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ダンジョン配信の理由  作者: 八谷 響
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安堵

 麻酔が効いているうちにと、穣たちはウロボロスを残しその場を離脱した。折りたたみ式の担架に豊浦を乗せて、トロッコ乗り場へ向かう。


『やー、すごかった! 蛇モザイクかかってたけど!』


『リアルで配信はやばいっしょ。でもこっちの蛇と同じ感じだった?』


『ぐろ映像でしたー! こっちの世界の蛇と見た目も中身も似た感じだったね。いやー、大手術でしたわ』


『お疲れー!』


 コメントも湧いている。戦闘はシールド、かぼすとブレイドが担架を担いでそれに続き、ウグイス、ミラー、ミネルヴァと穣が続く。もしモンスターに遭遇した場合は、シールドが抑えてその隙に先を急ぐ作戦だ。


『ミノル』


「……夢みたいだ」


 あんなに長かったのに。


 自分が今、どこにいるのかわからなくなる。


『現実よ。みんな一緒にいるわ』


 みんな。


 チームクリスタルと、ミネルヴァと。


 豊浦。


「ああ……」

 目尻がぬめぬめする。さっきかぶった粘液か、汗か。


 目元を拭い、穣は周囲に気を配った。敵がいる様子はない。ウロボロスの出現を察知して、逃げているのかもしれない。


 特に危険な目に遭うことなく、やがてトロッコ乗り場に到着した。


『さて、あとは帰るだけですね! さっきみんなで打ち上げに特上うな重肝吸い付き食べに行こうって相談してたんですが、おすすめのお店とかあったら教えてください!』


『うな重wwww お高級wwww』


『もしかしてウロボロスの腹開きでwwwwwww』


『やめてwwwwww』


『あ、俺スーパーのでいいから穴子買いに行こうかな』


 トロッコ乗り場には、エレベーター・ガーディアンが待機してくれていた。他に医師と看護師もいる。彼らは担架の上の豊浦を簡単に診察したあと、頷いてトロッコに乗せにかかった。


「患者の搬送が終わったら、トロッコをすぐ戻しますので。すみませんが三十分ほど待っていてください」


「大丈夫です。ご協力ありがとうございます。豊浦をお願いします」


 エレベーター・ガーディアンと医師たちに頭を下げ、穣は去って行くトロッコを見送った。


「待ってる間暇っすね。ウグイス、なんか面白い場つなぎない?」


『えー、しりとりでもする?』


『鉄板だな』


『あ、じゃあせっかくだから、ダンジョン関連単語縛りとかにしたら?』


『あっそれ採用。では――』


 ウグイスが言いかけた、そのときだった。


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