晩春:マツヨイグサ(?)
花の名が気になり出したのは、子どもと一緒に歩くようになってからだ。
幼い子どもにとって、道端はちょっとしたエンタテインメントだ。
コンクリートの段差があり、石ころが転がり、落ち葉の間を蟻がせっせと歩き、ダンゴムシがノロノロと進む。
子どもが道端でしゃがみ出したら、こちらは、ぼーっと花でも眺めて待っとくしかないのである。
毎回 『お花咲いてるねぇ。キレイねぇ』 では芸がない。
「なんていう花だろうね。後で調べてみようか」 と、(子どもは全然興味を持っていなくても強引に) 探究心を目覚めさせようと試みているうち、自然に気になるようになってきたのだ。
ちなみに、子どもは相変わらず、花の名前なんかには興味を持たない。
策士策に溺れる。あるいはミイラ取りがミイラになる。
まさにそんな感覚だが、1つ1つの花に目を止めだすと、通園路が単調ではなくなってくるのが、面白い。
1つの花が咲く。
顔見知りのような彼女は、蕾の時から今日か明日かとソワソワ待っていたのだ。
見慣れぬ花が咲く。
「アンタ誰」 から始まり、あーでもないこーでもないと調べて、顔見知りになっていく。
来年は (たぶん) 覚えとくわ、としぼんでいく花を見送る頃、別の花がまた開く。
好奇心を失わず、興味を持って眺めれば、世界は限りなく広い。
…… で。
目下のところ気になるのは、この子。
『アンタ誰』 ってところから、進まないのだ。
マツヨイグサ (待宵草) かな…… と当たりはつけているのだが、その名前の最大の特徴である 『夕方咲いて朝閉じる』 が全く当てはまらないんである。
昼日中、堂々と咲いている。
同じ仲間に 『昼咲き月見草』 という種があるが、これはどう見ても別物だし……
調べているうちに春が過ぎそうなので、勢いで掲載。
名前はまだ、分からない(笑)




