きらきらな言葉を探すあなたの周囲に笑顔が灯る
冬の童話2026参加作品
テーマ「きらきら」
この世界には、絶対音感や絶対色覚など、様々な能力を持つ人がいます。サラちゃんは不思議に思っていました。
「どうして、音に色が有るのかな。サラには、なんにも見えないよ?」
幼稚園でピアノが弾ける子の言う「ラは緑色」という感覚が分からないのです。
「緑色は、ほうれん草とかカボチャだよ?」
ラの色を、どうしても知る事が出来ないサラちゃんは、その能力を羨ましがりました。
(私も、なんか見えたら良いのにな)
サラちゃんはAI検索で、たくさんの質問をしていました。ママも様子を見ています。
「サラは言葉をいっぱい知っているわね。だからこんなにいっぱい検索結果が出てくるのよ」
「でも、言葉の色は見えないよ」
2人して、どうしたら言葉に色が見えるのか考えます。ママはサラちゃんに、ものの喩えとして諺を言ってみました。
「火がついたように怒るとか、茹でダコになるはどうかな」
「サラ知ってるー! タコさんもオヤジも、みんな赤くなるんだよ!……って、なんで笑うの?」
「ふふ、サラの目がきらきらしてるからつい」
目がきらきらしている。
目が……きらきら。
言葉に敏感になっているサラちゃんは、意味を深く考えました。
(ママが見てるサラの目のきらきらは、鏡でサラが見る自分のきらきらと違うのかな?)
なんとなく、違うことは分かります。サラちゃんはママに訊きました。
「サラの目のきらきらは、笑うくらい良いものなの?」
「うん、見た人が幸せになるきらきらよ」
ママの手が優しくサラちゃんの髪を撫でます。心地良くて眠ってしまいそう……「ハッ!」と目を開いて、サラちゃんは閃きました。
「サラ、今からきらきらした言葉を集める!」
サラちゃんの思いつきを微笑ましく見守っていたママは、その目的を尋ねました。
「集めてどうするの?」
「バレンタインデーのプレゼントにする! パパにあげるの!」
「素敵な提案だわ。きっと喜んでくれるわよ!」
そうとなれば、サラちゃんはAI検索で言葉をたくさん、たくさん検索します。検出された結果を見てメモを取り、組み合わせては口に出して『きらきら』を感じ取ります。
しかし、
「星はなんか……チカチカで、月はキュラキュラって感じで、違うの。きらきら、全然感じない」
綺麗な琥珀糖なども出てきましたが、ママのリアクションを見て『違う』と感じるのです。この違いはなんだろう、なんだろうと考えているうちにパパが帰ってきてしまいました。
(サラがバレンタインのプレゼント考えてること言わないでね!)
サラちゃんがママに内緒話をします。
パパは、カバンを置いてサラちゃんを抱き上げます。
「ただいま!」
「へへ、おかえり〜」
サラちゃんはパパの、会社のロッカーの匂いに染み付いたスーツに顔を埋めました。存分に楽しんだあと、パパの顔を見たサラちゃんは、ビックリします。
「あれ、サラ。今きらきらした言葉、言った?」
「んー? 何のことだ」
サラちゃんは感じたことを説明します。
「パパの反応が、サラの目のきらきらの時と一緒だったの。だから、サラはパパにきらきらを言ったのかなって」
サラちゃんの説明はパパには難しかったらしく、パパはママに説明を求めます。
ママは、
「サラは、きらきらした言葉を集めてるのよ。でも、まだその答えがよく分かっていないみたい」
そう言ってサラちゃんの目を見ました。不思議そうな顔でいっぱいのサラちゃん。パパはママの顔を見て答えが分かりましたが、あえて黙っておくことにしました。
(サラが発する言葉だから、きらきらなんだよ)
そうとは言わずに。
おしまい
最後まで読んでくれてありがとうございます!




