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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

スペシウム光線

作者: くコ:彡

微グロ注意

「この時期のお子さんは多感ですからね…」

自宅の玄関で、母親と会話する声が聞こえる。耳障り。聞きたくない。

会話相手を、私は知っている。2-Bの担任教師、金澤だ。ルックスは下の下、生徒の間では、ウルトラマンに出てくる怪獣そっくりという事で、『カネゴン』と呼ばれている。だが、私は知っている。あいつは本当にカネゴンなのだ。

放課後の教室、1人で教卓周りの整理をしていた金澤は、周囲に人がいないことを確認すると、おもむろにポケットから小銭を取り出して頬張っていたのだ。それだけじゃない。あいつは、小銭の落ちる音を確認した瞬間物凄い形相でそちらを見つめるし、「先生の

特技だ」とか言って右眼と左眼を別々に動かす事も出来た。

気付いているのは、私だけだろうか。怪獣から物を教わるなんて出来ない。そう思うと私は、学校に通う事を拒否してしまった。

握っていた掛け布団を頭まで覆い、出来るだけ奴の声を遮断する。

「では、今日のところはお暇します。佐知子さんとまた授業が出来るのをお待ちしてます」

玄関の声が聞こえなくなった。行ったのだろうか。

…もし、現実世界にウルトラマンがいたら、あのカネゴンを退治してくれるだろうか。教師を隠れ蓑にし、(恐らく)地球征服を企んでるであろう、あの醜い怪物を……


ーーーーーーーーーー


「ふぅ〜。今日は冷えるな…」

金澤は背中をやや丸めながら、小走りで駐車場に止めておいた自分の車へ向かっていた。

その時、強い風が吹いた。

身体を煽られ、金澤が上体を反らした瞬間、何処からともなく飛来してきた包丁が金澤の脳天を直撃した。

物を言う間も無く、金澤は前のめりに倒れ、死んだ。倒れた拍子に、額に刺さった包丁が更に深く入り、コンクリートがケチャップを零したかの様に赤く染まった。


こうして、1年以上少女を悩ましていた宇宙怪獣は退治されたのであった。ありがとうウルトラマン。

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