モノレールに乗って
7時5分のモノレール駅
霞んだ空へレールが伸びて
ジオラマの街並み
カーブの向こうの遠い海
朝一番のため息と
少しだけ残った缶の
アイスミルクティー
長さの違う人々の足が林立する
紛れるように関節を伸ばす
電光掲示板の
あたたかなオレンジ
流れる文字と共に
まだ誰も見たことのない場所へ
僕を並べ替えてみせて
吐き出され
吸い込まれてく
鬱憤と期待と疲労と
新しくくたびれた一日が
すれ違うおはようおやすみ
するすると伸び
しゅるしゅると縮む座席のダンス
吊り輪の揺れと
同じ角度で首を傾げて
目的地を
知っているようで知らない
日々に僕ら運ばれている
厚い窓の向こう
輪郭ばかりが濃くなるビル
誰かのあくびがぽっかりと
海を飲み込んでしまったなら
到着駅を繰り返す
甲高い声のアナウンス
流れる言葉を集めて
まだ誰も聞いたことのない場所で
僕を語りはじめてみせて