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メデューサに対抗できる一般人 対 それを苦しめるメデューサ

作者: ひろ
掲載日:2026/05/13

 突然だけど、 ”メデューサ” っているじゃん?

 髪がヘビで、見た者すべてを石にする怪物。


 俺って、アイツの石化能力が効かないのよ。


 メデューサに言わせると、俺の名前って【石田岩男】って言うんだけど、だから『お前は既に石だ』って。だから今更石化しないんだって。


 当たり判定ガバガバ過ぎるだろ。


 まあそれで、俺はメデューサに見られても石にならないんだけど、それを良いことにアイツ、頻繁にうちに来るのよ。


 俺の店【散髪屋石田】にな。


 なんでも、どこの店に行っても店員が石になってしまうから、今まで散髪してもらえなかったんだって。

 なに? その能力、ON/OFF出来ないの?


 じゃあ今までどうしてたのか聞いたら、自分で切ってたって。

 節約に励むお父さんかな?


 まあ、ということで俺が散髪しているわけなのですが...、


 わかるだろ。


 相手 “ヘビ“ なのよ。



 チャキチャキ

 『ギャァーーッ!!』

 チョキチョキ

 『シャアアアアッ!!』


 うるせぇよ!!

 それと居た堪れねぇんだよ。



 頭側は、切ってしばらくすると断面から頭が生えてくる。

 切られた側は、床でしばらくウネウネしたあと霧みたいになって消えていく。

 そこは掃除いらずで楽なんだけどさ。

 なんかものすごく後味が悪い。

 それと切る時の感触が最高に気持ち悪い。


 『シャンプーも頼む。』


 え〜...。

 ヘビさん、シャンプーがしみて目がウサギさんみたいになってますやん。めっちゃ辛そうですやん。


 この人(?)、自分の髪に容赦ないな。そのうち毛根ストライキ起こすぞ。ハゲても知らんぞ。



 まあ、そんでな。そんな精神がガリガリ削られる作業なのにな。

 アイツ、やたら頻繁に来るのよ。

 散髪ができるのが嬉しくて仕方が無いんだろうけどな。こっちも精神が保たんのだわ。



 『襟足は短めに。横は流す感じで。』って。何その【趣味=仕事】の昭和のお父さんみたいな指示。

 しかも、一週間でそんなに伸びてねぇよ。


 はあ...面倒くせぇ。



 ということで、ある時俺もキレてさ。

 アイツが寝てる間に、バリカンで丸刈りにしたったんだわ。

 これでしばらくは来れんやろ、ってな。



 グーで殴られたわ。



 後日、俺は【メデューサから物理攻撃を受けた珍しい男】として、オカルト界隈でちょっとだけ有名になった。



おしまい

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