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お題シリーズ4

謎の人物

作者: 仲仁へび



 俺達にはなさねばならない使命がある。


 七つの宝玉を集めて、魔王の復活を阻止するという使命が。


 混乱を防止するために、世界の人々のその宝玉の事は伝えられていない。


 限られた特別な者達だけが動いていた。


 だから、危機に陥った時よそから支援が入る事はまれだった。


「魔物に囲まれているぞ!」


「この遺跡! まさか宝玉をとったとたん、魔物がうみだされる仕掛けになってるなんて」


「いったいどんな性格の悪い人間が作ったんだ!」


 ほとんどの場合は、自力で対処しなければならない。


 そんなケースばかりだ。


 しかし時々。


「はーっはっはっは、どうやら困っているようだな! 助太刀しよう!」


 ピンチになると謎の人物が俺達の前によく現れた。


 仮面をかぶっているため、正体はよく分からない。


 助けてくれるのはありがたいが、素性が分からない事は不気味だった。


「俺が魔物をひきつける。その間にお前達はこの遺跡から脱出しろ! こんな所で倒れている場合ではない! 成さねばならない使命があるのだろう!?」


 しかも、話した事はないのに、こちらの事情まで知っている。


 あやしすぎた。


 けれど、状況が落ち着いた事に問い詰めようとしても、いつも知らない間にいなくなっているのだ。


 今回もおそらくそうだろう。


 俺達はあいつを囮にして、逃げていく事になったが、しばらくは顔を合わせる事がないだろうと思った。






 その人物は仮面をぬいで「ふう」と息を吐いた。


 毎回、茶番をするたびに苦笑しそうになるが、他にいい方法がなかった


 俺は、未来からやってきた人間だ。


 このままだと、宝玉を集める事ができなくて魔王が復活してしまう。


 そんな悲惨な未来を現実にしないために、過去へやってきた。


 直接事情を伝えられればいいが、誰がそんな眉唾物の事を信じてくれるだろうか。


 だから仮面を隠して、過去の自分達を支援していたのだ。


 宝玉集めは残りわずか。


 全ては未来の平和のためだ。


 馬鹿らしい真似だと思うが、もう少し謎の人物として活動しなければならないだろう。



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