのままに、どこかへ行ったであろう防寒のための布団を手で探る。しかし、見つけられない。

 仕方なく、薄目を上げると、目の前には利発そうなクリクリした瞳が、キラキラと輝いてこちらを見ていた。

「おはよっ、お兄ちゃん」

 目が合うと、大きな目の持ち主――文乃ふみのがにっこりと笑う。その後ろへ、隠れるようにくっついた弥生やよいも、じっとこちらを見ていた。

「……おはよ、じゃねぇよ……安眠妨害で訴えるぞ……」

「だって、もう七時だよ? 起きる時間だよ」

「だから、兄ちゃんは寝たのが三時なんだよ……四時間しか経ってねぇのに……」

 元通り目を閉じ身を縮めても、文乃は掛け布団を返してくれない。

「……腹減ったなら、瑞琉みつるおばちゃんに言えよ」

「おばちゃん、起こすと怒るんだもん」

「兄ちゃんだって、眠いんだけど……冴綯さな姉ちゃんは?」

「お姉ちゃんも起きてくれなーい」

 まあそうだろうな、と緋凪は考えるともなしに思う。

 二人とも、戻ったのが深夜の二時だ。緋凪は、あの軽い報告会からすぐに居間のソファへ横になったが、二人ともそのあとで化粧を落としたりシャワーを浴びたりしていたのだろう(ちなみに、緋凪は二人が戻る前に、チビ二人に先に風呂を使わせ、そのあとで入った)。

 冴綯のシフトは知らないが、瑞琉はクラブの経営者おさだ。多分、今日も仕事がある。

 はーっ、と眠気を吹き飛ばすように溜息をいて(実際にはあまり効果がなかったが)、仕方なく起き上がった。瞼の重みが倍になる。

「……ったって、昨日コンビニで買って来たサラダとか食器に出して並べるだけだろが……」

 あふ、と一つ出たあくびをかみ殺しながら、伸びをする。

 パン、と小気味よい音を立てて両頬を叩き、立ち上がった。素足に、ローテーブルの下だけに敷かれたカーペットの毛が触れる。

 そこからフローリングに踏み出すと、その冷たさが徐々に緋凪の意識を覚醒させていった。

「だって、おばちゃんが食器が割れたりしたら危ないから、できれば触るなって」

「あー、分かったよ。先に顔洗うのと歯磨きだけさせてくれ」

 もうこの頃になると、文乃と会話を交わすことで、すっかり目も覚めている。

 洗面所に立って、手早く髪をまとめ、洗顔と歯磨きなどの用足しを済ませた。

 寝間着は持ってこず、昨日は上着を脱いだだけで眠ったので、着衣はそのままだ。

 ダイニングキッチンへ戻る前に手を洗い、冷蔵庫へ直行した。

 中には、昨日の内にコンビニで買い込んだものが入れてある。あらかじめ刻んであるサラダが人数分と食パン、生卵とウィンナーソーセージだ。

 夕べの内に瑞琉に聞いておいた所定の場所から調理器具を漁り、軽く洗う。文乃の証言からすると、調理器具も家にあるだけで、恐らく使っていないのだろう。

 フライパンを温めて、そこへまず食パンを置く。若朔わかもと家には、トースターがないのだ。

 キツネ色になるまで焼いたものを六枚準備し、次に油の代わりにマーガリンをひと欠け放り込む。

 そこへ卵六つ分を溶いて入れ、スクランブルエッグを作った。トーストしたパン二枚の片面にマーガリンと、ケチャップを塗る。そのあいだにスクランブルエッグを挟んで、三角形になるように斜めに切り、洗っておいたパン皿に盛り付けた。

(……と)

 そこで、文乃はともかく、弥生の小さな手には、カットしたパンが大きすぎることに気付く。

 三角形に切ったサンドイッチを、更に小さな三角形にした。ふと目を落とすと、脇に立っていた文乃の大きな瞳と視線が合う。

「文乃」

「何?」

「これ、そっちのテーブルに運んでくれるか?」

「うん!」

 先刻から、目を輝かせて緋凪の手元を見ていた文乃は、元気よく頷いて、緋凪から手渡された皿を二枚、ローテーブルに運んでいく。

「紅茶とココア、どっちがいい?」

「んー……どうしよう。どっちにしようかなー」

「まあ、ゆっくり悩めよ」

 クスリと笑うと、緋凪は昨日の内に温めておいた湯を、ポッドからヤカンへ移す。ここには、細口ドリップポッドがないので仕方がないが、自分はコーヒーをいただくつもりだ。

 ドリッパーとサーバーは若朔家にもあるし、フィルターとコーヒーは、例によって昨日コンビニで買っておいた。

 まだ余熱の残るフライパンに、ソーセージを三本、放り込んで軽く炙る。そのあと、サラダと一緒にガラス皿に移して、ローテーブルへ運ぶ。

「決まったか?」

「えっと、えーっとねぇ……弥生はどっちがいい?」

 結局決めかねたらしい文乃は、妹に意見を求めた。話を振られた弥生は、小さな声で「ココア」と答えた。

「じゃあ、あたしも!」

「へいへい、承知いたしましたよ、お嬢様」

 おどけたように言いながら、火に掛けていたヤカンを下ろし、マグカップを二つ取る。牛乳をマグカップ二杯分鍋へ投入し、火を付けた。

 沸騰する直前で火を止め、マグカップを温めるために入れておいた湯を、ヤカンへ戻す。

 からになったマグカップへ、純ココアを各ティースプーン二杯分入れ、蜂蜜と湯を加えて、ココアを練るようにして溶いた。そこへ、温めた牛乳を流し入れながらかき混ぜる。

 二杯のココアをローテーブルへ運び、箸を渡して、二人に先に食べるように言った。

「いただきまあす!」

「いただきます」

「どーぞ」

 弥生は人見知りなのか、先刻から緋凪の顔を見もしない。が、緋凪は気にしなかった。

 色んな子が入るし、小さい内は仕方がない。

 自分の分だけ淹れたコーヒーを持って、緋凪はカウンター席へ腰を下ろし、トーストにかぶりつく。

「美味しーい! お兄ちゃん、これすっごく美味しい!」

 一口、頬張ったサンドイッチを、飲み込むなり、文乃はこちらを振り向いた。

「そりゃ、どうも」

 応えるように、持っていたコーヒーを掲げて、一口すする。

「そういやお前ら、学校とかは?」

「八時半までに行けばいいの。弥生は幼稚園だけど、今お母さんがいないから、お休みにしてもらってる」

「へぇ。で? 瑞琉おばちゃんと冴綯姉ちゃんが仕事に出たら、弥生はどうするんだ?」

「瑞琉おばちゃんたちと一緒に、お店に行くの」

「へー……」

 いいのだろうか。

 瑞琉の店と言えば、ホステス・クラブだ。いわば、大人の店である。

 よりによって幼稚園代わりにするのはどうかと思うが。

(まあ、こっちに放置するよりはマシなんだろうけど……)

「お兄ちゃん」

「ん?」

「何か言いたいコトがあったら、お口に出してくれないと分かんないよ。昨日も言ったのに」

「あ、ああ……」

 相変わらず勘がいい。

 少し迷った末に、緋凪は直球で疑問を投げてみた。

「文乃」

「何?」

「文乃の母さん、仕事は何してたんだ?」

「ホステス」

 あっさり返ってきた答えに、緋凪は脱力した。

(なるほどな……)

 いわゆる水商売であることを、幼い年齢の我が子たちに隠し立てしていないらしい。

(まあ、職業によってガキに隠すべきってのも一種の差別的思考かもだけど)

 各家庭の事情があるのだから、親がどういう職業で子を養うかというところに、緋凪はあまり頓着するつもりはなかった。が、脳内で一人反省をした直後。

「お兄ちゃん」

「はい、何でしょう?」

「お兄ちゃんも、お母さんがホステスなんて変とか、イヤラシイとか思ってる?」

「は?」

 緋凪は、瞬時目を丸くした。

 何を訊かれたのか分からない。一瞬、頭が真っ白になる。

 しかしそのは、文乃には自身の問いを肯定したように思えたらしい。

 彼女は、先刻までの元気のよさが嘘のように、表情を消した。

 『しょんぼり』とか『シュンとする』などというものではない。まるでスイッチを切り替えたような、まったくの無表情だ。

 それきり、彼女が何か言うことはなかった。テレビも付いていないリビングは、気まずい沈黙にシンと静まり返っている。

 残りの朝食を、黙々と食べ終えたあと、文乃は一応、「ごちそうさまでした」と言った。弥生も姉に倣い、手を合わせて小さく「ごちそうさま」と口にする。

「おう。ようお上がりー」

 緋凪も、残ったコーヒーを飲み干しながら答えた。

 カウンターにマグカップを置いて顔を上げると、食器を携えた文乃がジッとこちらを見ていた。

「どした?」

「……それって何?」

「それって?」

「その……“ようお上がり”って」

「え?」

 緋凪は目をまたたく。

「んー……“ようお上がり”は“ようお上がり”だろ。“ごちそうさま”に対する決まり文句って言うか……」

「初めて聞いたよ」

「そうか?」

 父方の祖母が、『ごちそうさま』のあと、いつも『ようお上がりなさい』と返してくれていたので、緋凪はそれが決まり文句だと思っていた。

 母も祖母にならったのか、同じように言っていた。母は、日英の混血という家庭環境柄、海外で育ったので、やはり緋凪と同様、それが日本の食卓に於ける決まり文句だと思っていたようだ。

 だから、それ以上の説明のしようがなく黙っていると、文乃はそれ以上何かを追及することなく、流しへ食器を置いた。妹がたずさえて来たそれも受け取り、流しに置く。

「お兄ちゃん」

「ん」

「先におトイレ行ってもいい?」

「ああ」

「弥生もおいで」

 やはり本気でまったくの無表情のまま、文乃は弥生の手を取って、トイレへ入った。

 それを見送って、緋凪は一つ溜息を吐く。

 食器を洗い終える頃、姉妹がトイレから出てきた。

 文乃は無言で和室へ入り、程なくランドセルを背負って居間に姿を見せる。彼女は、緋凪を無視するように、弥生に向かってだけ「じゃあ、行ってくるからね」と言った。

「瑞琉おばちゃんが起きてくるまで、おとなしくしてるんだよ。それまで絶対に、ここを出ちゃダメだからね」

 妹が小さく頷くのを確認して、文乃は玄関へ向かう。

 いつも――緋凪が来るまでは、二人きりで繰り返してきたやり取りなのだろう。

 緋凪も、無言でその小さな背中を追って立ち上がり、口をひらいた。

「……おい、文乃」

「……何?」

「さっきの話だけどな」

「……何のコト?」

「お前、別に恥ずかしいと思う必要ねぇぞ」

 ピクリと小さく、彼女の肩先が揺れる。

 さっき、母親の職業をただしてから、文乃は緋凪を無視し始めた。つまり、緋凪も文乃の母親――つまり、一乃いちのさげすんでいると、そう思っているのだろう。

 一般的に、水商売はあまりよく思われていないのは、緋凪にも分かっている。だが、この国では、『職業選択の自由』というものが保証されている。

 生きるために、どんな職業を選び従事するかは、個々の自由なのだ。その選択がどうであれ、決して後ろ指さされる謂われはない。

 もちろん犯罪は論外だが、瑞琉の店で働いていたのなら、法令は遵守じゅんしゅしているはずだ。

 ただ、『水商売』のたぐいとなると、人によっては忌避すべき事柄として受け止められているだろうことは、想像にかたくない。

 そして、そういう事柄に限って、どこからともなく漏れ出して知れ渡るモノだ。けれど。

「後ろめたく思うことなんてない。お前の母さんは、立派にお前らを育ててるんだからな」

「……」

「そうだろ? 文乃はきちんと“いただきます”“ごちそうさま”が言える。ちゃんと名前だって名乗れる。挨拶をきちんとしなさいって、母さんに教わったんだろ?」

 文乃の沈黙に構わず、緋凪は歩を進め玄関に膝を突いた。

「それにホラ。お前、靴をちゃんと揃えて上がってる。これも、母さんの教えだよな?」

「……とに」

「ん?」

「ホントに……恥ずかしくない?」

「ああ」

「汚くない?」

「じゃあ訊くけど、文乃の母さんは、ホステスの仕事をすることで何か人に迷惑掛けたか?」

 水を向けるように言うと、文乃はブンブンと首を振る。

なんにも……お母さん、なにもしてないよ。そりゃ、お父さんに黙っておうち出たりしたけど、それはお父さんが悪かったんだもん。お父さん以外の男の人と変なコトしたりとかもしてないし……お父さんを殺したりなんかっ……」

 言う内に、ポロポロとその頬に滴が伝う。

「文乃」

「お母さん……お母さぁん……」

 ついに、緊張の糸が切れたのだろう。それが、どういう種類の『緊張』だったのかは、緋凪にも分からない。

 脈絡なく母を呼んで泣き始めた文乃と、彼女に釣られるように泣き出した弥生を、緋凪は優しく抱き寄せた。


***


 登校時間をたっぷり回った頃、ようやく文乃たち姉妹の泣きは、グシュグシュと鼻を啜る程度に沈静化した。

 その頃合いを見計らって、緋凪は今、朝霞あさかに連絡を入れている。

 もちろん、バルコニーに出た上でだ。

「――てわけなんだけど……さすがにガッコには連絡しないとマズいと思うんだよな、俺としては」

 チラと、窓越しに室内を伺いながら言うと、『同感ね』と朝霞の声が返る。

『でも、学校の電話番号とか、分かる?』

「いや。ガッコの名前も聞いてない。非常事態だけど、瑞琉サンとか冴綯起こすのも気が引けるし……」

 しかし、そうも言っていられない。

 相手が小学校なら、文乃本人が欠席の連絡をしたとしても、まず受け付けてくれないだろう。

(仕方ねぇな……瑞琉サン起こすか)

 脳裏で呟くと同時に、朝霞が『じゃ、あたし今からそっち行くわ』と言った。

「今から?」

『そ、今から』

「つっても、間に合わねえだろ、多分」

『それでも、瑞琉さんや冴綯ちゃん起こせないでしょ。今日だって二人仕事あるのに』

「……まるで俺らが暇人みてえだな」

『そうは言ってないわよ。あたしたちだって、稼がなきゃ食べていけないのは同じだけど、とにかく目の前のことから片していかなきゃ。それに、そんなにそこまで遠くないから』

 瀧澤たきざわ家から清澄白河駅までは、徒歩で十五分。銀座駅まで、すぐ電車に乗れれば十分だ。更に、若朔家までは銀座駅から徒歩十分圏内の立地である。

「……いや、それにしたって三十分越えだし……」

『大丈夫だってば』

「や、待てって! 今俺らが抱えてる案件、文乃たちのことだけじゃねぇだろ、志和里しおりは?」

 確か、昨日は瀧澤家に泊まったのではなかったのか。

『大丈夫! 詳しいことはあとで話すけど、今朝は宗君が送ってってくれたから、ストーカーがいたとしても追っ払ってくれるって! あとは、下校時間に迎えに行ければオッケーだから』

 朝霞がそう言うのなら、その通りなのだろう。

 しかし、安易に「そうか」では済ませられない気がする。どうしたものかと思ったその時、控えめにガラス戸を叩く音がした。

 そちらへ視線を向けると、目を赤くらしたままの文乃が、眉尻を下げてこちらを見ている。彼女の手には、スマートフォンが握られていた。多分、彼女自身のモノだ。

「……分かった」

 取り敢えずは、事情をもう少し詳しく説明する為にも、朝霞とも合流すべきだろう。そう思った緋凪は、ひとまず彼女との通信を終えることにした。

「じゃあ、道中気を付けてな」

『うん。そっち行ったら、鍵開けてね?』

「ああ」

 手短に言って、スマートフォンの画面をタップし、ガラス戸を開ける。

「どした?」

 訊ねると、文乃は無言でスマートフォンを緋凪に差し出した。画面に映し出された名前は、『金井かない先生』だ。

「担任の先生か?」

 小さく訊くと、文乃はまた一つ、無言で頷く。

 恐らく、彼女が登校してこないので、連絡して来たのだろう。緋凪は、膝を屈めて文乃を手招きした。

 小首を傾げて顔を寄せた彼女の耳元で、「先生、お前の母さんの事情って知ってんの?」と囁く。

 相手が担任であれ、彼女が他人に話されたくないことを、迂闊うかつに言うわけにはいかない。

 すると、文乃は硬直した。表情は曇り、唇は両端が下がるように引き結んでいる。それが、何よりの答えだ。

 緋凪は、一つ息をいて、彼女の頭をポンと優しく叩き、スマートフォンを受け取った。

「お待たせしました。伊奈西いなにし文乃の保護者です」

『……あの、本当に保護者のかたですか?』

 いかにも怪しむような、女性の声が返ってきて、緋凪は苦笑した。

「ええ。何か?」

『……いえ、あの……いつもの女の方と声が違うので』

若朔わかもと瑞琉さんでしょうか?」

『はい』

「彼女の知人です。少し事情がありまして、昨日から若朔のいえでお世話になっています。申し訳ありませんが、若朔は席を外しておりまして」

 今後も世話になるような言い方になってしまったが、細かいことを述べ出すと長くなる。

「すみません。出掛けに文乃さん、急に具合が悪くなったモノで……でも、学校の連絡先も知らなかったので。連絡できず、ご心配お掛けしました。明日にはきちんと登校させますから」

『そうですか。あの……』

「はい、何でしょう」

『いい機会ですから、こちらへは二度と登校されないよう、伊奈西さんと若朔さんにお伝えいただけますか?』


©️和倉 眞吹2021.

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