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バルガク。  作者: ホワイト大河
第二章 気づいてしまえば、戻れない
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ようこそ!生徒会執行部(6)

 12月12日(水) 16:38


なんかあたし、元気ハツラツとしてテンション高い部分を見せるはずが、

思い悩む姿ばかり見せる事になってしまって申し訳なさすぎるわ。

はあー何とかなんないのかしら。

世界が貧乳美少女に包まれて申し訳なさそうなおっぱいに埋もれたら良いのに。



「日時はちょうど来週の水曜、19日の放課後。詳しい時間はプリントに書いてあるから見てくれ!」


桜塚先輩がプリントを配りながら説明を始める。

今日の議題は「部長会」。

各部活動の活動報告を聞いたり予算案を決めたりするらしい。

二年生の新部長たちを全員迎えるとの事だけど、なんかつまらなそうねー。


ついでに教室を見渡すと、当然の様に一人メンバーが欠けている。

……そう、渋谷先輩だ。もう開き直って会議にも参加しない。

それについて何かコメントは無いのかしら?

あたしが花園先輩の方をチラッとみると、微笑む彼と目が合った。

やべっ。……ってかあの人なんでずっと微笑んでんの?アンドロイドか何か?


「特に予算案の部分においては、会計である上川の役割が重要になってくる。」


え、ちゃんと読んでなかったあたしは慌ててプリントを見ると、

部長会の出席者は、執行部の仲からだいぶ絞られていた。

当然花園先輩と桜塚先輩は参加、そして予算案会計役として神様の参加。

神様いきなりそんな大舞台……。二年生の新部長相手に。

まあ神様程の変人は居ないと思うけど、それでもねえ……。

桜塚先輩もそれを察したのか、神様を気遣う。


「いきなり上級生相手に大変だと思うが、頑張れ!」

「了解です。」


キリッ!という効果音が似合いそうなドヤ顔で答える神様。

何なのあの自信?打ち砕いてやりたいわ。ってか分けてよその自信。


……ちなみに部長会の他の参加者としては、プリントを見た所、

書記として月山先輩、この辺は当たり前なんだけど、

体育系のまとめ役として翔ちゃん、文化系まとめ役として飯島先輩、

それから何故かあたしの名前が。

え、意味わかんない。保健委員長普通要らないわよね?

この部長会殴り合いでもすんのかしら?Why?


「……メンバーを見てもらえば大体は分かると思うが、綿華がそこに入ってるのは、月山の推薦だからだ。」


最近あたし心を読まれ過ぎてる気がする。

でもそれを聞いてもっと意味が分からなくなった。

思わず月山先輩の顔を見る。


「こういう会議の書記って大変らしいから、一人助っ人呼べっていうの。普通に考えてそういう時は何でも屋の庶務が動くんだけど、後藤よりサユの方が融通効きそうだから選んだってワケ。嬉しいでしょ?」

「……え、私ぜんぜん……」

「嬉しいのね。良かった。」


あの人耳ついてないですよねえ。

まあ良いか。所詮助っ人程度の仕事だし、そんなに負担は無さそう……。

とりあえず桜塚先輩が同意を求めて来たので同意しておくと、

桜塚先輩は部長会を具体的にどういう流れで行うかをさっと説明した。

神様は一番真剣に聞いてノートを取っていた。その辺はさすがね。


日程が問題よね。テストが月曜から水曜までで、部長会は水曜の放課後。

だから準備するなら、今週中にしておかないと。

来週になったらテストテストでそれどころじゃ無くなっちゃうわ。


一通り説明が終わって、桜塚先輩が切り上げた。


「質問が無ければ終わるが、どうだ?」


桜塚先輩の説明は分かりやすかったので、まあ質問も無いだろう。

今日は意外と早く解放されたーと思ってのびをしていると、

花園先輩が手を上げた。


「部長会の件はこれで終わりのようなので、一点ほど皆さんが気になってる事を補足しておきましょうか。」


あたしは何故か少しギクッとした。花園先輩とまた目が合う。


「渋谷君の件ですが、今は彼の好きにやらせようと思います。叱った所で逆効果の彼ですし、言うほど図書室を乱用してる様子もありませんから。」

「……対策は打ってあるんですか?」


微笑みの花園先輩に横やりを入れたのは渡君だった。

未だに彼は、とりわけ花園先輩への対抗意識を強く燃やしている。

うーんなんかどこもかしこもギクシャクしてるわ、執行部。


「渋谷隼人を放置するのは危険でしょう。執行部のイメージダウンに繋がれば、一番首を絞められるのは花園会長、あなただと思いますが。」

「もちろん考えていますよ。その為には今ここで、彼を縛り付けてしまうのは逆効果だとも考えています。……事態が悪化したならば私が全て責任を取りましょう。」

「……その言葉、お忘れなく。」


しばらくお互いに視線を交わした後、二人は目線を反らした。

桜塚先輩がその妙な雰囲気を察知しながらも、会議を切り上げる。


「それじゃ終わろうか。それぞれテスト頑張れよ。」



さて、あたしも早く帰ってテスト勉強しよーっt


「サユ!」


机の上に広げたノートをしまおうと手に取ったあたしを、

すぐななめ前に座っている月山先輩が呼び止めた。


「ね、土曜買い物付き合って!」

「はい?」

「ホラ、前言ったでしょ?罰でショッピング付き合うって!」

「え、あれ冗談じゃなかったんですか?」

「勝手に都合の良い解釈してんじゃないわよ!大マジよ大マジ。朝9時から夕方6時くらいまで。寄りたいカフェもあるからそこもね。」

「%@:@z@:&¥・%!?」

「何?不服なの?」

「いや、来週テストだと……思うんですけど……」

「だから?たかだかテストが私の花道を妨げられるとでも思ってるの?あ、今私すごい可愛かったでしょ?」

「ゲロゲロゲロゲロ~」

「角度とか超バッチリだった。やば、土曜スカウトされるわ。」

「カエルの歌が~聞こえてくるよ~ゲロゲロゲロゲロ~」

「というわけでよろしく。一分遅刻するごとに罰金一万ね。楽しみ。」




帰り道。神様と二人。


「ハッ!まさかこれ程まで早く、多くの上級生に神の存在を認知させるチャンスが来るとはな。会計に就任するのは正解だったかもしれん。」

「…………」

「神は確実なる手腕を見せつけ、上級生を圧倒させようではないか。部長共の身勝手な意見はすべて却下。神の決めた神の絶対的規律の下に従わうもののみを許そうではないか。」

「…………」

「ハッ!どうしたのだ綿華君。君は神のプランどう思うかね!?」

「どうでもいいから黙って。」

「はい。」



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