3話:辰巳の覚悟
俺の名前は辰巳 龍星。水無瀬組で禄を食む武闘派の極道だ。俺たちは今、武闘派組織十六夜組との抗争中、デカい戦いだと先日、俺の尊敬する式神の兄貴と十六夜組のエース、九十九ってやつが激突してる。これからさらに戦火は大きくなっていくだろう。
今日俺は神楽地区に来ている。その理由は神楽の治安維持だ。ここ数日、十六夜組の奴らも多く出入りしていると聞いている。十六夜組の粛清、それが俺の役目だ。
俺が路地に入ったところだった、そこにはある男がいる。その男にはどこか見覚えがあった。その男の名は・・・・天馬 海斗。十六夜組の武闘派と末端をつなぐハブだ。こいつを殺れれば十六夜組の機能は大きく揺らぐだろう。
「おい、お前天馬海斗だな?」
「なんだお前、まさか・・・辰巳か!?」
「ご名答。天馬、俺とやり合おうや。」
「いいぜ?極道舐められたらおしまいだ。てめぇはここで殺す。」
そして俺はナイフを抜く。俺が使うのは青藍のサバイバルナイフ。特殊ではあるだろう。それを抜いた瞬間、ドスの効いた声で天馬がこう言った。
「兄ちゃん、それを抜いたら、もう死んでも文句は言えねぇぞ。」
「当たり前だ。極道死ぬ覚悟がねぇとやってけねぇんだよ!」
「極道を舐めてるな?兄ちゃん。極道のイロハを叩きこんでやる。」
そう言って天馬もドスを抜いた。その瞬間、俺は天馬目掛けて突進する。俺のスピードは組内でもトップクラス、そこから俺は刺突を放つ。
「いきなり抉らせてもらいますよ!!」
「ちぃっ!!厄介な奴だ!」
天馬は間一髪でそれを受けたみたいだが、余裕はない。しかしなんと天馬は強引にチャカを抜き放つ。
「おらぁ!死んどけぇ!」
「しぃぃ!!」
だがここは完全に躱して見せた。そこから始まったのは激しい切り合いだ。壮絶を極めるその切り合いの中に天馬は突きを織り交ぜてきやがる。厄介な相手だ。
「はぁぁぁ!死ねぇ天馬!」
「まだ死ねねぇなぁ!辰巳ぃ!」
「お前ら十六夜組には借りがあるからなぁ!その借り返させてもらうぜぇ!」
「それはこっちのセリフじゃ仁義外れが!」
そんな問答をしながらも激しい切り合いは続く。互いの肉は削れ時に弾ける。それはまさに過酷そのものだ。その泥試合に終止符を打ったのは意外なことだった。
なんと天馬がドスを一気に切り上げてきたのだ。
「おらぁ!死に晒せこの外道がぁぁ!!」
それを避ける術は俺にはなかった。奴のドスが深々と俺の腹に食い込む。
「ごふぅぅ!!なに・・・!がはっ!」
「ふん、油断したな、この野郎。」
そして俺は前のめりに倒れる。だが・・・
「いくら敵とはいえ、お前に殺害指示は出てねぇ。逃がしてやるよ。」
「なん・・・だと?ごふぅ!!」
「仲間呼びたきゃ呼べ。俺は引く。」
そして天馬の野郎はどこかへ消えた。
そしてその後、俺は舎弟の夏目を呼んだ。
「兄貴!!大丈夫ですか!!早く闇医者行きましょう!!」
「夏目・・・俺は負けてねぇぞ。油断しただけだ。」
「分かってますよ、それよりも早く闇医者に・・・!」
そして俺は闇医者に入院することになった。俺の傷は内臓に届いていた、長期入院だ。
そしてここから、組の最高戦力同士が鎬を削り合うんだ・・・
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