2話:最高戦力、激突
俺の名前は天馬 海斗。十六夜組に出入りしている武闘派舎弟だ。
今日は組の最高戦力である九十九の兄貴とここ神楽地区に来ている。何をしに来たかというと、一つはシノギのため、そしてもう一つは、水無瀬組と戦うためだ。俺たち十六夜組は今、武闘派水無瀬組と抗争中だ。戦場は主に神楽地区、水無瀬組の武闘派たちも出入りしていると聞く。もちろんそんなことは許さねぇ。俺たちは粛清に動く。
そしてこの後、九十九の兄貴と水無瀬組の武闘派がぶつかっちまうんだ・・・
それは神楽地区のとある路地を歩いていた時だった。突然後ろから声がかかる。
「お前ら、十六夜組だな?」
「ん?誰だお前。まずは自己紹介だろうが。」
「はっはっは!面白い奴だな。俺は式神 龍之介。水無瀬組の武闘派だ。」
「式神だと!?超武闘派じゃねぇか!」
俺がそんな驚嘆の声を上げると、式神は笑いながらこんなことを言ってきた。
「そこのお前、良い目してるな。だが俺には勝てねぇ。お前は引いてみてな。」
「なんだと?舐めてんのかてめぇ。」
「海斗、やめとけ。こいつは俺が殺す。」
「九十九の兄貴、分かりました。」(兄貴のこんなとこ、見たことねぇ。殺意が爆発してる。)
そう言った瞬間、兄貴のオーラが爆発する。それはまるで空気が歪むようだ。そして兄貴がドスを抜く。
「九十九だったか?それを抜いたらもう死んでも文句言えねぇな。やるか、いいぜ?」
「お前はここで死ぬ、死ぬにはいい日だろ。」
「俺はまだ死ねないんだよなぁ。死ぬのはお前だ。さぁ来いよ。」
その瞬間、既に九十九の兄貴は踏み込んでいた。そしていきなりフルパワーの蹴りを飛ばす。
「おらぁぁ!いきなり死んどけよぉぉ!!」
「当たってやれねぇなぁ!!」
それを間一髪、式神の野郎は躱しやがった。その直後、なんと式神が九十九の兄貴の懐をとり、襟を掴んだのだ。
「襟取ったぁ!ぐるりんぱっとぉ!!」
「なにっ!!」
式神が放ったのは変形の大外刈り。それはまさに強烈の一言だ。そうしているうちに、九十九の兄貴は空中で一回転し、背中を地面に叩きつけられる。これはまずい、そう思った。だが、なんと何もなかったように立ち上がったんだ。頭から血を流しながら・・・。
「えぐい技持ってるじゃん。そのくらいじゃないと面白くないよなぁ。」
「俺はこれだけじゃないぜ?」
そう言って再び二人が構える。緊張感が漂う中、兄貴が神速でチャカを抜く。そして放ったのは二発の弾丸。しかしそれをも式神はかいくぐり、再び懐をとった。だが、忘れてはいけない、この兄貴が、十六夜組最強と呼ばれる所以を・・・。
式神が襟を掴もうと踏み込んだ瞬間、兄貴の拳が飛ぶ。それはあまりにも強烈すぎる発勁、その威力は自称ゾウも気絶する威力だという。
「これは避けられないだろ。はぁぁぁぁ!!」
「ごふぅぅぅ!!」(こりゃやべぇな。今日は引くか・・・)
それをまともに喰らった式神は道路の方へ吹き飛ぶ。
ゆらゆらと震えながら立ち上がる式神。その式神はなんと町中に煙玉を叩きつけ、そのまま姿を消したのだった・・・・。
「兄貴、大丈夫ですか!」
「当たり前だぁ。俺は死なねぇ。あの式神ってやつ、相当な猛者だ。気をつけろ、次狙われるのはお前かもしれないぞ。
「はい、気合いを入れさせていただきます。」
そしてここからがこの抗争の本番だったのだ・・・。
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