私について
不倫、男性との複数同時進行の関係に不快感を感じる方はご注意下さいませ。
小説内の氏名は実在の物ではありません。
私は、ゆかり。高岡 ゆかり。
都内でOLをしている冴えない独身女だ。
来月で34歳・・・
後一年で、母が亡くなった歳になる。
早くに母を亡くしたせいだろうか・・
私は、幼い頃から長くは生きられないと
思っていた様に思う。
冷めた子供だった・・
美男美女の両親を持った割には、普通の
容姿に生まれついた私は、周りの大人達
の目に可愛らしく映ることを義務とされ
てきた。
母の努力が実ったか、小学校を卒業する
頃には近所でも評判の美少女と呼ばれた。
愛されていなかったわけではないと思う。
歳の離れた妹がいるが、同じように愛され
ていた。
素直な妹と素直になれない私・・
最初に受け入れられなかったのは、きっと
私・・
その頃には、もう、周りの顔色を伺い、
相手の望み通りの自分を装う事を覚えていた。
いつもどこか満たされない・・寂しい・・
いつも愛情にどこか飢えていたのは、私が
とても貪欲だからだろうか。
雪のように真っ白な肌に艶やかな亜麻色の
髪、血を映したかの様な真っ赤な唇・・
何も知らない無垢な子供だからこその色気
だろうか・・小学校の男性教師や父兄の気
を引くことは簡単だった。
媚を含んだ眼差しだけで、簡単に優越感
を得ることが出来た。
微笑みひとつで思惑通りになる男達を
心にどこかで軽蔑していたが、与えられる
愛情の欠片はその頃の私には必要なものだ
った。
ただ、体だけは誰にも与えなかったのは、
少女故の潔癖さだったのだと思う。