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冬:つわぶきの綿毛
つわぶき。
名前が好きだ。音韻が美しい。
石蕗花。一般的には 『花』 をつけないが、『花』 がつく方が好きだ。
『石蕗』 では夏に濃く繁る葉を思いだし、鬱陶しくなってしまう。
『石蕗花』 だと、伸びた茎の上に咲く、素朴な黄色い花を連想する。
この花が咲くから、刈らずに置いている。しかし、たとえ刈ったところで翌年にはまた繁り、花を咲かせるに違いないヤツである。
そして咲いた後、茶色く枯れた花は異様に汚い。
例年、花が終わるとバッサリ刈り取ってしまう。
…… なので、知らなかった。
『お前、綿毛になるんだな……』
写真は、道端に咲いてるヤツ。
映ってる葉はツワブキでなく、その上を覆っている植え込みである。
…… つまり、植え込みの間からコンニチハし、ついでに子まで成した猛者なのである…… けど、こいつらなら、その程度何でもないことなんだろう。




