冬:新しい夜明け (狂い咲き)
道を歩いていると、ふっと空気が甘く香る。
1月半ばに続いた春のような陽気のおかげで、周辺の梅が随分と早く咲いたのだ。
家の近所でも、1本。
お見せしたいところだが、他所さまのお庭なので撮影が憚られる。残念!
…… 梅は割と思い出深い花だ。
季節には、あちこちの梅林に行くことが多い。
上の子が赤ちゃんの頃は、実家近くの小さな梅林に行った。たまたま一緒になった子どもたちと、柵にもたれて満開の花を見てる丸まっちい後ろ姿の写真が残っている。
…… かわいかったなぁ……(しみじみ)
ともかくも今、撮影できる梅が無いので、代わりにこれ。
狂い咲きした我が家の薔薇である。
ニュー・ドーン。
アメリカの薔薇で、意味は 『新しい夜明け』 。
1930年作出、品評会で賞もとった美人さん♪
本来は春咲きの子だ。
『丈夫で、半日陰でもOKで、花数が多く、困るほど繁る。』
そんな前宣伝だったのだが、我が家には少し合わなかったらしい。
枝の勢いもさほどではなく、花もポチポチである。
そして、柵を越えて伸びてしまった枝にばかり、家からそっぽ向く形で花がつく。
…… そんなわけで、花のお顔を拝んだのは実は、今回が初めて。
(いつもお尻しか見えてなかったからね!)
狂い咲きと思うと心配になるが一輪だけだし、新年の挨拶してくれたとでも思っておこう。
このたった一輪で、花の周りの空気が少し、柔らかくなっている。




