暁に咲く誓い
彼女の名はエリス──高貴なる血を引く貴族の娘。
誰よりも優しく、誰よりも気高く、誰よりも強くあろうとした少女。
だが、運命の夜。
母の命を奪われ、血に染まったドレスのまま、ただ一つの誓いを立てる。
「私が…私が、この手で誰かを守れるようになる」
それは、少女が“お嬢様”を捨て、“騎士”になると決めた夜だった。
その瞳に宿るのは、ただの悲しみではない──誓いの、暁の光。
登場人物
◆エリス・アルヴィナ(主人公)
「この手で、守りたい――それだけだった。」
元・名門貴族令嬢。幼き日に母を殺された過去を持ち、人を守る力を求めて騎士団に身を投じる。
誇り高く優しく、そして強くなろうとする“暁”の騎士。
⸻
◆レオンハルト・グランディア(第一王子)
「君のために世界を敵に回せる、そんな男でありたい。」
王国の第一王子。幼少期からエリスと親しい幼馴染で婚約者。
王子としての義務と、個人としての想いの間で揺れながらも、彼女を深く愛し続ける。
実は腹黒いところもあり、敵には容赦なし。
⸻
◆カイン・ヴァルト(寡黙剣士)
「お前の命が燃えるなら、俺の剣はその炎を守る盾となる。」
国最強の剣士。幼き日に非力な自分がエリスを守れなかった過去があり、剣を極めた。
無口で冷静だが、エリスには甘く、常に傍で守る騎士。王子と恋のライバル関係。
⸻
◆フィオ・レーヴェン(年下ツンデレ魔法騎士)
「あんたなんか、心配なんかしてねぇし!…バカ。」
魔法騎士団の若き才能。エリスの素性を知らずに出会い、彼女の強さに惹かれていく。
ぶっきらぼうで毒舌だが、誰よりも素直になれない年下男子。実は一番泣き虫。
⸻
◆ユリウス(執事)
「私は、あなたの影であり盾であり、家族でございます。」
エリスに仕える忠義の執事。エリスとは5歳差で、幼い頃から彼女を見守り育ててきた兄のような存在。
冷静沈着、情報収集・潜入・戦闘もこなす超有能な万能男。
⸻
◆リディア・フォン・ヴァレンティナ(婚約者)
「王子は私のものよ。下民の癖に、よくも王子の前に立てるわね?」
政略で王子と婚約させられた公爵令嬢。高慢で傲慢、エリスを下民呼ばわりするが、その裏にあるのは…?