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暁の誓い、お嬢様は剣をとる  作者: 脇汗ベリッシマ
暁の誓い
5/75

その手紙の向こうに

「まだ見つからないのか、と聞いているんだッ!」


普段は冷静沈着なはずのレオンハルト王子が、机を叩いて声を荒げる。

揺れる燭台の炎が、その怒りと焦燥を映し出す。


宛名もなく、ただ一枚だけ、机の上に残されていた置き手紙。

そこには簡素な筆跡で──


「少しだけ、外の世界を見てきます。

私のことは、心配しないでください。」


それだけが、静かに、しかし深く胸を抉るように残っていた。


「一体、なぜ……。どうして俺に何も言わなかった……」

唇を噛みしめ、目を伏せるレオンハルト。


隣で控えていたユリウスが、そっと声を落とす。

「……お嬢様は、昔からそういう方でした。大切なものほど、巻き込みたくないと。」


「そんなやさしさ、俺は望んでいない……!」


噛み締めた言葉の中には、守れなかった後悔と、焦燥と、まだ見ぬ彼女への強い想いが詰まっていた──


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