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巨大兵器、ケロベロス!

『みなさん、ワタナベ先生がやりました。ワタナベ先生がれきし上はつの「化石をもとのすがたへそせいさせるそうち」をかいはつしました。なんといういぎょう。このそうちはこんごのかがくのはってんのために、ひいてはせいめいのしんぴのきゅうめい、せかいへいわへとやくだてられていくでしょう』


このニュースをじっとみている怪人がいます。

そう、あのあくみょうだかきザンショ大王です!


「ムンムンムーン。ショカよ、どうやらワタナベ先生が化石をいきかえらせるそうちをはつめいしたようだぞ」


「そのようですな」


「ニュースではせいめいのしんぴだのせかいへいわだのいっているがそんなことはワシにはまったくきょうみがない。だがあのそうちはワシの世界征服せかいせいふくにやくだつにちがいない。ワタナベ先生のはつめいひんということでちとしゃくだがなんとしてもアレをうばわねばなるまい」


「ではさっそくあのそうちのこうえんかいをおそってうばってまいりましょう」


ザンショ大王たちがこんなわるだくみをしていてワタナベ先生たちは大丈夫なのでしょうか!?




ここ、ブーブルはくぶつかんにはたくさんのマスコミたちがあつまっています。


今日はここでケイコウはかせとワタナベ先生がきょうどうけんきゅうによって作りあげた化石そせいそうちのこうえんかいがおこなわれるのです!


こうえんかいじょうへむかうとちゅう、先生とケイコウはかせはけんきゅうについてはなしています。


「いやあワタナベくん。きみが理科のじっけんちゅうにおもいついたりろんがなければこのそうちはかんせいしなかったよ」


「いえケイコウはかせ、はかせのけんきゅうがなければわたしはじっけんちゅうにこのりろんをおもいつくことはなかったでしょう。すべてははかせのおかげです」


「しかしワシが10年もがんばってかんがえたのにおもいつかなかったりろんをいったいどうやっておもいついたんだい?」


「理科のじっけんちゅうに女の子のせいとがあたらしくかいはじめたウサギの耳にえんさんをながしこみはじめたんですよ。そのときおもいついたんです。化石のもつDNAに体をこうせいするせいぶんを流し込んでやれば化石が生きかえるのではないかと」


「ほほう、そりゃあかしこいせいとさんをおもちですな」


「ええ、まったく。じまんのせいとたちですよ」


2人がはなしているとまえからヒトシくんたち3人がはしってきました。


「せんせーい!」


「おやうわさをすれば未来のしゅうさいたちがはしってきましたよ」


「こらみんな、はくぶつかんではしってはいけないよ」


「ごめんなさい先生! でもぼくどうしてもはやく見たくって、けんきゅうせいかが」


「ははは、こうきしんおうせいでいいじゃないですか先生。そんなけんきゅうをてつだってくれたきみたちのためにこうえんかいでは一ばん見やすいばしょをとってあげよう」


「ワ! ありがとうございます!」


ヒトシくんたちはこうえんかいじょうへあるいていきました。


「さ、わたしたちもいきましょう。しんぶんきしゃたちが首をながくしてまっていますよ」


ワタナベ先生たちがかいじょうにつくとさっそく化石そせいそうちのじつえんがはじまります!

ワタナベ先生ははこばれてきた化石を手に取ります。


「これはカセキシリアアゲハといってたいへんきちょうなチョウの化石です。いまからこれをそせいしてみせます」


かいじょうがどよめきにつつまれます!


「なあんだ、マンモスとかをいきかえらせるんじゃないんだね」


「なんだいマルオくん、マルオくんはマンモスが見たかったのかい?」


「うん、マンモスがいきかえったらどんなあじがするのかぼく気になっちゃって!」


「うふふ、マルオくんにかかればせいきの大はつめいもグルメマシーンに早がわりね」


そういうっているとワタナベ先生はしかくい箱のようなものをとりだしました。

そしてその上に化石をのせるとスイッチオン! バリバリバリという音と光がはなたれました! 

みんなまぶしくて目をつむりましたが、光がおさまって目をあけてみるとなんと先生がいっていたカセキシリアアゲハが生きてとんでいました!


「これはすごい!」「ワタナベ先生は天才だ!」「ワタナベ先生バンザーイ!」「ワタナベ先生ー!」


きしゃたちはおおよろこびでさわいでいます!


「ワ! すごいや、ほんとにいきかえっちゃった!」


「ちぇっ、虫じゃたべられないや」


カセキシリアアゲハはフワフワととんで3人のところにとんできました。


「イヤッ! 虫だわ!」


なんとメルちゃんはついうっかりそのカセキシリアアゲハをはたきつぶしてしまいました!


「アッ! なんてことするんだメルちゃん!」


「あたしわるくないわ。だってきもちわるいんだもの、虫が」


「せいりてきにむりってやつか。ぼくもよくがっこうで言われてるよ」


ヒトシくんはふだんの生活からメルちゃんに一定のりかいをしめしましたがきしゃたちはおかんむりです!


「せかいでもきちょうなチョウをいきかえらせたとたんころすなんて! どうせきにんをとるんだ!」


「まちたまえ!」


ここでまったをかけたのはほかならぬケイコウはかせでした!


「ケイコウはかせ! いたんですか!」


「ざんねんながらカセキシリアアゲハはつぶれてしんでしまったがなにももんだいはない。この化石そせいそうちはじつは化石じゃなくて死体したいもそせいできるのだよ」


ハカセのことばにかいじょうはふたたびざわめきます!


「なんだって!」「すごすぎる!」「さすがワタナベ先生だ!」


そういってはかせはぺしゃんこにされたカセキシリアアゲハをとりあげるとふたたびそうちの上におきスイッチをおしました!

バリバリバリ! と音と光がはなたれ、またしてもカセキシリアアゲハはいきかえりました!

かいじょうにはかんせいがあがります!


「ふぅ、これでメルちゃんがいくらカセキシリアアゲハをころしてもだいじょうぶだね!」


「わあすごいね! じゃあぼくが牛肉のステーキをたべてもこのそうちをつかえばステーキがもどってくるのかな?」


「たぶん牛がもどってくるんじゃないかなぁ」


メルちゃんがカセキシリアアゲハをころしてはそせいをくりかえしているととつぜんさいぜんれつのきしゃのいちだんがわらいはじめました!

いったいどうしたというのでしょうか!?


「くくく、ワタナベはかせ、そのきかいはザンショ大王さまのけいかくにひつようだ! いただいていく!」


きしゃはじぶんのかおのマスクを外します! するとそのしたからショカとそのぶかたちのかおがあらわれました!

カメラがまんなかからわれ、中からじゅうが出てきました!

今までわたしたちがきしゃだとおもっていた人たちはザンショ大王のぶかたちだったのです!


「おまえたち! あのきかいをうばうのだ!」


ショッチューぐんだんはもっているじゅうをらんしゃしました!

ふつうのきしゃたちやけいびいんたちはどんどんどてっぱらにかざあなをあけられていきます!

ケイコウはかせもながれだまにあたってそくしでした。


「ウワーッ! てんじ品のかげにかくれるんだ!」


ヒトシくんのとっさのはんだんで3人はてんじ品のかげにかくれます!


「このきかいをわたしてなるものか!」


ワタナベ先生は化石そせいそうちをだいじにかかえてきょうこうとっぱをこころみます!

てんじ品の化石をなげつけひるんでいるすきに出口へダッシュしました!


「まてワタナベ先生! この子たちがどうなってもいいのか!」


ワタナベ先生がふりかえるとそこにはにげばをなくしてほういされている子どもたち3にんがいました!


「まってくれ! わたしはにげない! その子たちをうたないでくれ!」


ワタナベ先生はなすすべなく足を止めました。

このまま化石そせいそうちはショカたちにうばわれてしまうのでしょうか!?


するとカセキシリアアゲハがヒトシくんたちのところへとんでいきました。


「まあまた虫がとんできたわ」


「このチョウってたべられないのになんでみんなひっしになってるんだろう」


「カセキシリアアゲハっていうのはイタリヤのピザきんこうのの新生代第三紀しんせいだいだいさんき中新世ちゅうしんせいのちそうから見つかったチョウの化石なんだ。7,000~26,000千年まえのものであるとされているよ。じんるいたんじょうが10~2,000千年前だからわれわれのそせんよりずっとおじいちゃんということだね」


マルオくんがきょうようのないことを言うとワタナベ先生がかいせつしてくれました。

そのチョウのはばたきでふうりんがなりはじめました!


するとつむじかぜがヒトシくんたちのまえにまきおこります!

その中心からフウリンマンがあらわれました!


「チリチリチリーン」


「フウリンマンさんだ!」


「ううーむあらわれおったなフウリンマン! みな、やつをうて! かならずしとめるのだ!」


ドドドドドドとじゅうせいがなりひびきます!

フウリンマンをじゅうだんがおそう!


「むだだ!」


しかしフウリンマンはよけることなくそのままじゅうのあめのなかをゆうゆうとあるいてきます!

ショッチューぐんだんにちかづいたフウリンマンはもっているきょだい風車でてきかくにショッチューぐんだんのけいついをはかいします!


「くそうやはりぶがわるいか! こいつをつかうしかないようだな!」


ショカがそういうととつぜんじひびきがなりはじめました!

するとはくぶつかんのとなりのあきちの地面がわれ、中から四足歩行で二つのあたまを持つ巨大ロボットがあらわれました!


「いけケルベロス! フウリンマンをこてんぱんにしてやれ!」


「負けるな! フウリンマンさん!」


「がんばって! フウリンマンさま!」


「ししをひきちぎれ! くつうにのたうちまわらせるんだ!」


おたがいのせいえんがひびきます。


「くるかロボット! チリチリーン」


ケロベロスはいっきにとっしんをしかけますがフウリンマンはかるがるよけてみせます。

それをうけてケロベロスはふたつめのあたまでフウリンマンにかみつきました!

しかしフウリンマンはまったくダメージをうけていません。


「くやしいでしょうねぇ」


ワタナベ先生がケロベロスをあおります。


「チリーンチリーン」


フウリンマンがあたまのふうりんをならすとそのしょうげきはでケロベロスもろくもくずれさってしまいました。


「おのれフウリンマン! おぼえておけ!」


ショカとショッチューぐんだんはにげていきました。


「やったー! ありがとうフウリンマンさん!」


フウリンマンはチリーンを音をならしてさっていきました。


「どんなにこわいあいてがきてもフウリンマンさんがいればへっちゃらだね」


「そうだねマルオくん、あんしんだよ」


そういうっていると4人のあたまのなかにふうりんの音がなりひびきます。


「なんだ!? ふうりんがなってないのにふうりんのおとがきこえる!」


「やだ、チョウがちかくにいたせいであたまがおかしくなってしまったのかしら」


「いやわかったぞ! これはきっとフウリンマンさんのテレパシーだ!」


ワタナベ先生のいうとおりフウリンマンのテレパシーが4人のあたまにひびきます。


(ゆうきあるものたちよ、ことしのなつの一日はいちどきり、あのなつのひはいっしょうもどってくることはない。そんなかえらないあの日々のようにわたしは1日に1度しかあらわれることができない。くれぐれもゆだんしてはいけない)


「そうかぁ! フウリンマンさんは一日に一回しかきてくれないのか! なんでだろう!」


「コラッ! マルオくん、ザンショ大王がどこかでこれをきいていたらどうするんだい。あんまりそのことはくちにだしてはいけないよ」


「はーい」


ワタナベ先生がきぐしたように、むしりょなマルオくんの一言はザンショ大王のちょうこがたカメラのえいぞうおんせいにきろくされていました!




「ムムーンムン! ショカよ、きさままたしっぱいしたな!」


「も、もうわけありませんザンショ大王様! きゅうにフウリンマンがきたので……」


「ええいもんどうむよう! やくたたずがどうなるかとうぜんわかっているだろうな」


ザンショ大王の目がきらりと光ります! なんとざんこくな!


「おまちください! わたくしめにもういちどチャンスを! フウリンマンをたおす次のさくせんはよういしております!」


「ほう、そこまでいうならもういちどだけチャンスをやろう。して、フウリンマンをたおすさくせんとはなんだ?」


「は、は。ありがとうございますザンショ大王様。次のけいかくですが、まずはこちらのせっけいずをごらんください」


挿絵(By みてみん)


「あらゆるげんだいへいきをはじくケロベロスがフウリンマンにまけたのは四足歩行でパワーを出しきれなかったからにちがいありません! なので二足歩行でパワーをより上げたこのグレートケロベロスならばかならずフウリンマンのかたい体をくだくことができるはずです!」


「いいだろう。ただしまたこんどしっぱいしたときはただではすまさんぞ」


「こころえております」


このおそろしいロボットにワタナベ先生たちは生き残ることができるのでしょうか!?




ワタナベ先生たちは化石そせいそうちをアメリカ軍にほかんしてもらうためほうかごに【スーパーボウル】でペンタゲンにやってきていました。


「ドーモ、ワタナベセンセイ。ワタシ国防長官のレフトデース」


「どうも日本のワタナベです。本日はこちらに化石そせいそうちをほかんしていただきありがとうございます」


「イイエー、これでワタシたちのセーブツヘーキがかんせいシマース。せんそうできマース」


「え!? せいぶつへいき!?」


ヒトシくんはやばそうなことばを耳にしてびっくりしました


「うそデース。せかいへいわをめざしマース。イエスウィーキャン」


一部ふおんなはつげんもありましたがせかいでいちばんあんぜんなところにほかんされそうでワタナベ先生はほっとしています。

しかしワタナベ先生がそうちが入ったケースをわたそうとしたしゅんかん、空から二足歩行のロボットがふってきました!


「ワ! なんだ!? ザンショ大王のてしたたち!?」


「くくく、そのとおりだ! いけ、グレートケロベロス! こんどこそいちもうだじんにしてやれ!」


ショカがいっしょにおりてきました! グレートケロベロスのできにだいまんぞくのようです!


「ウワーッ! たいへんだアメリカ軍がじゅうりんされている!」


アメリカ軍はさいしんえいのへいきをたたきこみますがまるできいていません!

せんしゃもへいたいもひこうきもすべてなぐりつぶされていきます!


「オーマイガッ。USA、USA」


あまりのこうけいに化石そせいそうちをかかえたレフト長官はげんじつとうひをしています!


ここでグレートケロベロスのちゃくちのしんどうでヒトシくんのふうりんがなりはじめました!

するといつものようにふうりんのおとがひびき、つむじかぜの中からフウリンマンがあらわれました!


「正義のみかた、フウリンマン!」


「くくく、フウリンマンめ、ぜんかいのようにはいかんぞ! いけ!グレートケロベロス!」


「チリチリチリーン」


フウリンマンとグレートケロベロスのいっきうちがはじまりました!

グレートケロベロスはうでをふりおとしますがフウリンマンはひらりとかわします!


グレートケロベロスはそれをみこしてフウリンマンがにげた先にもうかたほうのうででおもいっきりパンチをくりだしました!

とんでもないパワーのパンチがフウリンマンをおそいます! ノーダメージ!


「チリチリチリ、こりないやつめ! くらえ!」


フウリンマンはきょだいかざぐるまでなぐってきたみぎうでをきりおとしました!

つづけてよろめくグレートケロベロスのひだりうでもきりおとします!


グレートケロベロスはフウリンマンのはやわざであっというまにりょうあしもきりとられてしまいました!


「さすがフウリンマンさんだ! いいぞー!」


「すごいわフウリンマンさま!」


「もっとひきさけ! じごくをみせてやるんだ!」


「チリチリチリーン!」


フウリンマンはダルマになったグレートケロベロスをペンタゲンへなげつけるときょだい風車をかざします!


「正義のパワーをうけてみよ!」


かざぐるまからいかずちがはなたれ、それをうけたグレートケロベロスはだいばくはつを起こしました!

それをちょうこがたカメラからみていたザンショ大王はカンカンです!


『ええいにっくきフウリンマンめ! あくうんのつよいやつだ! いつかやっつけてやるぞ! てったいだ!』


ザンショ大王の部下はきづけばにげだしていました。


「チリチリチリーン。チリチリチリーン。チリンチリンチリン」


てきをせんめつしたフウリンマンは空へとかえっていきました

しかしざんねんながら化石そせいそうちはグレートケロベロスのばくふうにまきこまれてこわれてしまいました。


「ざんねんですね、先生」


ヒトシくんがワタナベ先生にこえをかけましたが先生は気にしていませんでした。


「いや、これでよかったんだ。これはきっとじんるいは化石のようなかこではなくまずはこれからの未来のために正しく生きろとフウリンマンさんは言いたかったんだ。だからあえて化石そせいそうちをはかいしたんだよ。あのそうちはわれわれじんるいが正しいみちを歩めるようになってからまた作りなおせばいいんだ」


「フウリンマンさん……そこまで考えて……」


なつの空にはふうりんの音がなりひびいていました。

ありがとうフウリンマン、ありがとう!


「チリチリチリーン」



『次回予告』

世界中のげんしりょくはつでんしょにあらわれたかくをくう大蛇だいじゃ

大蛇は放射能ほうしゃのうをはきだしじんるいをくるしめている!

いけ! ぼくらのフウリンマン! あしき大蛇をわぎりにしてやれ!

次回! 「核をくう蛇」にご期待ください!

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