1話:互いの信念
俺の名前は天馬 海斗。武闘派組織十六夜組の舎弟だ。
今俺たちは神楽地区をめぐってある組織とぶつかる準備をしている。その相手ってのが武闘派組織水無瀬組だ。水無瀬組は犬神町をシマとする小規模ながらも一騎当千の猛者ぞろいの組織だ。舎弟衆まで気合いの入った者が多いと聞く。かく言う俺たちは青龍町をシマとする中規模組織だ。舎弟衆は多いが、一騎当千の猛者ぞろい、決して弱いとは言わせねぇ。
今日俺は組の最高戦力の一人、龍神 拓真の兄貴についてシマの見回りに来ている。俺たちがシマとする青龍町は少々治安が悪い。俺たちの役目はシマを守ること、それに尽きる。
「龍神の兄貴、水無瀬組との抗争、ついに始まりそうですね。」
「ああ、気合い入れろよ海斗。気合いの入ってねぇ奴から死んでいく。俺は何度も見てきた。」
「はい、粉骨砕身頑張ります。」
そんな会話をしつつとある路地裏に目をやると、そこには意気揚々と人を殴る何者かがいた。それを見た瞬間、龍神の兄貴が動く。
「お前ら何してんだぁ?殺すぞ。」
「なんだてめぇ、やんのか??」
「喧嘩売ってるのかぁ?いいぜ?殴ってみろ。」
「おらぁぁぁぁ!!俺は喧嘩負けなしじゃ!!」
そう言って奴は拳をフルスイング。その拳が兄貴の頬にめり込む。だが・・・忘れてはいけない、この兄貴が一騎当千の猛者であることを・・・。
「なんだ、これが本気かこの野郎。」
「ひ、え??」
「じゃあ次は俺だな。おらぁ!!」
次の瞬間、壮絶な拳が飛ぶ。それは超強烈なアッパー。その男の顎は完全に破壊され、絶命した。
「兄貴、さすがです。大丈夫ですか?」
「当たり前だぁ。死体処理、頼むぞ。」
「承知いたしました、手配しておきます。」
そう言って、俺たちは組事務所へ戻ることにした。
ちなみにこれは親っさんに聞いたのだが、俺たち十六夜組の神楽地区を狙う言い分はこうだ。
「神楽地区は昔から十六夜組と繋がりを持ってきた。だから無法地帯となる前にシマとする。」
これを大義として俺たちは今後戦っていくことになる。
そしてこれから、この抗争は苛烈を極めていく・・・・
俺の名前は辰巳 龍星。武闘派組織十六夜組との抗争を控える水無瀬組の新進気鋭の極道だ。
俺たちがこの抗争について考えていることはこうだ。
「神楽地区は昔から水無瀬組が治安維持をしてきた、だから俺たちのシマだ。」
これを大義として俺たちはこの抗争を戦い抜くことになる。
今日俺たち水無瀬組は本部に集まり、緊急の集会を開くことになった。そして全員が集まると親っさんが口を開く。
「これから俺たちは十六夜組と抗争だ。皆気合いを入れろ。神楽地区を守ってきたのは俺たち水無瀬組だ。神楽地区は俺たちのシマだ。絶対に守り切る。そして仙石、日向、鬼龍、黒鉄、式神。お前たちは組の主力だ。恐らく十六夜組はお前たちを狙ってくるだろう。特に気を付けるように。」
親っさんが話し終わると日向の兄貴が口を開く。
「神楽を守ってきたのは俺たちです。十六夜組の奴らは全員細切れにします。」
その言葉を皮切りに、皆の闘気が増す。そして再び親っさんが話す。
「そういうことだ。皆気合いを入れるように、以上!」
「「「「「はい!!!」」」」」
そしてここから俺たちの日常は壊れていくことになる・・・・
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