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春:つくし、たんぽぽ、キュウリグサ

挿絵(By みてみん)


子どもの頃の春の思い出というと、私の場合は、つくし一択である。


生まれてからもう何十年も都会っ子をしているが、春休みには田舎に行っていた。


レンゲが無くなった後も、ツクシは田の畔にドンドコ生えていたから、特に娯楽もない田舎で子どもたちは、つくしを乱獲して遊んでいたのだ。


何に使うのか、といえば食べるのである。


袋いっぱいにとったつくしは、一本一本ハカマをむく。胞子で爪の中も指先も真っ黒になる。


それを母が湯がいてアクを取り、甘辛く煮付けて食卓に出す。子どもにとっては、ほろ苦くてクセがあって美味しくない。


その都度 「京都の料亭では2、3本チマッと出てくる高級食材なのよ」 と母は主張していたが、だから何、って感じである。


しかし自分でとってきたから、仕方なく食べる。一応 『美味しい』 と感想も述べる。

しかし余る。

余った煮付けは卵焼きにリメイクしていた気がする。

それでも余る。


余っても、毎日とりに行く。


…… 今思えば、大人たちも消費するのが大変だったろう。



挿絵(By みてみん)


そして、タンポポ。

和むよね (えっそれだけ)



挿絵(By みてみん)


キュウリグサ。


といえば、連想するのが 梨木香歩 『西の魔女が死んだ』 だ。

主人公が祖母の元で 『ヒメワスレナグサ』 と名付けて育てていた花。祖母が亡くなった後で、近所のオッサンが言うのだ。

『キュウリグサがやたらと生えてるのお』 とか。


祖母の心情にしみじみくる、名シーンである。


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― 新着の感想 ―
[良い点] うちの近所も今つくしがたくさん顔を出してますよ〜。 こちらで生えるのとおんなじつくしだ。野生タンポポは品種の地域差があるというけれど、つくしはつくしなのね(´∀`*)ウフフ
[良い点] 私はワラビを乱獲していたことを思い出しました! 懐かしい……!
[良い点] つくし、近所にもよく生えています。 実はスギナなのだと知った時は驚きました。 春を示唆する代表格のつくしが、嫌がられる雑草の代表格のスギナだとは…… そんな思い出が蘇ってきました。
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