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バルガク。  作者: ホワイト大河
第二章 気づいてしまえば、戻れない
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クリスマスの衝撃(7)

  ○   ○   ○   ○   ○   ○


はい、どうも。豚です。おいしいです。


とりあえず現在の状況を説明しますと、

今朝早く起きて、紙のわっかをたくさんつなげてるところです。

僕が社会貢献できるところと言ったら、こういう事しかないので、

私はこの仕事に命をかけてます。


ついでにまだ寮の自室の中なので、

「一音でも音を立てない」という絶対のルールの中、

もうすぐパーティーに出発しなければいけないという、

二重苦で戦っています。大変です。


カサッ。あ、紙が落ち……



「落合。」

「あ、はい。すみません。死ねばいいんですよね?」


今の音で目を覚ました菊地先輩はベッドから起き上がり、

私のベッドの隣に関節を鳴らしながら近づいてきました。すごい恐怖です。


「手伝ってやろう。」

「あああああああすみません許してください」


「よう恒太!元気け!?」


すごい勢いで扉が開いて、寮長後藤先輩が入ってきた。

ああ、本当助かりましたありがとうございます。介錯されそうでした。


「……俊平。」

「おっ、パーティーの飾りだっぺ!俺と博明も今日執行部メンバーとパーティーやるっぺ!恒太も楽しんでけろ!」

「あ、はい……ありがとうございます。」


ほとんど作り終えたので、最後の輪を閉じてダンボールに入れ、

私はベッドから立ちました。着替えももう済ませてあります。無音で。



「博明いそぐっぺ!そんなんじゃ遅れるっぺ!!」

「……分かった。」


菊地先輩はのそのそと起き上がって準備を始めました。

……というか不思議なのですが、よくこの二人気が合いますよね。

うるさいのが嫌いな菊地先輩が、

なんでこんなうるさい代表格の後藤先輩と……。


「今なんか悪い事考えてるけ?」

「めっそうもないです。神に祈ってました。」



「ハッ!!神を呼んだかね!」


神様が走ってきました。もちろん本物ではなく、上川君の事です。

ゴージャスに光る服を着てます。目が痛いです。

神というワードに反応してここへ飛んで来ただけなので、

後藤先輩たちがいると思っていなかったらしく、

急に髪をふぁさっとなでて落ち着いたふりをしています。


「と、いうわけで、行こうか落合君。」

「(何が「というわけ」なのか分からないけど)……あ、はい……」

「楽しんでけろ!」


後藤先輩が笑顔で手を振ってくれます。

本当にいい寮長だと思います。いつも明るいし。

カエルみたいな語尾が気になりますが。茨城の皆さんすみません。


○   ○   ○   ○   ○   ○



 12月25日(水) 10:17


自分でできる程度の飾りつけを、なんとなく施して、

あとは綿華たちにやってもらうかと決めかかっていたところで、

ちょうどよくインターフォンが鳴った。

集合時間は11時なので、これだけ早く来るのは準備組に他ならない。

若干楽しみにしていた自分を恥ずかしく思いながらも、

まあ今日ばかりは力を抜いて楽しむかと、玄関を開ける。



「メリークリスマスたっちゃん!!」


ものすごい勢いで飛び込んできたのはやはり綿華だった。

そばにいるのは上川&コウタだ。計三人のようだ。

綿華&上川がここに来るのは初めてのはずなので、

コウタが丁寧に案内したのだろうと予想がついた。


「ども。メリークリスマス。」

「ちゃんとケーキ作ってきたわよー!」

「さすがだな。まあ中に入ってくれ。」

「ハッ!お邪魔するぞ。」

「……あ……お邪魔します……」


綿華がケーキを持っていて、上川とコウタが飾りつけ等々を持っている。

多少は俺に気を遣いながら、二人はどんどん飾りをつけ始めた。

綿華もケーキを俺に託した後、飾り組に加わっていく。


「ちょっと神様邪魔!それセンス悪すぎ!」

「ハッ!神に何を言うか!」


あの二人は二人で勝手に盛り上がってて楽しそうだ。

さて……コウタに目をやると、高いところに飾りをしようとしてて、

どうも背が届かなくて困っているらしい。

俺は別の部屋から脚立を持ってきた。


「……これ使うか?」

「え、あ、ありがとうございます。すみませんチビで……」

「それは同身長の俺への侮辱にもなるぞ。」

「あああああ余計すみません……」


それからコウタは黙々と飾りをつけ始めた。

……何か話しかけるべきなのか。いや、邪魔するべきじゃないのか。

コウタも何となく空気を察したらしく、俺を見た。


「あ、そういえば……ツヨシは準備に時間がかかってて遅刻です。」

「あ?ああ、飾りつけのか?」

「いや、自分の服装です。」

「死んだらいいと思う。」


……そして、また沈黙。くそ、恨むぜツヨシ。早く来いよ……。

また目があって、次は何を話すかと考えていたところ、

コウタが「あの」と言いかけた瞬間にインターフォンが。


厚手のオーバーコートにシャツ&ジーパンとスカーフ。

オシャレを決めてきたツヨシがドアの前に立っていた。


「ごめんね。準備進んでるんじゃね?」

「早く手伝え。」


というわけでツヨシも合流し、着々と準備が進んで、

そこから先は特にコウタと会話することもなく、

そのまま集合時間が近づいてきた。


そしてインターフォンも押さずに入ってきたのはテル&ヨウジ。

俺が迎えに出た時には、二人ともキョロキョロ懐かしそうに玄関を見渡していた。


「タツヤの家、久しぶりだな~。」

「ほんとだよな。昔はよく遊んだのにな!」

「……お前らがラブラブでここに来なくなったんだろ。」


……というわけで、キャストは着々と揃い始める。



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