tea break ~亥の子餅と熊手と芝~
ネズミモチなら、子供のために買ったポケット植物図鑑で初めて確認した低木だが、こちらはガチな食べ物である。
亥の子餅。
たまたま寄った和菓子屋で、初めて見た。
なんでも、お茶の炉開きで注文されたものの余りのようで、平安時代からある菓子だそうだ。
こし餡を、シナモンやゴマを混ぜた求肥で包む。背中のうり坊ラインが可愛らしく、つい買ってしまった。
しかし。
本日の買い物のメインは菓子ではなく、熊手。
(これが百円てとこに資本主義の歪みを感じるが、でも買った。百均で何でも揃うが、百均しかないのでスマヌ)
おやつの前に、芝生のお掃除である。
引っ越してきたばかりの頃は、枯れ芝がチョロチョロと生えて、地面がむき出しになっていた庭。
――― 子供たちが泥水遊びをしたいと言うので、芝の種まきは諦め、初代・熊手でひたすら枯れ芝をかき集めては捨てた結果……
芝さん、勝手に、再生なさった。
種、まく必要、皆無。
養生? そんなもの知らん。
異世界転移チート賢者のごとく、 『え? 俺、何もしてないっすけど?』 と…… あるいは、召還された聖女のごとく、 『ええっ、こんなことで蘇るだなんて…… これが癒しの力だっていうの!?』 と、驚きたくなる。
そんな案件である。
実際には癒しの力ではなく、芝さんの生命力。
生命力を活性化させて回復…… ふむ。