五話 寂しがり
「そうい、えば、名、前、聞いて、ない、よ?」
「……お前、名前も知らない相手と友情を結ぼうとしてたのかよ、危ないやつだな。悪魔と友達になっちまう俺ほどじゃないけど」
壁に寄りかかりながら座り込み、肩を並べて言葉を交わす少年とベリトリッサ。お互いの距離は、肩が触れ合うかどうか、といったところ。友人同士にしては近く、恋人にしては離れた微妙な距離。
「私、悪魔って、呼ばれ、てる、だけで、悪魔、じゃ、ない、と思う、よ?」
「呼ばれてるってことは、きっとそれに近いなんかなんだろ。それにお前の記憶はあてにならん。面倒だし、悪魔ってことでいいじゃん」
「あなた、って、結構、辛辣? それ、と、友達だから、名前、で、呼ん、で?」
「……俺相手じゃなかったら絶対勘違いされるぞ、ベリトリッサ」
「リッサ、って、呼ん、で?」
「嫌だよ恥ずかしい。そういうあだ名みたいなのはもう少し仲良くなってからにしよう。具体的にはあと数世紀後くらい待とうか」
「私、は、生きてると、思うけど、あなた、生き、て、いられ、る?」
「無理だな」
「そんなに、呼びたく、ない? 私の、こと、嫌い?」
「ベリトリッサのことは、この世の中で二番目に好きだよ。一番は秘密な」
「……一番は、自分?」
「ちっげえ、人をナルシストみたいに言うな」
「ふふ、ふ……それ、で、あなた、の、名前、教え、て?」
再度の質問。頭をガシガシ掻きながら、バツが悪そうに少年は顔を背けた。
「いや、さ。それが分からないんだ。記憶喪失なんだよ、俺」
「さっきも、言って、た、ね? きおく、しょーしつ、って、なに?」
「昔のことをなんにも憶えてないってことだ。名前も、今までのことも、自分のことなのになんもかんも分かんねえ。そういうことだ」
「私も、似た、よう、な、ものだ、よ? お揃、い?」
「忘れっぽいだけじゃないのか? お前の場合は」
「そう、か、も?」
何が楽しいのか、ふふ、ふと、クスクスと笑い声を上げるベリトリッサ。その顔を見ていると、おかしなことなんてないのに不思議とこちらまで笑えてくる。
ぐるるるるぅ、と。
少年の腹が突然鳴った。
「今の、お腹? お腹、空いて、るの?」
そういえば、ユーキに走らされていたのだった。すっかり忘れていた。どれくらいの時間ここにいたのかは定かではないが、空腹度合からしてそれなりに長かったのだろう。
ベリトリッサとの会話には、ユーキと話しているときとはまた違った楽しさがあった。そのせいで時間を忘れたことを、自分は反省しなくては。
少年は立ち上がるとんんっ、と伸びをしてベリトリッサに向き直った。
「そろそろ帰るわ。ここって、どっから出られるんだ? ……というか、そもそも元の場所に帰れるのか? 俺、ここに来るまでの記憶が曖昧なんだけど。帰れないとなると、ちょっと困るな」
ベリトリッサはその言葉に固まり、裏切られたかのような表情をした。弱々しい声で彼女は、
「え……? 帰っ、ちゃう、の? どう、し、て……?」
「うっ……な、なんだよ」
急に涙声になった彼女に少年はたじろぐ。フラフラと揺れながら手が伸ばされ、彼のシャツの端を捕らえた。握りしめられた布地に皺が生まれ、ベリトリッサが引っ張るたびに波のようにうねる。細腕に見合わない膂力に倒れそうになったが、少年は足を踏ん張りなんとか堪えた。
「ど、どう、し、て? 私の、こと、嫌い、に、なったの?」
「お、落ち着け! 服を離せ! 力強いなおい!?」
「見捨て、ない、で? 一人は、嫌、なの、一人、に、しない、で?」
「や、破けるっ、破けるから離してくれっ! うわ、ビリっていった!?」
「私と、は、遊び、だった、の?」
「遊びもなにも知り合ってから一日も経ってないぞ!? いいからとりあえず離してくれ、これから半裸で生きていかなくちゃならなくなる!」
なんとかベリトリッサを振りほどいた少年。シャツを確かめると、右脇腹からへその辺りにかけて避けていた。図らずもパンクな恰好になってしまった。あまり嬉しくない。
服についてはどうせ元からボロボロだったと割り切り、ベリトリッサの方を見やる。振り払った時に勢いがつきすぎたのか、地面に倒れ顔だけをこちらに向けている。
表情と体勢のせいで、少年の心に罪悪感が沸き立つ。同時に、目に入った瑞々しい肢体や髪の奥から覗くうなじが鎖と表情と相まって、背徳的な劣情をも呼び覚ます。
彼女を押し倒したい。抱きしめたい。愛を囁きたい。一つになりたい。いや、ともに居れるだけでも構わない。彼女の近くから離れたくない。ずっと、永遠に。
頭が熱い。思考があやふやになる。以前、こんな感覚がどこかであったような……
「グゥッ!」
少年は自分の頬を殴りつけた。唇の左端から血が流れる。頭の中が少しだけクリアになった。
「はぁ……はぁ……今のは……?」
荒い息を吐きながら、少年は崩れ落ちたままのベリトリッサに問う。彼女はよたよたと危なっかしい動作で起き上がると答えた。
「何のこと、か、分からな、い、けど、多分、私と、波長、が、合ってる、から? 波長が、合ってる、人、は、私、の、意思、を、勝手に、拾って、そうしたく、なっちゃう、ことが、たまにある、みたい? わざと、じゃ、ない、けど、ごめん、ね? 口、大丈、夫?」
傷を心配してかこちらに寄ろうとするベリトリッサを左手で押しとどめながら、少年は先ほどの感覚を思い返す。そして、今まで二回、その感覚に見舞われたことがあることを思い出した。
両方とも、あの金属の扉の前でのことだ。
「なぁ、一つ聞く。俺って、どんな感じでここまで来たか?」
「えっ、と、フラフ、ラ、して、向こうから、歩いて、きた、よ?」
そう少年の後方に視線を向けた。
「なるほど……俺は、お前に誘われてここに来たってことか。それで合ってるか? ベリトリッサ」
「そう、かも? ごめん、ね? 嫌いに、なっ、た?」
天を仰ぎ見る。灰色の光。淡く、儚い色なき景色。どこまでも続いているように見えて、目の前で終わっているようにも見える。
目の前を見る。鎖に縛られた少女。黒と白の少女。唇だけが妙に艶やかに色づいている。
少年は、彼女の顔を正面から見据えた。寂しそうだと思った。悲しそうだとも思った。自分には彼女を嫌いになることはできないと、そうも思った。
もしかすると、彼女の言う『波長が合っている』影響で、そう思っているだけかもしれない。そう分かりつつも、少年は出会って間もない彼女を嫌えなかった。ただ、自分の気持ちが操られているような言い方が気に入らない。
「わふっ」
ベリトリッサの黒髪をぐしゃぐしゃと撫でまわす。すごく手触りが良い。柔らかく、簡単に髪と髪のスキマに指が通る。ちょっと良い匂いもしてきた気がする。
髪を触るのはセクハラになるのでは、とも思ったが別に誰が見ている訳でもなく、相手は友人なのだから気にしなくてもいいと少年は判断した。もし嫌がられたら、殴られることくらいは覚悟しよう。
「あー、なんだ。俺は口下手、だろうから上手く言えないだろうけどさ」
そう前置きして。
「その『波長』ってのが何なのか俺は知らないし聞いても多分分からないから聞かないけど、俺がお前と友人になりたいと思ったのは事実だし、別にお前のことを嫌いだったりもしない。どっちかというと……まぁ、す、好き、な方、だな」
「で、でも、さっき、帰るって、言った、よ?」
「そりゃあ帰るよ。俺はお前と違っていろいろと面倒な体してるからな。ここにずっといると餓死する、だから食事があるところにもどらないといけない……もっとも、まともな飯食べた憶えがないんだけど」
不味いパンの味を思い出し、渋い表情の少年。ワシャワシャとベリトリッサの頭を掻きまわすことで、それを思考の隅に追いやった。
「ご飯、あれ、ば、ずっと、ここに、いて、くれ、る?」
「んー、いや、無理だな。実は俺、ある人に恩があってだな、それをまだ返しきれてないんだ。そいつを返しに行かないといけない」
「それが、なくなれば、ここに、いて、くれる?」
「……お前が何を心配してるのか知らないけど、帰ったからといって、ここに二度と来ない訳じゃないからな?」
「え……?」
少年はため息を吐く。呆れた、というより安心したという意味で。幸せがどんどん逃げていく。どちらかといえば不幸な境遇なのに、これ以上幸せを失えばどうなるのだろうか。少しだけ気になった。
「だってよ、俺ら友達なんだろ? 友人だろ? 気が向いたときに友を訪ねるののどこがおかしいんだ」
「そ、そうい、う、ものなの?」
「友達とかいた記憶ないから保証はできないけどな」
「寂しい、人、なの?」
「記憶がないって意味だからな? 俺がぼっちだったって意味じゃないからな?」
「大丈、夫、私も、友達、いたこと、ない、よ?」
「大丈夫な点がないんだが、俺はどこに安心すればいいんだ」
「同族、を、見つけ、た、安心感、が、ある、かも?」
「それただぼっち同士が傷の舐めあいしてるだけじゃねえか」
「私は、あなたを、舐める、のも、舐められる、のも、嫌じゃ、ない、よ?」
「物理的な意味じゃねえよ俺は嫌だよ」
「……じゅるり」
「怖えよっ! それと、口でじゅるりって言うなあざといな!」
口元に手を当て、ベリトリッサはクスクスと笑った。つられて少年も笑みを浮かべた。
自分は頭が悪い。考えてもろくなことにならない、かもしれない。
いつか、いろいろ考えないといけない時がくるだろう。でも、今は自分の思うまま行動すればいい。
頭の弱い少年は、自身に似た悪魔としばらく笑いあっていた。
~~~~~~~~~~~~
ベリトリッサのいた広間――封印の間――からはわりとあっさり出ることができた。ベリトリッサが繋がれている外壁の正反対の、彼女には届かない位置の壁に、至近距離で見なければ分からない継ぎ目があった。左手で触れてみると、岩肌が切り離され自動ドアのようにスライドした。機械の類が見えないということは、魔術的な不思議な力なのだろう。ユーキ曰く魔法はこの世界にないらしいが、似たような物はあるということをことを少年は身をもって経験した。
ベリトリッサだが、彼女は少年が鎖を壊せるにも関わらずここに残ることを選んだ。鎖に縛られる生活が長く、外されると違和感があると腰のあたりを撫でていた。少年には理解できない感覚だったが、そういうものなのだろう。
少年がまたここに来てくれるなら自分から出る理由もない、とも言っていた。会えない期間があれば、会えた時嬉しい。だから絶対にまた来てくれと何度も念を押されてしまった。
少年は真っ暗闇の中を歩いている。記憶にある場所だ。封印の間に来る途中で通った道。見えないはずなのに、なぜだかどこを歩けば良いのか分かる、奇妙な通路。
時折進路を障害物がふさいでいたが、それすら分かった。見えていない。どんなものか、どんな形かは分からないが、そこにあることだけは分かる。
それらを避けながら、少年は歩みを進める。やがて、視界に光が差してきた。暗闇に慣れ開いた瞳孔に過剰な刺激。涙が出そうになる。
「おつかれ、待ってたよ」
「……ああ、なるほど。こうなることを分かってたのか」
金属の扉を抜けた先にはユーキが待っていた。それを見て、少年はある程度の事情を察した。
「聞いていいか」
「ご自由に。君にはその権利がある」
「じゃあ遠慮なく……お前の嫁さんのスリーサイズは?」
「残念ながら測ったことないんだよね、彼女。服は自分で仕立ててるみたいだし、測る必要がないんだろう。まあ、スレンダーとだけ答えておくよ」
「答えるのかよ」
「ジョークにも真剣に答えるのが紳士だよ」
「紳士は自分の嫁のスリーサイズを答えねえよ」
「僕の妻の体型より、聞きたいことがあるだろう?」
少年は手で顔を覆った。何度か頭を振り、自分が冷静なことを確認してからようやく口を開いた。
「まずは、この先のことを知ってるのか、ってことから聞こうか。分かりきったことだけど、一応本人の口から聞いておく。俺の頭はダメダメだからな、推測が間違ってたら目も当てられねえ」
「そんなに自分を卑下しないでいいと思うけどね……この先、ってのが封印の間のことなら答えはイエスだ。この前、君がこの扉を開けたのを見て、気になってあの後入ってみたんだ」
まさか、こんなところにいるとは思わなかったけどね、とユーキは笑う。
「悪魔が城内にいる、という情報でさえ眉唾ものなのに、まさかその場所がこんな辺鄙なところだなんて、誰も思わないよ」
「こんなあからさまに怪しい扉があるのにか?」
ユーキは扉をチラと見ると鼻を鳴らした。
「この先を見たのなら分かるだろう? 扉の向こうにあるのは封印の間だけじゃない」
「暗くて見えなかったんだけど」
「え……あぁ、君は明かりを持っていなかったね。それなのに先に進めたのは、波長が合ったから、ってところかな。扉を開けようとする動作にもしや、と思ったけど予想が当たっていて良かった」
「……で、先に何があるんだよ、暗い通路しかなかったぞ」
「拷問部屋だよ、囚人を拷問し、場合によっては処刑するための部屋。もっとも、使われたことは今まで一度もないみたいだけどね、拷問士なんてこの国にはいないし。わざわざそんな部屋に行きたがる人なんていないし、この扉にも一応説明はつく。何のために作られたのか疑問だったんだよね、封印の間のカモフラージュだったとは」
「なっ」
拷問部屋。拷問という馴染みの薄い単語に少年は言葉が出ない。
あの暗闇は拷問部屋だった。つまり、あの障害物は……そういうことだろう。
もし、ぶつかったりしていたら、そう思うと肝が冷えた。
「話を戻すよ、この先が拷問部屋なことはそんなに重要じゃない」
「……あぁ」
「封印の間を知っている、とは言ったけど厳密には、僕は入ったことはない。入れなかったんだ、波長が合わなくてね。どうにもあの場所、波長が合う者しか入れないらしい。だから、件の悪魔にも会っていない。彼に関しては君の方が詳しいと思うから、質問はなしにしてくれるかな?」
「ベリトリッサは女性だ、彼女だ彼女」
「そうなのかい? 悪魔というと、どうしても男をイメージしてしまうんだよね。悪魔っ娘、あんまり好きじゃなかったからなぁ」
しみじみと昔を思い出すように呟くユーキ。話が逸れそうな気配を少年は察した。慌てて修正しようとする。
「お前がこの先について大体知ってるのは分かった」
「君の方が詳しいよ」
「そうでもねえよ。で、単刀直入にきくけど、お前はどうしたかったんだ?」
「曖昧な質問だね。簡潔に言うと、君とその悪魔を会わせたかった、ってことになるかな。おっと、理由についてはまだ話せない。時期が来たら話すよ」
「秘密主義かよ。そんなに信頼できないか、俺って。お前になんか思惑があるってことは分かったけどよ」
「悪いようにはしないさ。ぶっちゃけちゃうけど、君のためにしていることだからね。頼まれているからだってのもあるし」
「は? 頼みって誰からだよ」
「それも秘密だ。こうして秘密が多いとミステリアスな感じがするかい?」
「それが許されるのは背の高いカッコいい感じの美人さんだけだ」
「違いない。ああ、余談だけど、A、B、Cってコースあっただろう? 訓練とか、修行ってのはただのこじつけで君を扉まで走らせることが目的だったんだ。波長が合ってるだろうから、扉まで行けばあとは勝手に悪魔の下に誘われるだろう、って予想でね」
「……そのせいで、けっこう辛い目にあったんだが」
少年は転んだことを思い返した。痛みと熱を思い出し、ユーキを八つ当たり気味に睨みつける。転んだこと自体は彼のせいではないのだけれど。
「何があったのかは知らないけど謝るよ。でも、悪魔と会って来いなんて馬鹿正直に言ったら君は会いに行かないと思ったんだ」
それにしても、とユーキは呟いた。
「これまた小ぎれいな格好になったね、服と髪と髭以外」
「悪魔さんが、案外人が良くてな。汚れだけじゃなく、不調とかまで何とかしてもらった。ったく、皆して俺に恩を売りつけて何がしたいんだよ。返せる保証なんてないぞ」
「へぇ、どんな感じの人物……いや、悪魔だったのかな?」
「なんていうか、妙な奴だったな。鎖で縛られてたり、話し方が独特でテンポ悪かったり」
「それはそれは」
「それと、頭が悪そうだった。あいつはあれだな、言ってることが訳わからん。俺も頭が悪いから、お互いに何言ってるか分からなくなっちまう。嫌ではなかったけどさ」
ベリトリッサとの会話を思い出し、少年の頬が緩む。ああいう頭を使わない会話は結構好きだ。
「良かったじゃないか、気が合いそうで。悪魔と仲良くなれるなんて、邪教の教祖なんかにむいてるんじゃないかい?」
「そいつは後ろ向きに検討させてもらうとして、そういやベリトリッサはそんなに悪魔って感じがしなかったな。ただの妙な女って印象だ。いろいろ魔法みたいなことができるみたいだけど」
「一度僕も会ってみたいね、波長の関係で無理そうだけど」
ふと、少年は疑問に思った。
「なあ。ベリトリッサってこの国の、目の上のたんこぶ的な立場だよな」
「そうだね、スフィリウムとしては非常に迷惑な存在だ」
「で、お前はそのスフィリウムの兵士なわけだ」
「うん」
「……その、さ。上に報告したりしないのかよ」
「なんだ、そんなことか」
やけにためるからビビったよ、とユーキは笑った。
「僕は今、兵士である前に囚人だ。そして、悪魔ベリトリッサがいるのはその囚人のいる牢の奥。こんな話、報告しても信用されないよ」
「そういう、ものなのか」
「そうだよ。ただでさえ僕は普段から仕事に不真面目だからね。今に限って言えば信頼なんてこれっぽっちもされていないと胸を張って言える」
「自慢することじゃないぞ」
「それで、どうするかい?」
「あ?」
突然の問いかけに反応できず間抜けな声が出た。それが可笑しかったのか、ユーキは声を上げて笑う。少年は少し不機嫌になった。
「いやいや、修行だよ、修行。やって損はないと思うのだけど、するかい? 錬気やこの国の言葉……スフィリウム語とでもしようか。それももちろん付けて、だけど」
「……よろしく、お願いします」
やっぱり、こいつのことは分からない。
頭を下げながら、少年はそんな風に思った。
書き溜めが終わった……続き書かなくては