第六天魔王というと残虐で人を大量に殺していそうだけど本当は人の願望を叶えてくれる神様のこと
さて一般的に織田信長というと第六天魔王と言うイメージが有りますし、魔王というとなんだかとても残虐なイメージがありますが、本来仏教で言う”天”と言うのは仏教以前に信仰されていた神様たちです。
第六天魔王波旬は他化自在天でもあります。
仏教の世界観では世界は六道すなわち地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界に別れているというのが一般のイメージですが、欲界・色界・無色界の三界に分ける場合もあります。
この場合
無色界すなわち欲も色(物質)もない精神のみの世界。
色界すなわち欲にはとらわれないが色(物質)にはとらわれている世界。
欲界すなわち欲望にとらわれた世界です。
そして欲界は六道の天上界の一部で天界の下層六天(欲天)からその下の階層すべてを含みます。
欲天の最上天が他化自在天こと第六天で、天魔王というのはその王であると言っているわけですね。
そして第六天魔王は仏僧の修行の邪魔する存在なのでマーラ=魔と呼ばれているだけで、殺戮や恐怖で世界を支配したりする存在ではありません。
信長が第六天魔王を名乗ったのは武田信玄が比叡山復興をスローガンにして天台座主沙門信玄を名乗ったので、信長はじゃあ俺はそれを邪魔してやんよということで第六天魔王となのったのは信長的な信玄に対する皮肉だったというのが本当の所だったのではないでしょうか。
まあそもそも自分で名乗ったわけではないという説もありますけど、民衆の願いが平和だとすると信長はそれを叶えた神のような存在であったのは事実だと思います。