呪われた竜騎士
書籍販売記念に
住み慣れたはずの屋敷は、自分の体が変化してしまったことで危険な場所へと変わった。ディートリヒは物陰に身を隠しながら、使用人たちが諦めて通り過ぎるのを待っていた。
黒く小さな体は、暗い場所で息を潜めていれば見つかりにくいだろう。爪と翼を使えば、天井にも移動できる。雇っている使用人は、屋敷を維持できる最低限の人数しかいない。おかげで捜索から逃れるのはさほど難しくなかった。
ディートリヒは長い尻尾を体に巻き付けるように寄せた。羽トカゲになるのは、これで二度目だ。
これからどうすればいいのか分からないが、とにかく今は逃げるべきだろう。遭遇するなり捕まえようとしてくる使用人たちは、こちらの事情など聞いてくれそうにない。言葉が通じない姿なのだから仕方ないが、珍しい色だから研究機関に売ろうという話が出てきたときは血の気が引いた。
助けを求めるなら、エレオノーラしかいない。彼女なら黒い羽トカゲの正体に気がついてくれる。
――なぜ、朝からこんな目に遭わなければいけないんだ。
何も予兆はなかった。いつも通りの一日が始まると思っていたのに、盛大に裏切られて逃亡する羽目になっている。
ディートリヒは仕事熱心な使用人たちがいなくなるのを待ちながら、呪われた原因に心当たりがないか思い出していた。
***
遠征で訪れた町は、宝石の取引で有名なところだった。
昔は近くの山でルビーの原石を採掘するのみだったが、次第により高く売るために宝石へ加工してから取引をするようになった。さらに良質な宝石を求めて富裕層が訪れるようになると、彼らの関心を惹くために装飾品へ加工する業者が集まってきた。
同業者が増えると競争が激化する。少しでも売り上げを伸ばすため、デザインも多種多様なものが生み出されるようになり、それが町の知名度を上げることになった。
よその地域で採掘された宝石を持ち込んで加工させる富裕層も珍しくない。有名な宝飾品デザイナーを幾人も輩出してきたこともあって、この町で宝飾品を作らせることに一定の価値が見出されるようになった。
現在ではルビー以外の宝石も当たり前のように扱われるようになり、町の中は色とりどりの輝きで満ちていた。
ディートリヒは大粒のルビーがついた指輪に目をとめた。深みのある赤色をしている。大きな石の中には内包物が見えた。台座は石を目立たせるために、あえて地味にしてある。
「騎士様、いかがですか。なかなかの掘り出し物でしょう? 隣国から亡命してきた商人が手放した宝石なんです。状態は保証しますよ」
目ざとい店主が、購入を迷うディートリヒに声をかけてきた。竜騎士は女性人気が高いことから、制服を着ていると女性向けの商品を勧められることが多い。だが安物を高値で売りつけられることも少ないので、狙っている商品があるときは役に立つ。
店主は盗品や偽物ではないと主張するためか、赤い宝石の前に拡大鏡を置いて、表面を見せてくる。店主の言う通り、宝石の表面に傷はついておらず、カットされた縁に欠けたところもなかった。
店主が手に取って確認してもいいと言うので、目線の高さに合わせて光にかざした。ガラスとは質感が違う。鑑定用の魔術でルビーを照らすと、淡く光った。ほぼ間違いなく本物だ。
ディートリヒは宝石の鑑定魔術を教えてくれた母親に内心で感謝していた。いつ役に立つのかと疑っていた、過去の自分に教えてやりたい。
――結婚式向けの色ではないが、綺麗だな。
エレオノーラの瞳の色によく似ている。何かの記念日あたりに、この宝石を贈るのが妥当だろうか。指輪ではなく、髪飾りに加工するのはどうだろう。きっとエレオノーラのハチミツ色の髪に似合う――そこまで瞬時に考えたディートリヒは、宝石の購入を決めた。
他にも似た色で小粒のルビーを二つ選び、ピアスにしようと夢を膨らませる。
金額は予想よりも低かった。店主に理由を尋ねると、彼は商売人らしい笑みで答える。
「騎士様は、あの英雄でしょう? 差し引いた金額の代わりと言ってはなんですが、うちの店でお買い上げいただいたことを公表してもよろしいですか?」
「……まあ、それぐらいなら」
個人的なことではあるが、宝石の購入なら知られても困らない。購入した店は、あまり宝飾品を買わないディートリヒも名を知っているほどの老舗だ。長く商売を続けてきたところなら、悪用はしないだろう。了承したディートリヒは一旦、宝石を屋敷へ持って帰ることにした。
台座を含む全体的なデザインは、エレオノーラの好みを反映させたい。宝飾品のデザイナーも交えて相談しようと決めた。自分がデザインをした宝飾品を贈ることに若干の憧れはあるが、素人が手を出すと野暮ったくなるだけだ。
遠征先からレイシュタットに戻り、細々とした仕事を片付けている間に深夜になってしまった。屋敷に帰ったディートリヒは、ひとまず宝石を書斎の金庫へ入れて眠りについた。
――エレンは喜んでくれるだろうか。
不安と楽しみを抱えたディートリヒが目覚めて最初に見たのは、真っ黒な羽トカゲに変わってしまった己の手だった。
***
朝、いつも通りに目覚めて着替えていたエレオノーラは、部屋の外が騒がしいことに気がついた。珍しく使用人たちが廊下を慌ただしく移動している。まるで走り回るネズミに遭遇したかのような騒ぎだ。
「何かあったの?」
部屋を出たエレオノーラは、ちょうど通りかかったリタに尋ねた。メイド服に似合わない虫取り網を持っていた彼女は、すぐに終わりますよと微笑んだ。
「朝から騒がしくて、申し訳ありません。屋敷内に羽トカゲが侵入したようです」
「羽トカゲ?」
貴族女性の中には、爬虫類なんて見るのも嫌だという人もいるのだろう。エレオノーラが遭遇する前に、外へ逃がそうと頑張ってくれているようだ。
エレオノーラは隣国にいたころ、多種多様な実験動物に接してきた。餌やりや飼育小屋の清掃などの世話もしていたので、今さら羽トカゲ程度では驚かない。自分も探してみようかなと思い立ち、一階へ降りた。
「あっ。エレン様。おはようございます」
一階のホールには、虫取り網を肩に担いだベティーナがいた。網の中には黒いものが入っている。必死に暴れて逃げようとしていたが、網が体に絡まって思うように動けないでいた。
どこか見覚えのある姿だと思っていると、ベティーナが捕まえた獲物をエレオノーラに見せてきた。
「珍しい色の羽トカゲですよ。どこかの研究所に売れませんかね?」
「えっ……ディー?」
羽トカゲは金色の目を輝かせてエレオノーラを見上げた。何かを訴えかけるようにキュウと鳴いて、網の間から小さな前足を伸ばしてくる。
「ベティーナ。せっかく捕まえたのに、ごめんね」
虫取り網を広げて解放してやると、羽トカゲはエレオノーラの手の中で、ぐったりと伏せた。クルルと力無く鳴いたのは、礼のつもりだろうか。
「やっぱりディーだよね。合ってる?」
羽トカゲが切なげに鳴いた。だが自分の正体を見抜いてもらえて、嬉しそうだった。彼の竜と同じように、長い尻尾の先を揺らして気持ちを表現している。
人間らしい反応に、ベティーナは困惑していた。
「どうして分かったんですか? というか、本当に主なんですか?」
「なんとなく、かな。普通のトカゲじゃない気がしたから」
以前にも黒い羽トカゲに変えられた姿を見ているからだろう。よく観察すると羽トカゲらしくない反応をしているので、時間をかければベティーナたちも気がついたはずだ。
「それより、どうしてこんな姿に?」
ディートリヒは説明しようと語りかけてくれたが、あいにくと可愛らしい鳴き声にしか聞こえない。言葉での意思疎通は絶望的だ。
「そ、そうだ。筆談ならどう?」
エレオノーラは自分の部屋へ戻り、机にインクと紙を用意した。
右の前足にインクをつけたディートリヒが、器用に文字を書いていく。
「うわぁ。このトカゲ、本当に主っぽいですね。外へ向かって投げなくて良かった……」
ずっと疑っていたベティーナは、目の前にいる羽トカゲが字を書く様子を見て、ようやく信じる気になったらしい。
投げられていたかもしれないディートリヒは、ドン引きした顔でベティーナを凝視した。トカゲの顔では表情など変えられないはずなのに、なぜか考えていることがよく分かる。
「本物の羽トカゲじゃなくて主だったから、簡単には捕まえられなかったんですね! 逃げるのが上手いから途中から殺意がわきましたよ」
「むしろ殺意を感じたから、本気で逃げ回っていたんじゃないかな?」
ディートリヒが羽トカゲのまま殺されなくて良かった。
紙にはディートリヒの筆跡で、よく分からないが起きたら羽トカゲになっていたと書いてある。
「これ、私たちだけで解決するのは無理じゃないですか?」
「そうだね……姿が変わったのは呪いの一種かな? でも竜騎士って呪いにかかりにくいって聞いたことがあるよ」
ルーカスが作った薬品がディートリヒに有効だったのは、体を衰弱させて呪いへの耐性を極限まで下げたからだ。今のディートリヒに弱っている様子はない。
「そうらしいですね。じゃあ本職を呼びますか?」
ディートリヒは昨日まで遠征で留守にしていた。仕事中のことを聞くなら、副官のクルトに協力してもらうのが最適だろう。だがクルトの名前が出ると、ディートリヒは翼を下げた。あまり知られたくないのだろうか。
「遠征中に変わったことはあった? 見慣れない魔獣に遭遇したとか、誰かに魔術をかけられたとか。由来が分からないものを触ったりした?」
ディートリヒは記憶を辿るように、ぼんやりと遠くを見ていた。やがて思い当たることがあったのか、書斎とだけ紙に書き、軽い身のこなしで机から降りる。
そのまま部屋を出ていこうとしたので、エレオノーラは他の使用人たちへの伝言をベティーナに頼んだ。
「黒い羽トカゲを見かけても、攻撃したり捕まえないように伝えてくれる? アルバンさんとマーサさんに会ったら、書斎へ来てって伝えてね。私はディーを追いかけるから」
「了解です」
素早く走るディートリヒを追いかけ、彼の書斎に到着した。婚約が決まったときに自由に出入りしてもいいと許可を得ているので、本を借りるために何度か入ったことがある。
ディートリヒは金庫の前にいた。どうやら開けたいようだが、羽トカゲの体ではうまく扉を開けられない。数字がついたダイヤルを回せずに苦戦していた。
羽トカゲの姿で頑張るディートリヒは、ずっと見ていたくなるほど可愛い。つい見学して和んでいると、困った様子で見つめられて我に返った。
「ご、ごめんね。手伝うよ」
勢いで請け負ったものの、エレオノーラは金庫の開け方を知らない。誰を呼べばいいのか困っていると、ベティーナから伝言を聞いたアルバンとマーサが書斎に到着した。ディートリヒが呪いのことを知られたくないとはいえ、家令とメイド長の二人にまで黙っているのは無理がある。むしろ二人には正直に打ち明け、協力してもらうべきだろう。
二人は羽トカゲの正体がディートリヒと知って驚いていたものの、エレオノーラを疑うことはしなかった。深夜に帰ってきたはずのディートリヒが屋敷内に見当たらないので、薄々、察していたのかもしれない。
アルバンにディートリヒが金庫を開けたがっていると伝えると、すぐに扉の鍵を開けた。金庫の中は小さな扉と引き出しで構成されている。金品だけでなく重要な書類も保管しているのだろうと、エレオノーラは推測した。
ディートリヒが短く鳴いて小さな扉を前足で叩いた。意味を汲み取ったアルバンは扉を開け、手前にあった小箱を取り出した。書斎の机に置き、そっと蓋を開ける。
「もしこれが原因なら、触れるのは危険ですね」
アルバンはそう言って、机から離れた。
「神殿の解呪師を呼んでまいりましょうか?」
ディートリヒは紙に頼むと書いて、クルルと鳴いた。
竜皇国では、呪術は解呪師の資格を持っている神官に依頼をして、解いてもらうそうだ。隣国だと治療師か、呪いを研究している魔術師に依頼をしていた。
アルバンが書斎を出ていった一時間後、高齢の解呪師が到着した。彼は丸い眼鏡越しにディートリヒを観察した後、懐かしい呪いだねと笑う。
「これは魔女の悪戯だよ。かれこれ五十年以上は昔になるかね。人間の心を可視化させるという理由で、恋人たちに呪いをかけた魔女がいたんだ」
やはり呪いの発端は、ディートリヒが買った宝石だった。過去にかかったことがある呪いを再現する効果があるらしい。
「混乱をもたらした魔女が処罰されて、呪われた宝石も全て回収されたと思っていたのだがね。呪われた宝石だと気付かれないまま、隣国へ渡っていたのだろうよ。そしてまた、この国へ戻ってきた」
「傍迷惑な呪いですね」
ベティーナが正直な感想をこぼした。解呪師が書斎へ来たどさくさに紛れて、入ってきたようだ。すぐ近くにはリタもいる。
「解呪は可能でしょうか?」
アルバンが丁寧に尋ねると、解呪師は頷いた。
「もちろん、解呪できるとも。だが魔女の呪いはしつこくてね。月光を浴びた聖水を一ヶ月ほど服用すれば、呪いは解ける」
ディートリヒの羽が下を向いた。そんなに時間がかかるのかと言っているかのようだ。
「だが、それでは時間がかかりすぎてしまうだろう? この魔女の呪いは、もう一つ解呪方法があってね。心を通わせている者とキスをすると解ける」
「キス?」
「そう。言葉で愛していると伝えても、本心かどうかは言っている本人にしか分からない。魔女はそこを目に見える形にしたかったらしいね。心から通じ合った仲であれば、呪いが解けて証明できる。まあ、現実は余計な混乱をもたらしただけで終わったがね」
何を心が通じ合っている証拠にしたのかは、魔女にしか分からない。
――そんな呪いがあったんだ。でもディーと心が通じているっていえば……。
ふとエレオノーラは自分に視線が集まっていると気がついた。
「わ、私?」
「この流れならエレン様しかいませんよ。ね?」
「適任者がいらっしゃって良かったですね」
リタとベティーナが微笑ましそうにしている。
「儂は宝石に残っている呪いを解いておくかね。キスでも聖水でも、好きな方を選ぶといいさ」
解呪師は机の上に置きっぱなしだった宝石に手をかざした。時おり口を動かして呪文を唱えている。
「私どもが気になるのでしたら、廊下に控えておりますので」
そうマーサが言うと、リタとベティーナがあからさまに落胆した。
机の上からディートリヒが飛んできた。小さな体がエレオノーラが差し出した手の上に乗る。クルクルと鳴いているところが、申し訳ないと言っているように見えた。
ここでエレオノーラが拒否しても、ディートリヒ達は責めないだろう。エレオノーラの意見を尊重してくれると分かっていた。
「私にできることなら、なんでもやるよ」
羽トカゲ姿を見るのは、これで二回目。もともと爬虫類は苦手ではない。それにディートリヒが変化した姿だから、これから自分がやろうとしていることに嫌悪感もなかった。
エレオノーラはそっとディートリヒに口付けた。トカゲ独特の硬い感触だ。顔を離してしばらく待ってみたものの、変化はない。
「ディートリヒ様、どういうことです?」
背後からリタの低い声がする。
「あれだけ溺愛するそぶりを見せておきながら、エレン様が一番ではないと?」
「なるほどね。言葉だけじゃ分からないって、こういうことだったんだね」
エレオノーラからは見えないが、きっとリタもベティーナも目が笑っていない顔になっているはず。
不穏な空気になったメイドたちが見えたディートリヒは、否定するように首を横に振った。それからエレオノーラを見上げて、何かを訴えるように鳴いている。
「エレオノーラ様、落胆なさることはありませんよ。古い呪いのようですし、心の繋がりという見えないものを、魔女が正確に観測して、呪いに組み込めたとは思えません」
マーサが優しく慰めてくれるが、エレオノーラは別のことを考えていた。
心から通じ合った仲という目に見えないものを、魔女はどうやって判断していたのだろうか。エレオノーラとディートリヒは婚約しているが、心が通じている実感はまだない。お互いに愛おしいと思う気持ちは共通しているものの、考えていることは言葉にしないと伝わらないし、相手が考えていること全てを察するのも無理だ。
魔女が呪いを解く条件に当てはまらなくても、悔しいとは思わなかった。これから時間をかけて二人で築いていくものだから。
「えっと、たぶんディーと一番心が通じているのは、竜だと思うの。竜騎士と竜は特別な心の回路ができるほど、一緒に過ごしてきたんだよね?」
***
数分後、エレオノーラたちは厩舎で落ち着きなくうろつく竜のところへ来た。
竜はディートリヒが呪われたことで心の回路が不安定になり、意思疎通ができなくなったのだろう。現れたエレオノーラたちの中にディートリヒがいないと知ると、切ない声で鳴いた。
「ディーのために協力してくれる?」
エレオノーラが羽トカゲ(ディートリヒ)を掲げて見せると、竜は不思議そうに首を傾げた。気になる気配がするけれど、ディートリヒではないことに困惑しているようだ。
エレオノーラは竜が鼻を近づけてきた時を見計らって、口の辺りにディートリヒの顔を接触させた。
今度はディートリヒに変化があった。ぽひゅんと間が抜けた音と共に、いつもの黒髪が現れた。ゆったりとしたシャツとズボン姿なのは、眠っている間に体が変化したからだろう。すかさずアルバンがディートリヒの肩に上着をかけ、サンダルを差し出した。
皆はディートリヒと心が通じているのが竜だったと判明した途端に、表情が和らいだ。自分たちの主人が無事に戻ってきた安堵と、ディートリヒと心が通じているのが相棒の竜だったという、納得できる理由が大きい。
「わあ。本当に呪いが解けたよリタちゃん」
「さすがエレン様。見事な推察です」
何もしていないのに褒められるのは、失敗した時と同じぐらい居心地が悪い。
「二人とも、これからはディートリヒ様を疑うことのないように」
「マーサさんが一番、疑っていたくせに……」
「ええ、瞳から光が消えたのを見たわ。あれは本気で怒っていた証拠よ」
「二人とも、余計なことは言わないように」
「はーい」
「かしこまりました」
ベティーナとリタは即答し、仕事があるからと言い訳をして屋敷へ戻っていく。
「……お前がいて良かったよ」
賑やかなメイドたちが去ったあと、ディートリヒは遠い目をして竜の首を軽く叩いた。
状況が飲み込めない竜は首を傾げ、それでも自分が役に立ったことは理解したのか、嬉しそうにディートリヒの頬を舐めた。
書籍、コミカライズ共によろしくお願いします




