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おまけガーデン。  作者: さんまぐ
アートの女神イロドリ。
15/19

神の世界にて。

アートとジルツァークの反省文はかなり進んでいて止めるのもつまらない感じになっていた。


「千歳!!」

「やっときた」

私に気づいたアートとジルツァークは嬉しそうな顔をする。


「アート!ジルツァーク!」と名前を呼ぶと2人は同じ仕草で「疲れたよぉぉ」「本当あり得ないよ!」と言って手をバタバタさせる。


「あはは、お疲れ様。でもあと少しじゃない。もっと残ってたら減刑を頼むけどこれだと言えないから頑張ってよ。ご飯作って応援するからさ」

「ええぇぇぇ」

「あと少しって400回くらい残ってるわよ?」


「400回なら今日中には終わるよ。頑張ってね」

そう言った私は最初に地球の神様の前に行く。


「よく来た」

「うん。アートとジルツァークの事をありがとう」

正直こっちで助けて貰えてなかったらここまでいい展開では無かったと思う。


「いや。それにしてもやはり勿体ない。気持ちが変わったらいつでも言ってくれ」

「へ?何の話?」


「私は千歳も千歳の周りの者達も素晴らしい神になると思っている」

「あはは、ありがとう」

どうしたんだ急に?この10年そんな話が出た事あったかな?


「本気だぞ。人の身で4人に姿が変わる母は発明神、父は戦闘神、兄も立派な戦神、姉も全愛神になれるだろう。無論地球に居る千歳の母も素晴らしい神になれると思う」

「…なんだかなぁ。まあ、覚えておくよ」

戦闘神と戦神の違いって何だろう?何となくわかるけどまあ縁が無いからいいや。



次は東さんの元に行く。

東さんはこの会話を聞いていて嬉しそうな顔をしながら私を見る。


「やあ千歳」

「ただいま」


「熱烈にスカウトされていたね」

「困っちゃうよね。後はアートの事とジルツァークの事をありがとうとごめんね」

カナリーとエルムの事でお礼を言う。


「いや、僕こそ千歳のおかげで間違いを犯さないで済んで良かったよ」

「そっか。良かったよ」


「この前も言ったしジョマではないけど僕も千歳を娘とも友とも家族とも思っているよ」

「ありがとう。私もだよ。でもやっぱり東さんには敵わなかったよ」

そう言って握手をしてから笑い合う。

まあ、今後は戦いたくない。


そして皆の前に行く。

「皆、この前はありがとう」

「お帰り」

「よく戻った」

「見事だったぞチィト」

「本当凄かったよちぃちゃん」

「皆に誘われているんだから神になれば良いのに」

「違うわよね。千歳の魅力は半神半人だから輝くのよね?」

「尊敬したよ。本当にチトセは強く美しい女神だね」

「本当、憧れちゃうよ」

「お帰りだゼーッ!」


皆がそれぞれ言葉をくれる。

ここにも自分の居場所があると思うと嬉しくなる。


「照れるよぉ」

「とりあえず戻ってきた祝いかな」


「うん。アートとジルツァークにも差し入れしたいから戦神の台所借りても良い?」

「構わぬぞ」


「ヘイ千歳!あの油淋鶏をお魚でやれないカーイ!?」

「へ?うーん…鳥だから美味しいってのもあるけどなぁ。やるならサバを揚げて上に甘酢の餡掛けかな、それでも良い?」


「よろしく頼むゼーッ」

「あ、お魚さん。海鮮丼作りたいから沢山よろしくね。解体は頼んであるからどんな大物も大丈夫だよ」


「テンション上がるゼーッ!!」

お魚さんは嬉しそうに「太平洋から海流を乗り継いで日本海まで回ってくるゼーッ!」と言いながら行ってしまう。


「千歳…」

戦神がソワソワしている。

何となくわかる。

ちょっと意地悪したい気持ちもあるけど今回は戦神にもかなり助けて貰ったので意地悪はしない。


「戦神、うちの姪とかうちのお父さんもたこ焼き待っているんだけど頼める?」

「おぉぉ、任せろ!この不肖戦神。見事タコ焼きとの戦いを制してみせる!」

戦神は一足先に家に走っていってしまう。


「へ?」

「戦神はたこ焼きを作っているんじゃなくて戦っているんだってさ」

時空お姉さんが笑いながら教えてくれる。


「なにそれ?」

「タコとの戦い、粉との戦い。鉄板との戦いに火加減との戦いだったかな?」

一応戦神として戦っていたのか…。


「じゃあ私も戦神の家に行くからテーブルとか飲み物とか頼んで良いかな?」

「やっとくよ」

「千歳はフルーツジュースだよね?」

「アレを見ちゃうと千歳にお酒はねぇ」


え?痴態見てたの?

そんなやり取りに見せしめ台の上のアートとジルツァークが悲痛な声を上げる。


「うううぅ、ズルイ!楽しそうでズルイ!」

「皆鬼よ!装飾神はこれを見たくて千歳を解放したとしか思えない!」


アートとジルツァークの悲痛な叫びが耳に残る中、戦神の家を目指すのだが装飾神と聞いてこの場にジョマが居ない事が気になった私は歩きながらジョマを呼ぶ。


「トラブル?」

「バレましたか」


「大丈夫?」

「ええ、加減が難しいだけです」


「んー…このタイミングだもカナリーとエルムかな?」

「…鋭いですね。アートとジルツァークの2人だと出力量と質が悪くてカナリーとエルムの魂が安定して身体に定着してくれないんでズレないように固定をしていました」


「あー、それやらない方がいいよ。カナリーとエルムに事情を話してアートとジルツァークが終わるまで時を止めちゃおうよ」

「はい?」


「とりあえずジョマは手を止めてこっちを見ててよ。ジョマは2人の時を止めたらこっち来てね」


私は戦神の家に向かう事をやめてアートとジルツァークのところに行く。


「千歳?」

「緊急事態よ」


「なにそれ?」

「2人の定着が甘々でカナリーとエルムはズレちゃいそうだから早く終わらせて力を注ぎに行きなさいよ」


「「え!!?」」

「ジョマが居ないんだからおかしいって思いなよ。ジョマが一時的に処置してくれたけどこれ以上頼むと反省文を千回増やされるから止めといたからね」


「千歳?」

「ん?千歳はやらないよ。力が混じったらカナリーもエルムも可愛そうでしょ?」

アートが何を言いたいのかわかって先回りして潰してしまう。


「えぇ、ジルツァークとはダメでもアートと千歳の力は同種だから…」

「やり切なよ。もうお姉ちゃんでしょ?」


「ええぇぇぇ」

「アンタも鬼よ!」

ジルツァークが困った顔から怒った顔で私を見る。

ほほぅ、ここら辺は本当に人間臭い神様だなぁ。


「ジルツァーク?反省文増やされたい?」

「い…嫌よ!」


「じゃあ美味しいの作ってくるからアンタ達は頑張りなさい」

「…食事の時間は取れるの?」

ジルツァークがキョトンと聞く。


「ヘトヘトで力使って成功出来るの?」

「うぅ…」

「無理かも」


「でしょ?不眠不休で飲まず食わずなんてダメなのよ。さっさと書きなさいよね」


そう言って再び戦神の家を目指す私の前に東さんとジョマがニコニコ顔で現れる。


「お見事です!」

「本当、全部千歳に頼めば良かったかな?」


「そんな訳無いでしょ?2人が作ってくれた下地の上だから上手くいったんだよ。

サードと一緒、創造神イィトと装飾神ジィマのおかげで私は何とかなるのよ」


「ご謙遜ですね」

「益々神にしてしまいたくなるよ」


「なんで皆して神化を勧めるかなぁ?」

「皆は知らないけど僕は千歳の作る世界、創造が見てみたいのさ」

「きっと京太郎に負けず劣らずのキラキラした世界が作れるわ」

遠くを見る東さんとうっとりとするジョマを見ながら私は「やんないよ。ストレスで死んじゃうもん」と断っておいた。


なんと言う恐ろしい事を言うんだ?



**********



宴会は盛り上がった。

調子に乗った地球の神様は「祝出所・お帰り千歳」と言うのぼりを用意していやがったし、お魚さんからは「ヘイ!鯨って素潜りで獲っていいカーイ!?」と連絡が来て断った。

大物もOKとは言ったがいくらなんでもツネノリでも捌けないし私もどう調理していいかわからない。


多分お魚さんが狙ったんだろうけどサバが山盛りだったのでタカドラを呼ぶとサバにつられて嬉しそうにやってきた。

だが広場に出てすぐに反省文を書いているアートとジルツァークを見て申し訳なさそうにしていた。

アートがタカドラを見て「リュウさんだ!」と喜んで東さんに「終わったのかい?」と聞かれて「うぅ…まだです」と言っていた。

ジルツァークは「鬼!」と言いながら頑張っていた。


またジョマが意地の悪い事に「美味しい?どう?もっと食べなさいタカドラ」とタカドラを可愛がってみたり皆でどんちゃん騒ぎを始めたりしてアートは涙目だしジルツァークは何回も「鬼!」と言ったりアートを優しく慰めたりしてくれていた。


一通りサバを食べたタカドラが、「あの…今更かも知れませんが、何故イロドリ様はあのような事に、そしてジルツァークも何故?」と聞いてきてお酒で気持ちよくなっている時空お姉さんがジェイドの最終決戦の後、タカドラがエクサイトに戻ってすぐにジェイドを死なさない為にアートがカナリーを蘇らせてしまった事、それに怒った東さんとジョマに私と王様が喧嘩を売って返り討ちにあった事。

そしてカナリーを蘇らせた罰で二千回の反省文を書いてる事。

ジルツァークはエルムを蘇らせる為に東さん達を頼って結果反省文を書いている事を説明した。


タカドラが感涙しながら「お姉様」と言って私を見る。


「へ?」

「エクサイトの為、イロドリ様の為に戦ってくださってありがとうございます」

深々と頭を下げるタカドラに私は慌てる。


「ええぇぇぇ、そう言うのいらないよ。私はやりたくてやっただけなんだって」

慌てて返事をする私を見て驚くタカドラ。


「タカドラ?」

「いえ、お姉様はとても強い神なのにそのように謙遜して慌てられるのですね」


「あはは、千歳って不思議だよね」

ナースお姉さんがお刺身を食べながら笑う。


「はい。そしてあの魔王と呼ばれていたお方達がいない事も納得しました。

いやはや…恐ろしい方だと思っていましたがまさか格上の存在に立ち向かってくださったとは…」


あ、王様と黒さんはやっぱり怖いんだ。


「へぇ、タカドラは僕達が怖かったんだ」

「神様は格上だけど目指す目標が出来たからこれからも修行は怠らないさ」


は?

私は慌てて振り返るとそこにはアーティファクトは纏っていないが王様と黒さんが立っていた。


「王様?黒さん?」

「やあチトセ」

「僕達もやっと釈放だよ」

王様と黒さんはせいせいした顔で笑う。


芸が細かいのは地球の神様はのぼりを「お帰り千歳と2人のキヨロス」にしていた。


「戻せる所まで人間性が戻ったので釈放と同時にお祝いをしているからと呼びました」とジョマが言うと「やっぱりアーティファクトは取り上げられたままなんだね」

と東さんが言って笑っている。


「参りました。当分アーティファクト無しです」

「まあ僕達は神如き力でアーティファクトを再現してますけどね」

王様と黒さんは何か機嫌がいい。


「王様、黒さん?当分は人間らしい暮らしをしなさいよね」

「わかってるよチトセ。もう皆に怒られるのも泣かれるのも懲り懲りだよ」

「本当、子供達にまで睨まれたしコピーガーデンだとちとせにも睨まれたよ」


「ところで地球の神様、覗き変態趣味の神ってどのくらい刑が軽くなりました?」

「僕達が居なかったからアイツ野放しでしたよね?」


「2ヶ月減刑だ。この場には相応しくない話だから後日改めてする事にしよう」

「2ヶ月か」

「まあいい感じだね」


そして着席をした2人に私は感謝を告げる。

「この前はありがとう。そしてごめんね」

「いや、頼ってくれて嬉しいよ」

「チトセはもっと周りを頼っていいんだからね」


そう言って微笑む2人に私は赤くなる。

人間性を取り戻した王様はヤバい気がする。

顔がビリンさんに似ているだけに破壊力が違うんだ。


そして乾杯をした王様が「チトセは飲酒はやめときなよ」と言うと黒さんも「あー、僕達の方もジョマが見せてくれてたよ。フィルさんがありがとうだってさ」と言って笑う。


あー、黒さんの所も同じ感じだから喜んでもらえたのか…。

とりあえず私は「飲みません」と言ってお刺身で海鮮丼を作ると2人に振る舞う。

王様と黒さんはそれを食べてくれるとジルツァークとアートの元に行く。


「やあアート。見てきたよ。頑張ったね」

「キヨおじちゃん」


「カナリーは助けたんだろ?ならアートの勝ちだよ。僕達も神様には勝てなかったけどアートがカナリーを助けたなら勝ちだよ」

「黒キヨおじちゃん」


「トキタマも褒めていたよ。そうだろ?トキタマ!」

「はいですー。バブちゃんは字も頑張って書いてますよー」

地球の神様の所で桜えびを食べていたトキタマ君が王様の肩にとまる。

褒められたアートは嬉しそうに「トキタマ~」と名前を呼ぶ。



**********



ちなみにジルツァークは気配を消して必死になって反省文に向かっている。

まああれだけの目に遭ったら怖いよね。


「ジルツァーク」

「ひっ!?」

王様に声をかけられたジルツァークは体を震わせて怯えている。


「「ひっ!?」て…治癒神達といい酷いなぁ」

「えぇ…」


「エルムの事もジョマに見せてもらったよ。新しい事を覚えて世界をより良くしようとする姿勢は見事だよ。僕にも何か手伝えることがあったら言ってよ」

「僕は一度神化もしているからもう1人の僕とは違う相談にも乗れるかも知れない」

「え?あ…ありがとう」

王様の優しい言い方にジルツァークが呆気にとられながらありがとうと言う。


「「気にしないで。奪った命と助けた命に向き合ってエクサイトをタカドラと導いてね」」

そう言って微笑む王様と黒さんにジルツァークが頬を染めて「は…はい」と言う。

何と言うかあれは危険な目をしている。フェロモンが出ていると言えばいいのか?目がハートと言えばいいのか?


あ、これ鈍感案件だ。

そう思った私は一連の流れを映像化して「義理母様達へ、ご報告です」と言って送るとジョマが嬉しそうに私の横に来て「おまけです。私も少しだけ映像持ってます」と言って前にナースお姉さんと先輩お姉さん、後はセカンドのスタッフが赤面した所を映像化して送りつけた。



……

………ちゃん……


「チトセちゃん?」

え?

嘘だろ…。

この前のツネノリといい、普通は神の世界と連絡取ろうなんて無理なんだってば…。


私は青い顔をしてしまうが「うふふ。凄い執念」と言ってジョマが悪い顔して喜ぶし東さんも「まあいい薬かもね」と笑っている。


「チトセちゃん?聞こえてるよね?」

「はい!」

私は恐怖から気持ちいい返事を心がけてしまう。


「良かった。キョロも聞こえるかな?聞こえるよね?」

「え?…力の種類が違うからわからな…」


リーンさんは最後まで喋らせないで「ジョマ?繋げて」と言うとジョマは嬉しそうに「はい!」と言っている。


…どうすんだこれ…。


「ちぃちゃん…」

「りぃちゃん?」

そこにりぃちゃんも青い顔でやってくる。


「ジィマ様がコピーガーデンのリーンさん達にも同じことをやっててね…」

「いぃ!?」


あ、チャンネル合わせると聞こえる。

「リリオちゃん?誰と話したの?チトセちゃん?」

「は…はい!」


「ふーん。リリオちゃんはこう言う力が得意よね?」

「はい!」

リィちゃんも恐怖から気持ちのいい返事をしている。


「ちょっとキョロに繋げてくれるかしら?うふふふふふふふふ…」


ひええええ…。

おっかねぇぇぇ。

マジヤベェ。

まじ怖えぇ…。


王様と黒さんといえば、もうジルツァークから離れてタカドラの所に行っていて「君、竜神になったんだったよね。うん見た感じ強そうだね。ちょっと戦ってみようか?」と声を書けている。

困るタカドラに皆が「ちょっと復讐神程強くないんですから駄目ですよ」「タカドラも困っていないで断りなさいって」助け舟を出している。


「リーンさん、もう黒さんはジルツァークじゃなくてタカドラに戦おうって…」

「チトセちゃん?だからっていい訳ないわよね?」


「はい。仰る通りです」

「ジョマが気を利かせてくれたの。見ててね」


「え?」

「ちぃちゃん!」


「あ!はい!拝見させていただきます」

私はりぃちゃんの制止でなんとかなった。


ジョマが嬉しそうに王様と黒さんの所に行く。


「ジョマ?」

「なんか楽しそうだけどどうしたの?」


「愛の力って凄いですよね」

「え?何の話?」

「どうしたの?酔ったの?」


「キョロ!!」

「え?リーン?」

「どっちの!?」


「どっちだって一緒よ」

「え?またリーン?」

「あれ?」


「キョロくん?ジョマがねコピーガーデンとゼロガーデンの私達を意識でだけど会わせてくれたのよ」

「だからどっちも私なのよキョロくん」

「フィルさん?」

「リーンもだけど何で怒っているの?」


「へぇぇ…。キヨロスくんは怒っているのがリーンちゃんとフィルだけだと思ったと」

「お姉さんも怒っている訳なんだよね」

「あれ?ジチさん?」

「怒ってるの?なんで?」


「何でですって?」

「キョロ?約束したよね?」

「戦いから離れるから」

「軟禁はおしまいにって」

「神の世界とアートが心配だから」

「僕を行かせてくれって言ったわよね?」


正直これは面白い。

王様と黒さんが同じ表情で脂汗をダラダラと流しながら困っている。

後でお父さんに見せてあげよう。



**********



6人の義理母達の話は止まらない。

脂汗をかきながらあわあわしている王様と黒さんが大人しく聞いている。


「それに何?」

「あの微笑んだ映像」

「昔アーイに微笑んだ時にお姉さん言ったよね?そう言うの好きじゃないって」


「何あの女神、ジルツァークだっけ?キョロはやっぱりああいう魅力的な女性が良いのね!」

「酷いわキョロくん!」

「私達の何が嫌なのさ!」


「えぇぇぇ…」

「僕にはリーン達しか考えられないよ?」


「…それは知ってる」

「うん。キョロは私達しか考えられないよね」

「でもヤキモチ妬くの」

「わかっているでしょ?」

「だから外でそう言う事をしないでってお姉さんは言ってるの」

「わかってる?キヨロスくん」


「はい」

「すみません」


「タカドラと戦おうとした事はごめんなさい」

「つい強そうだったので神様との再戦を意識してしまいました」


「ジルツァークの事とか言われても正直よくわかんないけど」

「僕達はリーンとフィルさんとジチさんしか考えていないから」


ここまで説明してようやく奥様方…義理母達の気が済んだ…と思った私が甘かった。



「チトセちゃん?」

「はい!!」


「ちょっと神如き力を使って欲しいんだけどいいかな?」

「はい!!喜んで!!」


「チトセさん、ここから私達の考えって読めるかしら?」

「え?…えぇぇぇぇ、そこまでするの?」


「駄目?」

「いえ!素晴らしいと思います!!」


「チトセでも一人でやるの大変かな?」

「えっと…、辛かったらビリンさんに力を流せれば問題ないかと…」


「いいよ、ビリンなんて五体満足なら何してもいいからお姉さん達のお願い聞いてよ」

「…頑張ります」



「チトセ?」

「何を言われたの?」

「ちぃちゃん…力貸そうか?」

「チィト…見たことのない顔色をしているぞ?」


「ちょっと待ってね。義理母様達、少しだけお時間をくださいね」

私はそう言ってジョマを見る。


「ジョマ!ここまでとんでもない事になっちゃったじゃない!!」

「うふふふ、装飾大成功ですかね?」


「良かったね千歳。義理の母達との親密度もアップだね」

「東さん!!?」


涙目の私は長引くと良い事ないと思ったので力を使う事にした。

「神如き力!!時の力!リアルタイムの映像化!しかも二か所同時進行!!」


こうして力を使った結果、何故か28歳を指定した義理母6人の映像を神の世界に投影する事に成功した。

何がやばいって一方向じゃなくて双方向にしていると言うのが正直辛い。

双方向なので会話も何もかも成立する。だがタイムラグなんか起こそうものなら何を言われるかわからないので気合全開だ。


「皆さま、いつも主人がお世話になっております」

「この度は女神の皆様を誤解させるようなことになり申し訳ございません」

「いつも戦いばかりで迷惑をおかけしていますが今後とも主人をよろしくお願いします」

そう言って皆にお礼を言って歩く6人の義理母。


戦神にもシエナさんとパルマさんのお礼やたこ焼きのお礼何かも伝えるし、お魚さんにも「いつも美味しいお魚をありがとうございます」とアピールしていた。


戦神も「いやいや、シエナの母も久しいな。そちらの女人がパルマの母か、見事な力を持った娘でしたぞ。おお、そして貴方が千歳のパートナーの母ですな。いつも千歳がお世話になっています」と挨拶を始めるし。

お魚さんは「食べたくなったらいつでも言ってくれヨーッ」と涙を流してハイテンションだ。


一通り全ての神様に挨拶をすると気が済んだのかようやく引き下がってくれた。



…つ…疲れた。


「千歳、あんたあの人たちの義理の娘になるの?」

「凄いね」

「凄いついでに言うと、二か所同時双方向通信なんてよくやれたわね」

「本当、尊敬する」


「あははは…すっげー疲れたよ」


そして輪をかけてタチが悪いのは王様と黒さんはあれだけ説明を受けても何をしたせいで義理母達がヤキモチを妬いたかわかっていないと言う事だ。


まあ、存在感アピールをしたからジルツァークの恋も潰えただろう。



「終わった!!」

「長かったわよ!!」

「へ?」


何とアートとジルツァークはこの騒ぎの中でも黙々と反省文を書ききっていた。

まあ、ジルツァークは義理母達に声をかけられて挨拶はしていたがすぐに反省文に戻っていた。


お疲れ様と言う私にアートが「千歳の方が疲れてるね」と言って笑ってきやがった。

コノヤロウ。


そしてジルツァークは王様と黒さんを遠目に見て「神化したら時間はいくらでもあるし心変わりもあるわよね」と恐ろしい事を言っていたが聞いていない。私は何も聞いていないと心に誓った。



**********



そうだ。

宴会終わりにタカドラが真面目な顔で東さんとジョマに相談を持ちかけていた。

真面目な話なのだがタカドラの背中で反省文から解放されたアートが「リュウさ〜ん、アートは疲れちゃったよ〜」と甘ったれている。

東さんとジョマの顔がヤキモチ妬きになりつつも神の先輩、指導する立場として板挟みに困っていた。

パッと見は恋愛とかじゃなくてペットの背中に乗っている感じなんだけどなぁ…


タカドラの相談はエクサイトの大地を全て上層界と同じものにしたいと言うもので人間をとりあえず幸せな環境に導く為にやり方を聞いていた。


東さんは先輩の顔で「やり方はすぐに説明できるから後でするよ。とりあえずその時間だが明け方がいいと思う」と教える。

意味が分かっていないタカドラは「何故ですか?」と聞く。


「どううまくやっても地震が起きるのよ。まあ、うまくやれれば家屋に被害はないわ」

「人間達が眠っていた方が火も起きてないし安全だからだよ」

ジョマと東さんにそう言われてタカドラはこの後エクサイトに帰ったら早速大地を切り替えると言っていた。


そして失敗しても問題のない作業だから今回は1人でやってみてダメなら次は東さんと私が付き添う事になった。



明日以降の話をしつつこの2日の事を聞くとアートは風邪で幼稚園を休んだ事になっていた。


「アート、ママと同時進行する?」

「うーん…幼稚園には行きたいけど、それでカナリーを助けられるかな?」


アートは出力の心配やジョマと混ざってうまく行くかを気にしているのだろう。

ジョマの比率が高まるとカナリーの負担になりかねないのを内心直感的に理解している感じだ。


「千歳も力を注いであげるよ」

それで私の比率が増えればアートと私は同質の力だからカナリーの負担も無いだろう。


アートが嬉しそうに私に飛びつくと「いいの!?」と聞いてくるので私は「うん」と言って頭を撫でてあげる。

このやり取りを聞いていたジルツァークが「さっきは助けないって言っていたのに…。訳わかんない」と言っていた。


そんな事でアートはジョマと私に力をもらって幼稚園に行きながら私と力を合わせてカナリーを助ける事になった。



とりあえず今必要なのは休息だ。

解散した私は家に帰ってから明日に備えた動きをする。


「お母さん、泊めていい?」

もう誰をとは言わない。それでも通じるのでお母さんは「いいわよ。どうしたの?」と聞いてくる。

そう、基本的に私は平日に泊まりに行かないし泊まらせることもしない。


「後で見せるけどジョマがやり過ぎたんだよ」

私が困った顔で部屋着に着替えながら言うとお父さんが「あ?なんだそりゃ」と反応する。


「先に呼んじゃうから待っててよ。あー、でもその前に義理母達に許可取るか…」

私がジチさんにさっきの宣言通りキツいから一晩お借りしますと言うと「あはは、ごめんね。じゃあ好きにしてね」と言ってもらったので「「千歳の力」よビリンさんをここに」と言ってビリンさんを呼びつける。


力の使い方を慣らしたのでビリンさんは狙った所に現れる。

リビングで周りに何もない場所を選んでいたので出現に問題はない。

ビリンさんは現れると突然の事だし平日なので慌てて周りを見回す。


「なんだなんだ?」

「ごめん、限界近くてさ」

私が困りながらビリンさんの前に出て軽くもたれかかる。


「そりゃあ見ればわかるけど、何?また神様に喧嘩売ったの?」

「違うよぉ。ジョマが張り切って大変だったの。そっちもリーンさん達が大変だったでしょ?」

私は神の世界から、ビリンさんは目の前で母達を見たはずだから説明を省こうとする訳だが…


「俺近寄ってない。真っ青な顔したレンカ姉さんが俺の部屋にすっ飛んできて「部屋からでちゃダメ!」って教えてくれたんだよ。父さんの件で久しぶりに帰ってきたパルマ姉さんとシエナ姉さんにも後で聞いたらガクブルでさ~」

ビリンさんが半分呆れた顔で説明してくれる。


「見てないのか~、じゃあ、先に余剰の力を受け取って」

そのまま抱きついて余剰の力を流し込むとようやく落ち着く。


「ふぅ…ありがとう。本当キツかったよぉ」

「結構ギリギリだな…」

ビリンさんが「千歳の力」を見て驚いている。


「んで?何があったんだよ」

「凄いよ〜」

私は王様と黒さんがリーンさん達に怒られている映像を見せるとお父さんとビリンさんは目を輝かせて喜ぶ。



そして義理母達が神の世界に映像で現れる場面になると真っ青な顔をしていた。


「…なんでここまでやるんだよ。キヨロスの奴が微笑んだだけだろ?」

「母さん達もいい加減大人になって落ち着けって…」


「それに何だよ、ジルツァークに張り合って千歳に年齢制御をさせて双方向二ヶ所同時通信をやらせる?」

「チトセ…想像つかないんだけどよくやれたな」


「本当、人間の脳には限界ギリギリだよ。練習無しのぶっつけ本番であれはキツかったよ」

「お疲れ様。まあジチ母さんの言った通り五体満足なら何しても良いらしいので、俺はチトセの所でお世話になります」

ビリンさんがお父さんとお母さんに頭を下げる。


「うふふ。ゆっくりして行ってね。でも千歳、明日仕事なんだからあまり時間の事で急がせたり振り回すとビリン君が可哀想よ?」

「あ、そっか…。夜帰る?」


「もう夜だって。それに少しでも一緒に居たいから朝まで居させて」

「おっけー」

もう私もビリンさんも慣れたもので余り周りを気にせずに「一緒に居たい」等と言うようになっているしお父さん達もそこに何か苦言を呈すると言う事もない。



**********



ようやく話が終わった所でお父さんが「とりあえず千歳、魚の残りを…」と言い出した。


「ええぇぇぇ?ちゃんと分けたよね?まだ欲しいの?お酒飲まないならいいよ」

「ビリンが来た日は許される日だろ?」

ええぇぇぇ…来る度に飲んでんじゃん。


「千歳はお魚料理を確保していたの?」

「うん。ビリンさんの分は作りながら格納しておいたの。お父さんも食べるなら複製するよ」

「やった!チトセご飯!」

「でかしたぞ千歳!」

ビリンさんは夕飯も食べたはずなのに私のご飯に喜んでくれるし、ビリンさんが居るお陰で再度お魚ご飯にありつけるお父さんも喜んでいる。


それを見て呆れたお母さんが「ビリン君は少しだけ付き合ってくれる?」と聞いて、お父さんを喜ばせたいビリンさんも「はい!」と気持ちのいい返事をしてしまう。


「もう、仕方ないなぁ。1人1合だよ」

「何!?」

お父さんが目を見開いて私の顔を見る。

何でそんなに飲みたいんだよ?

バカじゃないのか?


そう思っているとお母さんが「ふふ、仕方ないわね。千歳、今日は2合にしてあげなさい」と優しい事を言い出した。

お母さんもお父さんの飲み過ぎは気にしているのでここで甘やかすなんて思わなかった私は「お母さん?」と聞き返してしまった。


お父さんはお母さんとビリンさんが仲間になったものだから嬉しそうに「ほら見ろ千歳!千明の方が女神に見えるぞ!」と喧嘩を売ってくる。

…1合にしちゃおうかな…。



複製の準備をしながら台所に行くとお母さんが「千歳、常継さんは日曜日から今まで休肝日なのよ」と教えてくれた。


「へ?何で?お父さん仕事が休みの日は大体お酒飲むよね?」

「バカね。東さんが万一千歳に怒った時には神化を気にせずに神の世界に行って千歳を守る為に戦うって言ってずっと備えていたのよ。ルルさんにも万一の時には連絡をくれって言って好きじゃないスマートフォンも枕元に置いていたんだから」


「あ…、そうなんだ」

「いつもの不器用なの。やっと無事に帰ってきてくれて嬉しいから飲みたいのよ」

まあ、そう聞くと悪いことしたなと思う。

そして東さんvsお父さんか…。

勝ち目はないけど東さんが接待プレイで「最初の一撃はツネツギに譲るよ」って余裕かませばもしかしたら本気のお父さんなら勝ちかねない。

だがこの前段階で気になる事があった。


「でも神の世界ってどうやって行くつもりだったの?」

「テッド君よ。常継さんは道子さんに頼んでテッド君に会わせて貰ったのよ。それでテッド君に千歳に万一があったら誰に何を言われても神の世界に連れて行ってくれって頼み込んでいたわよ」


「ええぇぇぇ…何ビリンさんみたいな事を言うんだ…」

「テッド君は常継さんに「ツネツギは俺の友なのだな。任せろ!」って了承してくれたわ。

案外他にも同じ考えの人が居たりしてね」

お母さんが嬉しそうに笑う。

お母さんはお父さんが好きだからこう言う話が嬉しいのだろう。


「ええぇぇぇ」と言った所でお父さんが「焦らすのか?お預けは酷いぞ千歳!」と言うので「熱燗?お冷?」と聞く。


「何だ?さっき食べた味なら冷酒かな?」

「仕方ないなぁ…」


私はお母さんに「私がお酒を出して持って行ってもいい?」と聞く。

「いいわよ。常継さん喜ぶわ」とお母さんは笑顔で送り出してくれる。


「遅いぞ千歳」

「ちょっとガールズトークしてただけでしょ?もう」


私の表情に気付いたビリンさんが神如き力で話しかけてくる。

私は「平気。後でギュッとしながら話させて」と言うと了解してくれた。


「お父さん、今回はご心配おかけました。これはお礼よ。万一はないけど一応ビリンさんも居てくれるから特別ね」

そう言って髪色を赤に染め上げて力を使う。


「バカ!何やってんだ?無理すんな!」

…千聖が髪を染めて力を使うと皆感動するのに私はバカ呼ばわりですか…。


「大丈夫、事後報告で東さん達には謝っておくから」

私はそう言って、ちょっと時季外れの父の日代わり、感謝が恥ずかしいからアーティファクトを1個創造した。

乱発は怒られるがこれは許されれば複製されて箱庭行きになるだろう。



**********



出来上がった真っ青なアーティファクトを手に取ってお酒を注ぎながら説明をする。


「「適温の器」って名前にする。色はお父さんの光の剣に合わせた青ね。問題点はC級だから特になしよ。入れた飲み物が冷たい物限定だけど適温になってくれるからこれで美味しく飲みなさいよ」

まあ、箱庭に行くときは乳白色の可愛い色にして貰おう。青はお父さんだけがいい。

驚いたお父さんがちょっと嬉しいのを誤魔化すように「千歳…お前」と言っている。


「何よ上司と部下に挟まれて困ったでしょ?お礼なんだから飲みなよ」

お父さんはお猪口を前に出すと「初めの一杯は千歳に入れさせてやる。次からは千明に頼む」と言った。


「甘えん坊だなぁ」

私が入れたお酒はキンキンに冷えていてお父さんはくぅ〜と唸りながら呑んだ。


「美味い!」

「それは良かったね。でも2合までなんだからね」


「お前!こんなに美味いんだぞ?それは無理だろ?」

お父さんがお猪口を持ちながら熱弁してくる。

でも駄目なものは駄目。


「我慢しなよ」

「だったらお酒の悪い成分を除去してくれる機能とか逆に呑んだら健康になる機能を付けるとか!」


「そんな事したらS級になるって…。「奇跡の器」とかそんな名前にしなきゃいけないし問題点も思いつかないよ」

まったく中年のアルコール事情で神の奇跡を乱発してたまるか。


「くそっ…」と言うお父さんを無視してビリンさんにもお酒を注ぐ。


「ビリンさん、沢山食べてね」

「おう、ありがとうチトセ」


ビリンさんは美味しそうに鯖の竜田揚げを食べてくれる。

…ふむ。最近は酸っぱいブームだな。

今度寒くなったら生姜たっぷりの酸辣湯でも作ってあげようっと。


結局、ビリンさんが付き合ってくれるならって事で、おまけで1合だけお酒を足してあげた。

でもそれのほとんどをお父さんが1人で飲んでしまう。


「飲み過ぎ!」

「ケチケチするなよケチセ!」


……

………

は?


「け…ケチセですと?」

お父さんの暴言に髪を赤くした所でビリンさんが「チトセ、6年前にツネノリさんに連れて行って貰ったマツザウロスのステーキハウスを思い出せよな」と言う。

…思い出すも何も覚えてるよ。


「あ、お母さんも後でそれを見たわよ。あなた何回もお代わりしてツネノリに注意されて全く同じ事を言ったわよね」

「…あー…はい」

言ったよ。言いましたよ。

ステーキをお代わりさせてくれなかったツネノリにケチノリって言いましたよ。


私の表情と何も言えない事で理解をしたお母さんとビリンさんが顔を見合わせて笑う。

「親子ね仕方ない」

「まったくですね」


そのまま何も言い返せない私は「ぐぎぎぎぎ」と唸り、お父さんは結局お酒を我慢させられて「んぎぎぎぎ」と唸っていた。



片づけはお母さんがしてくれると言うのでお父さん、ビリンさん私の順番でお風呂に入った。

正直どこか大きなお風呂に行っても良かったのだけどなんか面倒事になる気がしたのでやめた。

神如き力の乱用は好きじゃないがビリンさんと寝たかったのでベッドのサイズを大きくしてしまう。

そしてベッドの中で宣言通り力一杯ギュッとしながらお父さんとテッドの話を聞いてもらう。


「成る程な」

「参っちゃうよ」


今は胸にギュッとしているので頭の上でビリンさんが笑うのがわかる。

「皆チトセが大切なんだろ?」

「皆?そうだよ皆って誰なんだろう?」


「皆は皆だろ」

その含みのある言い方に私は「え?」と言ってしまった。


「今思いつく奴は皆テッドに頼んでいたりしてな」

「ええぇぇぇ」

ダメだって言っても皆私が神化するなら一緒になると言ってくれていて申し訳ない限りだ。


「かく言う俺も「千歳の力」で神化したら神の世界に案内する人決まってるよ」

「嘘…。誰?」


…誰だろう?何となくふわっとは想像付くけど今はビリンさんの回答を待ちたい。

そう思ったのだがビリンさんの回答は「言えない約束」だったので私は「ぐぎぎぎぎ」としか言えない。


「さあ寝ようぜ。少しでも長くくっついていよう」

「うん。そうする」

私はもぞもぞと胸から頭の方に移動をしてビリンさんにキスをする。


「お疲れ様チトセ」

「うん。すごく疲れたよ」


そう言って同時に「おやすみなさい」と言って眠りについた。

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