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バルガク。  作者: ホワイト大河
第二章 気づいてしまえば、戻れない
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ようこそ!生徒会執行部(9)


「思い思いの言葉を叫ぶだけなら動物にでも出来ます。会議というものはそういう場所ではないはず。意味をはき違えていたのなら今すぐ帰って下さい。」


静まり返る教室に、花園先輩の言葉が響き渡る。

……なんか聞こえの良い事を言ってるけど、

結局は俺のやり方気に入らないなら帰れってこと?

この人温和に見えてすごい暴力振るうってウワサげふんげふん、

さすが花園先輩!みんな静かになったわ!あはは!(壊)


そこで神様が本来のペースを取り戻そうと、彼なりに話をまとめる。


「人数制を基軸としつつ、多少実力も加味する事にしました。」

「具体的に何を加味するというのでしょう?」


いちいち噛み付くのは古風な副議長さん。

あの人絶対彼氏出来ないわ。まず第一に時代錯誤だし。


「体育会系は市の新人戦の結果を、文化系はコンクールの結果を加味します。」

「……分かりました。」


目が笑ってない。何に納得がいってないのかしら。

この中で一番問題児っぽいサッカー部部長さんが口を開く。


「一年生さん、先輩たちとちゃんと相談して色々決めてよな。今年サッカー部は色々頑張ったわけだから、去年と予算案変えなかったら覚悟しとけよ。」

「……実力を中心に判断します。」

「……へっ、まー良いだろ。結果出したしな、野球部さんと違って。」

「ぐ……」


※なんか盛り上がってますが、使い切りのキャラたちなので、名前は(以下略)


一通り論争は終息し、会議に終わりが見えてきたかに思えたその時、

城崎先輩が隠していた牙を露わにする。


「ハッキリ言っておくが、部長会側としては新執行部をあまり信用していない。新旧が入れ替わる時トラブルはつきものだが、今年はそれが多すぎるんじゃないか?」

「……渋谷の件、か?」


桜塚先輩がすかさず答えた。

……渋谷先輩の例の一件はなぜか伝わっているようだ。


「どういう事情があるかは知らないが花園、これは渋谷一人の責任では無く、執行部全体の連帯責任だという事、分かっているだろうな?」

「……ええ、承知しています。」

「メンバーが揃っていない執行部は執行部とは認められないものだ。それを理由に不信任案を採択し、生徒会執行部の解散要求をする事も出来る。」


城崎先輩は腕を組む。特に彼の視線は、桜塚先輩へ向いている。

……もし再選挙が行われるならば、今度は桜塚先輩に負けない様、

すさまじく準備を重ねてくるのだろう、この人は。

そして桜塚先輩が反論した。


「執行部選挙で、渋谷の性格を知る人間は少なくないにも関わらず、会長に立候補したあいつが、事情に疎い三年の票を集めたとは言え、一定以上の評価を得たのは事実だ。それから、お前らがあいつの厄介さを知ってるのも事実だろ?」

「……だからこそ図書委員長に素直に奴を任命した新執行部のやり方に問題があると俺は言っているのだ。」

「すぐには難しいが、いずれ結果を出して見せるさ。」


桜塚先輩の挑発的な目つき。Mっ気のある女が見たらイチコロなんだろう。

え?本気で聞けって?だって聞くの飽きてきたんだもん。

月山先輩が全部確実に書き上げていくから本気であたし仕事無くって。

本当にあたしは傍観者。正直飯島先輩と翔ちゃんもあたしと同じ。


城崎先輩は舌打ちして、腕を組み直した。


「良いだろう。ならば執行部主導の行事、三月の「三年生を送る会」までは待つ。そこで結果を出せなければ、問答無用で不信任案を提出するからな。」


その言葉を聞いて、一度桜塚先輩は、花園先輩と目を見合わせる。

答えていいですよ、と花園先輩の頷きを見て、彼はハッキリ宣言した。


「勿論。執行部の名に恥じぬ「送る会」にして見せるからな。」

「その言葉忘れんぞ。」


なんかすごい悪役臭がするよ城崎先輩。しかも噛ませのげふんげふん。

とりあえず、本気で会議は終わりのようなので、

一応全員に他の案件がないかどうか確認してから、

桜塚先輩が会議を締めくくった。


部長たちが立ち上がるより前に執行部方は席を立ち、

生徒会室へと戻っていく。もちろんあたしも含めて。



「よくやったな上川。」


桜塚先輩が歩きながら、神様の肩を抱き寄せた。

えっなにあれホモ展開げふんげふん。ちょっとふざけ過ぎよねあたし。


「……いえ、全然……先輩方に助けられました。」

「いやいや、俺はあんなに去年喋れなかったし。」

「去年の今ごろでしたね翼、もはや懐かしいです。」


神様は珍しく頭が低い。でも仕方ないと思う。

あれだけ攻撃的な上級生に、立ち向かうような事しても逆効果だし。

一方桜塚先輩&花園先輩は懐かしそうな顔をしている。

そうか、去年の二人は今ごろ、今の三年生を相手に、

神様と同じように事務局(当時は書記局)の名で、部長会に座ったのか……。


「それに、あんま気にする必要ないと思うぜ。」

「ああ、それは俺も思うかも。結局負け惜しみだからさ。」


飯島先輩が突然横から出て来てそう言った。

……負け惜しみ?


「俺たちの学年って、ホントあんまパッとしないからさ。新人戦だって、結構一年生に侵食されてる部活多いらしいよ。」


……そうなの?

桜塚先輩も深く頷きながらその意見を補足する。


「上の代も言ってたが、今年の一年生はいろんな意味で別格。何故か優秀なのが集まって来てるらしく、あの二年たちみたいに擦れてないからな。」


聞いた話によると、陸上部は、市の新人戦において、

短距離の王冠を一組の志藤君が、準優勝をここにいる翔ちゃんが取ったとか。

もちろんそれは二年生を差し置いての結果なわけで……。

しかもあの城崎先輩の陸上部なわけだから、当然悔しい思いをしてるって事ね。


「そういう意味では来年の部長会、楽だぞ。まあ誰が次の執行部になるかなんて、今から考えても仕方ないけどな!」


……確かに……。

というか今部活で活躍してる一年が、大体次の部長になるんだろうけど、

みんな実力者だけどのほほんとしてて、争うようなメンバーではないわね。



「でもまあ、城崎の言うとおりだったっしょ。渋谷何とかしなきゃ、って事はねえ。」


確かに。そこは何ら解決しそうにないけど、大丈夫なのかしら?

花園先輩は笑ってばかりで……えっとこの人感情筋壊れてるのかな?


と、そういえば結局あたしはほとんど仕事してないから、

月山先輩にちゃんと御礼言っとかなくちゃ。


「今日ありがとうございました。ほとんどやって頂いて。」

「全然問題ないわ。私のエリート性がアピール出来てむしろ光栄。」

「あ、なら良かったです……もう性格戻ってるんですね。」

「そうだ、じゃあ罰としてまた買い物付き合って。」

「ごめんなさい死んでもイヤです。」


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