41/71
晩春:白花コモンタイム
庭に植える花をハーブにしたのは『ラクそう』 で 『しかも使える』 点が理由の8割、残りの2割は 『小さな花がかわいい』 からである。
そういう意味での代表格はローズマリーで、丈夫だし四季を通してほぼ咲きっぱなしだし香りは良いし、風呂に入れても料理に使ってもOKという優等生。
次点はコバルトセージで、こちらはあまり香らないが、毎年、勝手に芽吹いて勝手に育って、鮮やかな青の花で秋を彩ってくれる。
しかし、植えた中でもかなり気に入っていたコモンタイムが、意外と難しかった。
土が合わないのか、湿気多めの気候が良くないのか、そもそもがそういうものなのか…… 枯れた枝が目立ち、見る度に気を揉ませる。
今年もなんとか咲いてくれて、嬉しいような気の毒なような、いじらしくて可愛いような。
見守るこちらの気分はまんま、ドアマットヒロインに片想い中なのに何もしてあげられない高位貴族の次男的なアレである。




