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初冬:落葉

挿絵(By みてみん)


落葉を踏む時のカサカサした音が好きだ。

子供の頃には堂々と、大人になってからは何食わぬ顔でコッソリと、枯れた落葉の上を歩いている。


子供たちにも教えてみたが、ひとまず喜ぶものの、あまり反応は芳しくない…… ふむ。


落葉など無視して駆け出すヤツらを、慌てて追いかける。晩秋から初冬にかけて、そんな攻防が続く。



挿絵(By みてみん)


子供らが興味を持つのは、むしろこちら。

季節には道を彩り、街路樹付近の住人たちにタメイキつかせるイチョウである。


しかし子供たちは、『キレイな黄葉』 として注目するのではない。


「この黄色いケーキ踏んだら負けね! はい、お母ちゃん負けー」


道いっぱいに落ちてるというのに、どうやって避けろというのだ。


もちろん、ヤツらも踏んでいる。

踏んでいるくせに気づいていない。


お互いに 「踏んでる、負け」 を言い合いつつ走っている。



…… 子供としたいのは、平和にキレイな葉っぱを拾い、押し葉にしたり工作に使ったり…… ということなのだが。

そんな日は来なさそうである。


仕方なく、ひとりで集めて玄関に飾っていると、夫が首かしげて曰く。


「それ、何に使うん?」



…… 風呂にでも、入れるか。


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― 新着の感想 ―
[一言] >押し葉にしたり工作に使ったり…… 小さいころやったやった♪ 楽しかった ( ˘ω˘) イチョウの葉は同じく、銀杏爆弾がこわいので、できるだけ避けます (´・ω・`)
[良い点] 男子ってのはなかなか、葉っぱを拾ってどうこうとか、そういう情緒を発揮しないですからねえぇ……なんかすいません。(ペコペコ) カサカサって、落ち葉の音って書くと風情があっていいですけど、た…
[一言] これだけで一つの短編小説のようですね! ほっこりしました♪
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