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私は世界を好きになる  作者: タチやん
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 初投稿です。

 私生活が不定期の為、こちらでも不定期更新になるかと思います。

 できるだけ書き上げられるよう頑張ります。


 サブタイですが、何というか、考えるの苦手です。

 思いついたら追加していこうかな・・・?

 生き物は私について色々な事を言う。


 曰く『天空の支配者』

 曰く『破壊の権化』

 曰く『悪魔』だったり『化物』だったり、私の呼び名は沢山あるらしい・・・物騒なものしかないが。


 私はそんなモノになった覚えはない。

 そもそも私はなぜこのような存在なのかも分からなかった。

 産まれた時には、又は自我を持ったときには自分が誰であるか分かるものだ。

 親が、友が、環境が自ずと教えてくれる。


 だが、私には親も友達も居ない。ずっと一人だ。


 今は洞窟の内で、日々この中でじっとしている。

 じゃあ此処から出て友達を作ればいいじゃないかと思うかもしれない。

 それは私も思って実行したさ。


 だけど生き物は私を見ると逃げるか生き物じゃなくなってしまう。


 そんな生き物じゃなくなったモノ達が、私が日々過ごしている洞窟の奥に、白い骨となって並んでいる。






 長い年月住んでいた洞窟を出て、友達を探すことにした。

 初めて洞窟を出て最初に見た生き物は、空を飛ぶ生き物だ。

 広くて青い空を悠々と飛ぶその生き物は何だかカッコ良かった。


 私は自分の体を見回してみる。

 空を飛ぶには翼があれば良いと、その生き物を見ていて分かったから。

 もしかすると私にも翼があるかもしれない。

 自分の体をよく観察するのなんて初めてだったが、なんと少し小降りながらも私の背中には翼があったのだ。


 私は大喜びしてその翼に意識を集中して羽ばたかせてみる。

 最初はゆっくりとしか動かせなかったが、体の一部として機能してきた翼はやがて大きく速く動かせるようになってきた。

 すると今度は足にかかる重みがなくなり、足と地面は離れていった。


 私は飛べるみたいだ。これであのカッコいい生き物と友達になれるかもしれない。

 そう思い天空で旋回しながら優雅に飛ぶ空の生き物にゆっくり近付いて行った。

 そして空の生き物が私を見た瞬間、空の生き物は物凄い勢いで私から遠ざかっていってしまった。

 追いかけたかったが、飛べたばかりの私にはあそこまでの速度は出せそうにない。

 私は遠ざかっていく空の生き物を見続けるしかなかった。




 そのまま飛びながら他の生き物を探してみる。

 眼下の地面は植物が生い茂り、なかなか生き物は見付からない。

 空の生き物も遠くで見付けることは出来るが、近付いていくとすごい速度で逃げてしまう。


 私は生き物を探すのを一先ず諦め、もっと速く飛ぶ練習をした。

 空の生き物が速い速度で逃げるなら追い付けばいいのだ。


 そうと決まれば色々試行錯誤しながら飛んでみる。

 もっと速く翼を羽ばたかせたり、飛んでいるときの体勢を変えてみたり、いろんな体の箇所に力を入れてみたり、逆に抜いてみたり。


 色々な事を試していくうちに何となく分かってきた。

 先ず翼はその場に留まる時は羽ばたかせ、速度が出てきたら開いたまま動かさず、曲がる時に傾ける。

 次に手足は閉じる。速度が出ると何かが当たって速度が出ないしフラフラするからだ。

 そして最後に足の裏と言うか、飛んでいる自分の後方に力を込める。速度を出すにはこれが一番重要だ。

 込める力の大小で速度も大分変わった。

 だが速度が上がれば上がるほど問題も出てきた。


 顔が痛い。


 初めて痛みと言うものを知った。

 体は問題ない。顔と言うか主に眼が痛い。


 速度が低いときは問題ないのだ。だが速度が上がるにつれて痛くなる。何か見えない壁に押されているみたいだ。

 眼を閉じればなんともないが、それでは友達を見付けられない。本末転倒だ。


 そしてまた試行錯誤。


 顔を手で覆ってみたり、進行方向を変えて足の方から進んでみたり。


 ようやくたどり着いた問題解決方法は『顔の前にも力を出す』だ。


 この方法で飛ぶと眼を開けたまま飛んでも痛くなかった。

 しかしまた問題が出てくる。今度は速度が出なくなってしまった。

 だがこの問題は以外と簡単に解決した。顔の前に入れる力を遠くに飛ばさなければいいのだ。

 力を顔の前方に留めて、顔を覆うイメージである。そうすると速度も落とさず眼も痛くない。完璧であった。


 そして遂に速度を手に入れた私は、ようやく本題に取り掛かれる。


 友達探し再開だ。

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