表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン配信の理由  作者: 八谷 響
46/47

 穣は、自分の端末を見た。待ち受けの画面は、半年前にウグイスに強く言われて成り行きで変えたときのまま。


 打ち上げという名目で、チーム・クリスタルと一緒に食事に行った。全員横に並んで撮影した集合写真。


 髪は、豊浦が見せてくれた写真よりも伸びている。ぼさぼさだ。無精ひげも生えている。そして何より、茫洋とした顔。


 ひどい有様だ。


 今もあまり変わっていないに違いない。


「平岸」


 疲れたのか、豊浦はベッドに横になった。


「お前、これからどうするんだ? 配信休んでるんだろ?」


「ああ」


 配信ができる状態ではなかった。けれどその間も、ダンジョンには潜っていた。政府やフレイザー社から依頼された調査の仕事を引き受けていたのだ。だから無収入ではない。配信主が、チーム・クリスタルやその他の誰かだったというだけで。


「自分の配信は、ちょっと無理だからな」


 ミノル、と呼んでくれていた声。


 もう、傍らに彼女はいない。


「アーカイブで見たけど、一緒にやってたAIがいたんだよな。……俺を助けてくれたときに、ウロボロスにやられたって……」


 ミネルヴァは、ウロボロスに噛み砕かれた。胴体は粉々で、頭部も損傷していた。


 彼女はAIだ。生きた人間ではない。だから、そもそも死んではいない。


 そう考えようとしても、喪失感は未だに埋まっていない。


「配信できないの、そのせいか?」


「……半分は、そうだな」


 穣は、実況が下手だ。ウグイスのように訓練を受けているわけではないし、そもそもの性格からして口数が少ない。だから最初のうちは視聴者がほとんどいなかった。


 うまくいくようになったのは、ミネルヴァのおかげだった。


「確かにミネルヴァはAIだ。だが、五年間俺を支えて、助けてくれていた相棒だ。その恩を、返したいんだ」


「どうやって?」


 穣は、端末から顔を上げた。


「ミネルヴァを、生き返らせる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ