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早春:梅
梅と言いながら、なぜいきなり象かといえば、2月の末に動物園に行ったからである。
王子動物園といえば桜の名所で、ことに満開の花の中で象を見ると、しみじみと平和を実感するものだ。
が、当然ながら、桜はまだ蕾もついていない。
まだ季節は、梅である。
実は通園途中の大きな家に、見事なしだれ梅があり、何枚も撮らせてもらっている。
何とかこちらに載せたいと、加工してみるのだが…… どうしても周りの建物が映り込んでしまうのだ。
なぜなら、梅が美しいのは樹としての姿の美しさが8割だから。
枝についた一部の花を切り取っても、なんか違うんである。
あのゴツゴツとした、曾我蕭白あたりが描いたらいかにもピッタリといった感じの幹や枝があってこその、梅なのだ。
そんなわけで断念しかけていたところ、偶然にも王子動物園で見つけた。
姿の美しい者同士の取り合わせ。
わかってるぅ!




