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妖々季  作者: 重い槍
2/2

最初って肝心

妖怪、それは人間を怖がらせるモノ。雪女とか、首無とか、あとは小学生の時よくやった地縛霊の猫とか。


そしてそんな妖怪たちは本当にこの世界にいる。男はそう言った。


「妖怪のそのほとんどが人を襲って妖力を得ることで存在してる。それを倒すのが僕の仕事ってわけだね」



───コイツは何を言ってるのだろう。


疑いの視線を向ける祐馬に構わず、男は更に話を続けた。


妖怪たちに襲われる人間の中にも、妖怪を倒すことのできる者がいた。俗に陰陽師と呼ばれる彼らは、しかしその数はあまりにも少なかった。


そこである陰陽師が考えたのは人を襲わない妖怪である、龍の力を借りることだった。


龍脈から妖力を得る彼らに、人間の妖力を分ける。その代わりに力を借りようと。


人を襲わない龍も妖力は必要だった為、協力関係はすぐに結ばれた。


龍と適合し、憑依させることのできる人間。


その数は今や陰陽師よりも多いのだと、男は言った



そして龍たちにも火龍、水龍など種類があり、その中には黒龍というとても貴重な龍もいる。


「で、今キミの中にいるのがその黒龍っていうレアな龍だね」



祐馬は話された内容を噛み砕き、理解し……









噛み砕いても訳がわからなくなった祐馬は



あたまが、いたく、なった


男は祐馬を宥めるように肩に触れて座らせ、そして更に話を続けた



その黒龍には適合者が見つからず、暴れたがりの龍は封印を振り切って逃亡したのだそうだ。



そして逃げた先にいたのが、登校していた祐馬だった。



「で、キミとその龍はちゃんとした契約もしてないし、暴走されちゃまずいってわけで、ここに連れてきた、以上!」



あーー………


とりあえずこういう時、頭をかかえたくなるものなんだなと思った。


だってわかんないこと多すぎるし…


「えっと…じゃあお返しするので、これでサヨナラってことに…」


「あ、それは無理だね」


頭をかかえて出した解決策は、即却下された。


「キミに黒龍はもう憑依しちゃってるから、こうなると一蓮托生なんだよね、だから無理に引っ剥がすとどっちも死んじゃう」


さて、と前置きし、男は言った



「キミには二つ選択肢がある」


「一つは僕と同じ狩り人となって妖怪退治する」


「もう一つは死ぬことだね」

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